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 上野山さんからのリポート
 「きれいなピンクのマダイ」

  尾鷲 (三重県)
   2008/06/28

 


6月28日はグレネット管理人の下山さんとゆたきちさん(以下Y君)、ゆたきちさんの仕事先の知り合いというOさん(オーサン)というメンバー4人で紀東に釣行しました。
土曜日の朝3時に起きて、まずは大津に向かって出発です。
4時40分頃にY君の家に到着しました。
5時過ぎに車から出るとY君が丁度ガソリンをいれて帰って来たところでした。
さっそく挨拶をして道具を積み込みます。
まずは大阪のOさんの自宅に行きOさんをひろってから大阪駅で下山さんと合流する予定です。
時間通りにOさんと合流し大阪駅で約1年半ぶりに下山さんと再会いたします。

4人を乗せた車は大台を超えてフィシングモリモトでエサを購入しました。
Y君と下山さんはLサイズのボイルを3枚ずつ、私とOさんは2枚半ずつを受け取ります。
「このところどうですか」と森本さんに聞きますと「尾鷲では内側の磯ではクチブトの大きいのが釣れていますよ。渡船は宮城野さんですと解禁磯につけるのではないかな。そのあたりでは40前後のオナガが釣れていますよ」ということです。
「このところガソリンが高くなったためかお客さんは少ないですよ」ともいっておられました。
このところガソリンが1リットル180円にもなろうかという価格です。
京阪神からの釣行ではガソリン代の高騰はバカになりませんね。
そのうちに渡船料金も値上になるのではないでしょうか。
今回はY君が宮城野渡船を予約してくれました。
ウネリがあるかもしれないので二木島はやめて、波が出てもどこか乗るところが確保できる尾鷲に狙いを定めたようです。

私はこの1年間はなかなか忙しくて釣りにいけずに、2月の四国釣行以降は、地元の若狭湾の小川に2回行き2度ボーズをくらうというさえない成績です。
今回の紀東の釣行は久しぶりの太平洋です。
下山さんとも1年半ぶりの釣行ですのでわいわいいながらの楽しい車中となりました。
ただ天気予報どおり尾鷲に近づくと雨が落ちだしました。
駐車場で支度をしている間にだんだん雨は強くなってきました。
「今日は帰りに風呂に入ることになっているので、雨の後の冷えた体で入る暖かい風呂を思えば夕方までのりきれますね」と私が言いますと「途中の釣りの期待は余りないようですね」とOさんに言われてしまいました。
Y君は、「今日は30cm未満でもオナガを持ってかえって美味しいおかずを食べますよ。できれば4匹くらいはもって帰りたいですね。リュート君が先日尾鷲でオナガを4匹ほど釣って料理のレシピをブログで公開しています。アンカケなんかはうまそうですよ」と、もう釣ったような気になっていますが、物事ソウ上手くはいかないですよね。

港ではリュート君とも合いました。彼とあうのは2年ぶりくらいです。今回は1人で来ているということです。
船は予定通り11時に港をでます。
午後からのお客さんは全部で12人ほどです。
港の駐車場にもそう車はなかったので本当にお客さんは少ないようでした。
船は沖に向かい寺島に向かいます。
寺島の水道を船は渡って丘の寺島の一番港よりの磯の前で待機します。
時間は11時半です。
尾鷲の渡船のシステムは時間になるといっせいに磯付けを始めるというものですので、12時まで30分ほどは目指す磯の前で船に揺られなくてはなりません。

ここで「Yさんたちは用意して」と船長に呼ばれます。
我々が一番最初にここに乗るようです。
Y君を見ますと寺島の割れのあたりがあいていたのでそっちに乗りたかったようですが、ここは船長の指示通りに道具を前に移動します。
「時間があるので説明をするよ」と船長がいつものレクチャーをしてくれます。
「このところオナガがよくでているよ、皆さん切られているのは50近い奴と思うよ」これで4人ともオーと気合が入ります。
「ただ、昨年はここでは50くらいのクチブトが良くつれたけど今年はクチブトはあんまりでておらんわ。ここでは5月以降マダイがあがっているんで、イサキ、マダイねらいのスルスル釣りで深くさぐるのもいいよ。ただ餌取がおおいと少しきついかな。夕方はアジが回って釣りにならんこともあるよ。上がりは6時30分ですよ。帰り支度は6時20分ごろにはしてください」とマイクでいいます。
アジがまわると聞いて少しげんなりした気にもなりました。
夕方にアジがまわるとなれば4時くらいまでに釣果がないと厳しいかもしれません。
そうこうするうちに12時前になり船を着けます。

上がった磯はワンドになっていて、ワンド中央は低いところから竿を出さなくてはいけなくてしぶきを被りそうです。
ワンドをはさんだ両側が高くなっていて釣り易そうです。
寺島の裏側はサラシもないのでちょっとグレは出そうな感じがしません。
Y君は以前にここにのったことがあるそうですが、港に向いて右側の高い所から竿を出してサバで撃沈したということですので今回は港に向かって左側の高い所からやりたいということです。
Y君はオキアミ3枚に氷に飲み物3リットルが入った重い荷物を持って磯を移動します。
Y君の左側にはアラ丸から乗った釣り人が1人竿を出しています。
下山さんは「私は残ったところで竿を出します」といって寺島を探索に出かけました。

私とOさんは港に向かって右側の高い所から並んで竿を出すことにしました。
私がワンドより、Oさんは私の右手で一段高いところからです。
私の足元はワンドのサラシが右にでています。
足元には根がありませんが、Oさんの足元に向かって2mほど根が張り出しています。
Oさんの足元は右側に沖に向かってかなり大きな根が張り出しています。
私は用意した荷掛を磯に固定してボイルのオキアミをバッカンに入れて用意をします。
お互いにタモを出して用意を始めます。
私は四国に行ったときに使いました4号の道糸を使います。
竿はいつものレイダム1.5号です。
ハリスは3号を2ヒロとり、釣研の円錐ウキBを50cmほど遊動としJクッションのJ3をサルカンの間に挟むという仕掛けにしました。
ハリはボイルグレの8号にしました。

ウキを投げますとウキはサラシに押されてOさんの足元に流れます。
しばらくして仕掛けを上げますがエサは無くなっています。
ボイルをサラシに少し打ち、エサをサラシの切れ目に投入しますとウキが引きこまれます。
弱い引きであがってきたのは手のひらのオナガです。
これは放流しますがこれが連続でくるとなると弱ったことです。
次にウキが入ってあがってきたのは15cmほどのベラです。
これも放流しますがこの後はエサがとられるばかりです。
少し沖に仕掛けを投入してもエサはすぐにとられてしまいます。
足元に打ったマキエには小さい茶色の小魚が群がっています。

そのうち、Y君の竿が曲がります。
Y君は、今回ゆっくりやりとりをしているようですが、早くからウキが見えているのでそう大物では無いようです。
以前からリールを高速で巻きすぎると指摘されていましたので、最近はゆっくりやりとりするように気をつけているそうです。
「あきません。竿をたたいていますグレと違いますわ」とY君は悲しげに叫びます。
横で釣っていた下山さんがタモを入れましたがやはり釣れたのは40cmほどの」アイゴのようでした。

その後誰も魚がつれません。
1時間ほど仕掛けを打ち返したでしょうか、足元から張り出した根の際を流していた赤いウキがスッと入ります。
あわせると強烈な引きです。
一気の引きで竿がのされたので少しレバーをゆるめて糸を出しやりとりをします。
魚はOさんの足元に向かって動きますので、私も磯を伝って移動します。
魚は沖に走りますのでどうもグレでは無いようです。
あがってきたのは40cmほどのサンノジです。
Oさんにタモ入れしてもらいハリを外して逃がしました。
カッパを着ていて暑いのでこれだけでもかなり汗をかきました。

その後は下山さんに手のひらほどのマダイの子が釣れた程度で何もつれない時間が過ぎていきます。
私は仕掛けを0ウキのスルスルに換えたり、ツインセンサーに換えてウキ下3ヒロでやってみますが餌がとられるばかりでアタリが出ません。
Oさんは終始一貫してウキを沈める釣りかたを変えていません。
これはY君曰くパラパラ釣りと呼ぶ釣りかただそうで、最近Y君の知り合いの間で流行っているそうです。
ハリスを10mとり、0または00のウキを使いウキはカラマン棒で落ちないようにし、後は付け餌を潮に馴染ませて流していくというシンプルの釣りかただそうです。
話を聞くと行ってこいというような釣り方の感じですが、やってみると潮の流れを考え道糸をすこしずつ出すテクニックや、カラマン棒で当たりを取ったり、仕掛けを上げる時に潮の流れ具合を掴むなどいろいろ奥深いそうです。
餌取りのアタリでも道糸の張りを通じて分かるということです。
Oさんにどうですかと聞いてみますと、「1.2回餌が残りましたがあとは餌がとられるばかりです。はっきり潮が流れないのでウキが下に沈むことが多いです」と言うことです。
その後Oさんがシマイサギの子供を1匹釣りました。
「そんな魚でもアタリ分かりますか」と聞きますと「分かりましたよ」と言うことです。
このシマイサギは磯に転落したのを私が海に返しました。

時刻は5時前になりました、誰も本命のオナガグレは釣れません。
右に流れていた潮が今度はゆっくりと左に流れ出しました。
ツインセンサーを沖に投げますと港のほうに流れその後左手に流れていきますが、沖を流れるために良く見えません。
その時Y君の左手の釣り人が何か魚をかけました。
そう大きくはないようですがタモを出して取り込んでいます。
どうも良型のイサキのようです。
Y君が隣の釣り人は沖のほうでかけたようですと身振りで伝えてくれました。
私はここでまた仕掛けを換えました。
今度は釣研の円錐ウキ3Bに潮受けゴムをつけて道糸ハリスを直結しハリスに2Bのガン玉をかみつけます。
ウキ下を4ヒロとり沖に遠投しますが道糸が4号ですのでそうウキは飛びません。

仕掛けが馴染んだと思われるとシューとウキが引きこまれます。
大きくあわせますとかかった魚は一気に底に向かって走ります。
沖でかかったのに立てた竿が伸されましたので少しブレーキを緩めて糸を出して竿を立ててやりとりを開始です。
この一気の引きは良型オナガグレかと思い力が入ります。
ワンドの向こう側で釣っていた下山さんも気がついてこちらを見ていましたが、カメラを持ってこっちに向かって走ってきました。
少しずつ道糸を巻きますが心配していた竿をたたくような引きはありません。
魚はかなり近づいてきたと思いますがウキが見えないので早く寄せすぎて足元の根で根擦れを起さないか気がかりです。
私は磯際に出て、なるべく竿を海側に倒しハリスが足元の根に当たらないように身構えてゆっくりとリールを巻きました。
竿は両手で持って不意の引きこみに備えます。
魚が足元まで寄ってきましたが予想されるような激しい突っ込みはありません。
ウキが見えましたのでここからが肝心と身構えながら油断なく竿を斜めに構えたままでリールを巻きますと何か白っぽい魚が見えました。
「これはマダイですね」と私は半分気が抜けながら口にしました。
Oさんが差し出してくれたタモに入ったのは52cmのきれいなピンクのマダイでした。
Oさんには今日は2回もタモを入れてもらいました。

その後、今が時合とばかりにウキを投入しますが今度は餌がとられるばかりです。
ふとワンドの向こうの下山さんを見ますと竿が曲がっています。
しばらくして浮いてきたのはこれもマダイです。
後で測りましたら47cmということでした。
このマダイの後は誰も魚が釣れずに6時20分となり終了となりました。
ちなみに下山さんは足元でマダイを釣上げましたがタナは3ヒロと浅めでした。
帰りにY君に「今日は仕掛けを換えましたか」と聞きましたら「今日は釣り場の移動で大汗をかいたので、ウキ下2.5ヒロから変えませんでした。これが敗因ですかね」といっていました。
Oさんはこれで3連敗ということでした。
今期はみなさん中々紀東では釣れませんね。
でも、港に帰って渡船屋さんの事務所に集まった魚を見たらグレもちらほらと見られました。
帰りには新しく出来た夢古道の湯に入ってゆっくりと釣りの疲れを癒し、再度大台を越えて大阪に帰りました。
大阪駅には12時に到着し1時に大津に到着しました。


自宅には仮眠してから帰りましたので4時前に到着となりました。
行きかえりの運転をしてくれたY君は気の毒にもアイゴ1匹(放流)という残念な結果となってしまいました。
次は若狭にグレ釣りに行きますというY君です。
今回の私の釣ったマダイは、ラッキーパンチのような1匹でしたが相変わらず尾鷲との相性はいいようです。
久しぶりに中高年4人組で釣行しましたが、みなさんひと年取ったためかガッツイたこともなく楽しく釣りができました。
次回の釣行を約束して皆さんとは名残惜しくお別れしました。


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