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 「ボーズ脱出、46cm」

  二木島 (三重県)
   2009/02/28
 


2回連続でボーズが続いている。
1月24日の尾鷲2月21日、先週の熊野である。
今度こそグレの顔が見たい。
熊野からの帰り道の車内で来週もってことになったので、週末までどこで竿を出そうかと考えていた。
上野山さんは所用で参加できないのでゆたきちさんと2人での釣行である。
南紀にしようか。
木曜日の晩に森本さんから「水温がちょっ上がったよ。荒れ後には狙えるんじゃないか。」って聞いた。
ボーズ街道にはまっている紀東にしようか。
ゆたきちさん、私とも相性のいい二木島に行くことが出発する金曜日に決まった。

私はいつものように大津駅まで電車に乗って行く。
二木島には夜中に着いた。
ワンボックスのゆたきち車で2時間ほど仮眠することができた。
今日もゆたきちさんは耳栓を持参されている。
どうも、私と一緒のときには必須アイテムのようだ。

朝の港には23人の釣り人が出船を待っている。
私達はどこに上がれるのだろう。
前日の予報では波1.5メートルのはずだったのに、港を出たらかなり波がある。
東からのうねりが大きい。
あちらこちらで大きなサラシとなっている。
マルヒサ渡船は湾内の磯から釣り人を下ろしていった。
ベンテンや寺島には上がれないようだ。
ホーロクやイガミバエで釣り人を下ろした後は甫母側の磯に向かう。
コバエに3人が渡ったら船に残っているのは数人になった。

船は中の島の方を向いて進んでいる。
ゆたきちさんと目を合わせた。
急いで船首側に移動し船頭に2人で上がりますよって言葉には出さないが意思表示する。
昔一度だけ乗ったことのある中の島だ。
西側に船は付けた。
ゆたきちさんとともに磯に飛び下りた。

荷物を受け取ろうとしているときに波が上がってきた。
流されるほどではないが、膝上まで浸かる。
「うっ。」
昨年末から履きだしたゴアテックス製のシューズの中が水浸しとなった。
20年振りの中の島に上がって最初にしたことは靴下絞りである。
真冬なので気合をいれて絞った。
以前履いていた磯ブーツならレインコートをブーツの上に被せているので、膝上まで波に洗われてもブーツの中が濡れることはなかった。
ゴアテックス製のシューズ、履き心地は抜群だが波を被ったら弱いな。

中の島に上がってみると船が付いた西側の船付き以外はサラシで真っ白である。
とりあえず、船付きで釣るしかないな。
ゆたきちさんと私は左右の大きなサラシの間に並んで竿を出した。
朝から刺し餌が盗られる。
エサ取りの活性は高いようだ。
グレも活発ならいいけど。
刺し餌が盗られたり盗られなかったりする時間が続いた。
ふと見ると左隣で釣っているゆたきちさんの竿が小さく曲がっている。
すぐに上がってきたのはコッパグレ。
手のひらサイズ。

足元に入れた仕掛けはゆっくりと沖に出ていく。
潮の影響というよりサラシの影響のような感じで流れていく。
時々大きな波が押し寄せて高いところに立っていても、つい、後ずさりしそうになる。
シブキもかかる。
左からの波を気にしながら釣っていたら、私のウキにもアタリが出た。
30cmくらい沈んだ後、浮いてこない。
軽く竿を立てたら魚が乗った。
小気味よく引いてくれるが重さはない。
久しぶりに味わうグレの引きだが小さい。
結んでいるハリス2.5号に見合うサイズではなさそう。
上がってきたのは30cmに僅かに届かない29.5cmのやつだった。
放流しようかと考えたが、とりあえずキープすることにした。

    ゆたきちさん サラシとサラシの間を釣る

その数投後にも、また私のウキにアタリが出る。
今度はウキがスススッーと消し込まれた。
竿を立てたら先ほどと同様の引き、重さはない。
上がってきたのも先ほどと同サイズである。
その後も刺し餌が盗られたり、コッパグレが掛かったりして時間が過ぎていった。
ゆたきちさんにも30cmくらいの尾長が来た。
私は同サイズをキープしたというのに、30cmないからと言って放流された。

バッカンのボイルが少なくなってきたので補充することにした。
時計を見ると午前10時18分であった。
これから後半戦か。
バッカンにマキエを補充していたら、ゆたきちさんは竿を曲げている。
先ほどまでの竿の曲がりとは全然違う。
サイズアップの感じ。
ゆたきちさんが釣り上げたのは30cmあるかないかというサイズではなかった。
40cm近い。
久しぶりにキープするグレとなったようだ。
それも、私のようなクエスチョン付きのボーズ脱出ではない。
完全脱出だ。

私も気合が入る。
すぐに釣りを再開した。
「どこで来たの。」とゆたきちさんに聞く。
今の今まで私が攻めていた右から伸びるハエ根の際で当たったようだ。
ゆたきちさんが掛けたところを中心にウキを投入し続けるも私には来ない。
その後はたまにコッパグレがハリをくわえて上がってくるくらい。
後が続かない。

東からのうねりは相変わらずである。
とても移動して釣るって気持ちにはならない波である。
釣っている場所も左右のサラシは大きくはなっても小さくはなっていない。
潮が退いてきた。
足元にウキを入れたら右のサラシで左へ左へ、その後は左のサラシで沖へとかなり速く移動する。
一面が真っ白となることもあってなかなか釣り辛い。
右と左のサラシの間、竿1〜2本先だけはサラシの影響が少なさそう。
ゆっくりと仕掛けが落ちていくようだ。
その辺りを中心に攻めた。

正午になった。
相変わらずサラシは大きいが、仕掛けを換えることにした。
ウキを小粒なものに、ハリはサイズを落とさず軸の細いものにくくり直す。
ゆたきちさんも仕掛けを作り直している。
私の方がゆたきちさんより早く仕掛けを作り直せた。
早速、投入。

         46cmでにっこり

軽い仕掛けに変えた1投目、竿1本半先で私のウキに変化が現れた。
30cmくらい沈んだ後、じっと動かない。
浮いて来ない。
アタリ?
竿を立てたら足元に突っ込んできた。
強烈な引きではないが重量感はいっぱいである。
右手のハエ根に行かれるのを注意しながら浮かせにかかった。
グレだ。
型もよさそう。
ウキが見えてからも抵抗されたが、ゆたきちさんが差し出したタモに無事収まった。

まだ、1時間半はある。
じあい到来か。
その後は休みなく仕掛けを打ち返したが、何も来なかった。
ついに納竿時間となった。
当初考えていた以上に波が高くて釣り辛い日和だったが、何とか良型グレの顔が見れた。
ボーズ脱出の楽しい1日を過ごせた。
向かいの地方で釣っていた常連の人は風も当たるし波も直接来るし相当釣り辛かったんだろう。
釣ってる姿を見ててそう思った。
私達のボーズ脱出は東からのウネリも風も何とか避けれた中の島のおかげやろな。
この日は厳しい釣りになったところが多かったようだ。
水温は16.5℃と聞いた。
水の冷たい時期だけに、ちょっとの水温上昇で魚の活性は上がったのだろう。
もう少し穏やかな日和なら、みんなが魚を持って帰れたのじゃないのかな。

先週の熊野では大半の時間を4〜6ヒロの誘導仕掛けで釣ってボーズだった。
今回の私はほとんど3ヒロ前後の固定仕掛けで釣りをした。
ゆたきちさんは4ヒロ前後の誘導仕掛けだったのかな。
始終「仕掛けが馴染んでないのか。仕掛けが馴染んでないのか。」って呪文のように唱えられていた。
馴染むってどういうことかもうひとつ分からないけど、私のようにフロロカーボンハリスとハリ以外に何も付いてない仕掛けでも沈む。
沈下スピードも十分なものだと思う。
流れでウキが先行するとか、風でウキが引っ張られるとか、下から湧き上がって鏡となっているところを釣るとかしない限りハリは沈むものである。
私は刺し餌がどこにあるかを気にしながら釣っているだけである。
マキエと同調しているかとか、ちょっと誘ってみよかなどと考えているくらいだ。

帰りは恒例となっている尾鷲のみかん屋に顔を出したり、関のドライブインに寄ったりして釣ったグレ以外のお土産を追加して帰った。
次回の約束はできなかったが、高速料金が1000円になったら伊豆や四国にも行こうって話となった。


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