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 上野山さんからのリポート
 「善行の結果か、ゆたきち師匠が45cm」

  梶賀 (三重県)
   2011/05/04

 


5月4日は昨年の12月以来久し振りのぐれねっと一行での紀東釣行となりました。
私は前日の3日は家族で久し振りに神戸に遊びに行くことになり、中年オヤジには神戸観光、紀東の磯釣りという忙しい充実した休日を過ごすこととなりました。
まず3日の朝にぐれねっと集合場所の大津に釣り道具を積んだ車で家族と行き、車はゆたきち師匠(以下Y君)の駐車場にとめさせていただき、そこから電車で神戸に観光に行き、帰りは大津で家族と別れてぐれねっと一行と合流するということに相成りました。
Y君には事前に京都、大阪、三宮間の割引キップを買っていただいたりして大変なお世話になりました。
3日は黄砂の影響でどんよりした天候の日でしたが、久し振りに行った異人館の屋外の庭園でゆっくり食事をしたりして楽しく家族旅行ができました。

さて、釣りです。
3日の夜は11時前に下山さんと大津駅で合流して、新しくなったゆたきち号で三重県の梶賀に向かいました。
今回はY君の発案で、勝三屋さんでの1日通しの釣りとなりました。
私は神戸を歩き回った疲れもあり出発してすぐに寝てしまいました。
連休中とあって、夜なのに新名神が渋滞して、エサガメには予定よりも2時間近く遅れて到着しました。
エサガメでは各自ボイルを4枚ずつ購入します。
私はゲンの良いスパーボイルグレ7,8号をついでに買いました。

勝三屋さんには2時前に到着しました。
ここで4時前まで仮眠をすることにします。
いつものようにY君が3人分の毛布を用意してくれました。
Y君にはいつもなにかとお世話になっています。
こういう善行をすれば、流れからいくと普通は結果が伴ってくるものなのですが、Y君の今までは「釣りやめます・・・今週だけですが」のような名ボヤキをネットで公開されてしまうという、過酷な釣人生を歩んでおられます。
きっと、ぐれねっとのファンの方も私と下山さんの釣行記よりも、Y君のボヤキの入った釣行記に期待するのではないでしょうか。

どうして今回は二木島の手前の梶賀になったかというと、今シーズンY君は何度か二木島に釣行したけれども、30cm程度のグレしか釣れないということで、気分を変えるためにも場所を変更したようです。
「寒グレシーズンはまともなグレを釣っていません。40オーバーは昨年の7月に二木島で釣って以来顔を見ていないんです。
二木島では、船長にも、よう釣らんのは腕が悪いようなことを言われてしまいました。客にそんなこといいますかね」と早くもボヤキが出ます。

4時になり支度を始めます。
ここは駐車場の前が乗船場ですので荷物の移動が楽です。
名前を呼ばれて2隻の船のどちらかに乗ります。
4時45分に出船ということですので4時30分には船に乗り込みました。
我々の船には15人ほどの釣り人が乗っていますので、お客さんは全部で30人ほどでしょうか。
やがて4時45分になり梶賀の各渡船が2隻ずつ出発します。
途中、榎本渡船の1隻は大鼻方面に向かいます。
勝三屋は2隻とも大黒方面のようです。
まさはる渡船と誠丸は大黒の向こうに回るようですが、勝三屋は大黒周辺に2隻ともつけるようです。
磯渡しは大黒の地から始まり、我々は4番目に名前を呼ばれてエビスの水道に着けてもらいました。
          オレンジ色の勝三屋の船  エビスから中大黒(手前)、沖大黒を見る

エビスの水道は高さ4mほどの磯です。
水道を挟んで大黒の地と向かい合って釣る格好になります。
道具を出していますと、磯渡しを終わった船がやってきて、各磯にアドバイスをします。
我々のところには、右手に流れたら潮目を釣って、左に流れたらオーバーハングの足元を狙ってというようなアドバイスだったと思います。
夜明けの磯は久し振りで、ロケーションを見ても大物が出そう雰囲気がいたします。
               エビスで竿を出す下山さんとY君 朝は右に潮が流れた

今日の仕掛けですが、竿はガマのグレスペシャル2号に四国で使った道糸4号に、円錐ウキ3B、サルカンをはさんで、ハリス4号、ハリはスーパーボイルグレ8号です。
まずウキ下は3ヒロから始めます。

手早く道具を出した下山さんが2投目で30cmほどのグレを釣ります。
私も5投目ほどで、足元でゆっくりウキが沈み合わせますと魚が掛かりました。
これは30cmほどのグレでしたので抜きました。
ハリを飲んでいましたのでシメて氷の入った磯クーラーに入れておきました。
潮はゆっくりと右に流れています。
5時が満潮ですので、お昼ごろには潮が引いたら下の磯から釣ることができそうです。
この調子では何匹も釣れるかと思いましたが、そのうちにウキが斜めに入るようになりました。
合わせますと何か小さな魚が掛かっています。
これは子サバでした。
子サバが、仕掛けがなじむまでに付け餌に飛びついてきます。

子サバの出現以降はグレが釣れません。
向いの大黒の地でも竿は曲がらないようです。
「アーア、お二人はさっさとグレを釣りましたが、私にはグレは釣れません。梶賀はまたもや作戦失敗でしょうか。二木島にすればよかったでしょうか」と早くもY君のボヤキが出ます。
その後は2時間ほどしても誰もグレが釣れません。
ウキ下を変えたり足元に投げたり沖に投げたりしてもグレは釣れません。
地の大黒側も沈黙のようです。

「こうなったら弁当ぐらいしか楽しみはありませんな」とY君はむくれています。
9時過ぎになり弁当船がやってきました。
ここは午後分のオキアミを磯に配達するシステムがあるようで、弁当船で昼にオキアミを配達するかどうか聞いています。
午後の分のオキアミを配達してくれると、通し釣りの時には朝に大量のオキアミを磯に持って上がらなくてよいので楽ですね。
我々は、そのシステムを知らなかったので各自重い荷物を持って磯に上がりました。

弁当を食べると眠くなり、私とY君は日陰で二人とも寝てしまいました。
1時間ほど寝たでしょうか、釣っていた下山さんに聞きますと相変わらず釣れないということです。
私も竿を出しますが子サバがいなくなった代わりにエサがとられません。
ウキ下を竿2本まで落としてようやくたまにエサがかじられる程度です。
2時ごろになり風が吹いてきて道糸が取られますので私は重い1号のウキにしてハリスにジンタンを3個つけました。
この仕掛けにして水道を流しますと竿2本では根掛かりします。
タナを5ヒロ程度にして水道を流しますと根掛かりのような感じでウキが沈みます。
合わせますと魚がかかって引きますが大きくはありません。
これも30cmほどのグレでしたので抜きあげました。
今日は貴重なグレですのでキープします。

このときまでY君は釣れませんでした。
「今日はボーズやな。水道スジはどうみても全滅やからしょうがないか」などとボヤいていましたが次に竿が曲がったのはなんとY君です。
これも見た目30cmほどのグレでしたが私と下山さんが磯の下で釣っていましたので、上で釣っていたY君は自分でタモを入れていました。
足場が高くてタモになかなか魚が入りませんでしたが、たまに魚が海面から出て宙に浮いていましたので充分竿で抜けるサイズだったと思います。
とりあえず水道で並んで釣っている10人ほどの中でタモを入れたので、Y君は注目の的のようです。
このあと、誰もが釣れないなか、なんとY君は立て続けに3匹ほど30cmほどのグレを釣り上げました。
「これは師匠、名人ですね」と冷やかしますと、Y君はニコニコして「ナンカ楽しい気分になってきましたわ。
こうやってウキ下4ヒロで、沖にウキを投げて適当にマキエを打てば釣れますよ」とゆたきち師匠流の釣り方まで伝授してくれるサービス振りです。

次もY君に掛かりました。
「同じくらいで小さいですわ」といって立てた竿は上を向いていますが、魚の引きで竿が下を向きそうになります。
これは大きいのではと思っていますと「ゆっくりやってください」と下山さんがアドバイスします。
我に返って、ゆっくりと耐えたY君の竿の先には大きなグレが横たわりました。
これは45cmのグレでした。
Y君は満面の笑みです。

下山さんのアドバイスが無く、竿を立てたまま師匠のいつもの高速リーリングでやったら、ひょっとするとバラしたかもしれないサイズでした。
   45cmのグレを釣ったゆたきち師匠 今日は後半独壇場となりアドバイスまでしていただきました

師匠が釣り上げた時刻は5時頃でした。
ズット足元を狙っていた下山さんもたまりかねてY君の釣り上げた潮目のアタリを4ヒロのウキ下に合わせて投入します。
私も同じく4ヒロにウキ下を合わせて投入しますが、その後は納竿の6時まで誰もグレは釣れませんでした。
3人の結果は下山さんが2投目で釣れた30cmグレ1匹、私2匹、Y君4匹に45cmのグレ1匹でした。

港に帰りますと他に目立った釣果は47cmのグレを釣っていた人くらいですので、今日は厳しいコンデションだったようです。
前日は最初に着けた地の大黒で良型のグレが6枚釣れたということですが海の状況も日ごとに変わりますね。
47cmのグレを釣った方が「上野山さんですね。変わった名前なので分かりました。いつもネットで釣行記読んでいます」と話しかけてきましたので、また釣り場で「ぐれねっと」の読者にあえましたね。

帰りは連休ということもあり、また高速で渋滞にあいましたが、大津での下山さんの電車には間に合いました。
ゆたきち師匠は連休の最初は、若狭の泊で40cmから48cmのチヌを3枚釣ったということですのでこれで連勝です。
勢いに乗っているゆたきち師匠ですので、しばらくは師匠のボヤキを聞くことが無いかもしれませんね。

神戸に行ってご機嫌なウチの娘は「ゆたきちさん、キップ買ってくれたりして善行の結果の釣果やね」と申しておりました。


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