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 相棒に女神は微笑まなかった

  太地(和歌山県)
   1996/02/10
  安指(和歌山県)
   1996/02/11

太地、安指の位置


「今度の3連休(2月10〜12日)はどこへ行こうか」
「昨年末、40〜50cmの尾長グレを数匹釣り上げた沖ノ島(高知県)にしようか」
「そうしよう」と相棒の中尾と話していた。
この方面なら少々の風が吹いてもどこかで竿は出せるだろうということで、出発まで予約の連絡などしていなかった。

ところが当日の天気予報では、今晩から第1級の寒波がやってくるらしい。
明日の予想天気図を見ると、完全な西高東低の冬型である。

相棒と相談したところ、遠征してボウズではかなわんということで、急きょ予定を変更する。
近場(紀伊半島)で釣ることとした。

前回の釣行で(1月20日)で好釣果?(私が32〜38cmを3匹、相棒が25〜36cmを3匹)を得た安指の牛の背へ行きたいが、明日の天気ではちょっと無理かもしれない。
そこで、沈ませ釣りで石鯛を釣った太地へ行くこととした。
北西の風には強い釣り場だからだ。

相棒とそんな話をしていたとき、今年の初釣り(潮岬のアシカ)で知り合った北口さんから電話が入った。
さっそく誘いをかけると即OK、3人で大阪を出発した。

途中、フィシングショップオザキに立ち寄り情報を収集すると、昨日は市江からすさみの間が良かったらしい。
すさみのカツオ島では25匹もグレが釣れたそうだ。
予報通りの風が吹けば、すさみ周辺や安指で竿を出すのは無理だろう。
予定通り、太地に向けて車を走らせる。

乗船場前で車をとめて仮眠していると、3人ともすっかり寝入ってしまい、目を覚ますと1番船は出てしまっていた。
まぁいいか、2番船でも・・・。

太地へは3回目の釣行だ。
磯の名前などはまだほとんど知らない。
それで当日に渡礁した磯の名前もわからないのだが、潮の色が非常に悪い。
茶系のにごりが入っている。
今日は苦戦しそうだ。

案の定、磯がわりしてもダメ。
ウキを沈めてみたりいろいろ手を尽くしたが、刺し餌さえ取られない。
結局3人とも丸ボウズである。
他の釣り人からも景気のよい話は聞かれなかったので、まぁ仕方がないか・・・。

今晩からは冬型がゆるむらしいので、明日こそはと安指に向かう。

牛の背の釣果


途中、勝浦で銭湯(温泉)に入った後、めはりずしをほおばりながら国道42号線を戻る。
そして、和深トンネルの手前(串本方面から見て)、船波バス停前の民宿エビスに宿を取った。

またもぐっすりと寝過ぎてしまい(目覚し時計が1時間遅れていたせいもあるが・・・)、もう少しで前日の二の舞になるところだった。
大あわてで安指の渡船乗り場に向かう。
すばやく準備し、ギリギリで1番船に間に合った。

渡船に乗り込むと、牛の背への渡礁希望者が他にもおられた。
牛の背はそれほど小さな磯ではないが、沖向きの好ポイントは狭く、知ったもの同士でも3人がやっとである。
我々のグループが上がるということで譲っていただいた。

  牛の背の地図


前回はAのサラシの延長線上でグレが食ってきた。
そのあたりを中心に3個のウキを並べることにした。
潮の色は昨日よりもかなりよいが、刺し餌はついたままの状態だ。

午前10時ごろ、相棒が「底の方で魚が動いた」と声を発した。
と、そのとき、波間を漂っていた私のウキがゆっくりと沈んでいった。

「きたぁー」竿を立てると、シャープな締め込みはないが結構重い。
サラシの右側にはハエ根が出ているので船付の方へ誘導すると難なく取り込むことができた。
40cmジャストの口太グレだ。

さぁこれからだ、と期待するが、後が続かない。
正午ごろから少し北西風が強くなり、ウネリも出てきた。
私と北口さんは地方向きのBに場所をかえることにした。

目で確認できるシモリの周りを攻めて30cmほどの口太グレがきた。
本日2匹目である。
相棒と北口さんは相変わらず音無しの構えである。
しばらく粘ってみたが、その後はアタリがないので、再び沖向きに釣り座を構える。

その甲斐あって、本日の最長寸がきた。
私にではなく、北口さんのウキを消し込んだ。
42cmあった。

あとは相棒だけである。
北口さんが良型を仕留めたあとの相棒は、黙々というより無言といった感じで釣りに集中している。
後ろ姿が悔しそうだ。
が、なかなかうまく行かないものである。
結局、最後まで彼には女神が微笑まなかった。
2人ともその後は沈黙したままだったが・・・。

まだまだ低水温が続くが、少ないチャンスをものにして、ぜひ大物を仕留めてほしい。


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