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 上野山さんからのリポート
 「すったもんだした挙句の梶賀で42cm」

  梶賀 (三重県)
   2011/06/25

 


6月25日は久し振りにぐれねっと3人組で紀東に釣行しました。
最初は泊まりで釣ろうと打ち合わせておりましたが、台風5号の影響でウネリが強くなるかもしれないということで、25日の半夜釣りのみの日帰りということになりました。

釣行場所ですが、いつもの二木島か梶賀にするかで、ゆたきちさんは迷ったようです。
といいますのも、二木島は11時出船で、料金は4000円ですが梶賀は12時出船で料金は5000円です。
梶賀から15分ほど走れば二木島ですのでガソリン代を考えても二木島が安いのは分かりきったことだと思います。

節約オヤジのゆたきちさん(以下Y君)としては、コストパフォーマンスだけでいうと、当然二木島なのですが、梶賀も頭から離れないようです。
といいますのも、先月5月5日の釣行では3人でエビスの水道に乗り、水道で竿を出している10人ほどいる釣り人の中で、ただ一人40オーバーのグレを釣ったという、過去の成功体験が邪魔をして、二木島に決めきれないようです。
台風のウネリのことも考えると、二木島は1000円安いけれども乗る磯がないかもしれない。
梶賀で半夜ですとウネリがあるので、通し釣りの客が多いと磯があいているかどうか分からない。
いっそ中止にしようか、でも今行かないと3人で釣りに行くのはこれが前半最後になるかもしれない、などとすったもんだした挙句、ようやくY君は前日の8時前に梶賀の勝三屋に予約の電話を入れました。

釣り師が釣行場所を決める過程は複雑です。
渡船料金やら出船時間、磯のタイプ、他の釣客の動向、当日の天候、渡船屋のホームページの釣果報告、最近のスポーツ新聞の釣果コーナーの数字の判読、しいては過去の成功体験など、様々な要素を掛け合わせて、吟味し、煩悶した結果一つの結論が導き出されるのです。
一口に過去の成功体験と申しましても、3人それぞれ違うので、その係数はまちまちですので計算は余計に難しくなります。
また、スポーツ新聞の情報ではグレ30〜40cm5枚などと書かれておりますと30cmが4枚で40cmが1枚なのか、あるいはその逆なのかを目を皿のようにして判読しなくてはなりません。(普通そんなもん分かるわけはないのですが心眼で読めばなんとなくわかります)
このように、すでに釣行は前日の釣り場の選択から始まっているといっても過言ではありません。
人間は常にいろいろな決断をして生きているということの証明にもなるような渡船選びの難しさです。
これはコンピューターのプログラミングでも1発回答は出ないような難題です。

話が長くなりました。
勝三屋に予約を入れたY君の話しでは、「ウネリが出ていて沖には出られないらしいので湾内の磯になるそうです。友人の話では湾内でもバクル(爆釣のことらしい)ことがあるというので、まったく期待できないわけではありませんよ」ということです。
今回は下山さんもバーベキューのあとで早朝に車で合流するそうですので大津を7時に出発することにしました。

6月25日、朝7時10分前に大津に到着しますと下山さんはまだ到着していないようです。
車を駐車場に入れて戻ってきますと下山さんが到着しました。
さっそく道具を積み込んで出発です。
大津から高速に入りますが休日1000円で乗り放題の料金が先週でなくなり、今週からは休日半額割引ということで、車の台数はかなり減っているようです。

出発して2時間弱でいつものエサガメに到着します。
私はボイルのL2枚に氷にガマカツのボイルグレ9号を買いました。
ここはボイルが1100円と他に比べて100円安くなっています。
ボイルが100円安いということは節約オヤジのY君にとっては魅力なのでしょう。
実際ここのボイルは100円安いですが、しっかりしていて使いやすいボイルです。

エサガメを出た後は尾鷲のジャズコにより食料品を買います。
私は290円の弁当に190円のざるそばを買いました。
暑いので飲み物もたくさん買います。
お茶も500ccが78円とかなり安いので、いろいろ買っても1000円ちょっとです。

梶賀には11時過ぎに到着しました。
我々は渡船場の前にある待合室でゆっくり食事をしました。
この待合室にはグレやイシダイの魚拓がたくさん張ってありますが、中でも目を引くのはいわずとも知れた児島玲子さんの釣り上げた60オーバーのオナガグレの魚拓です。
これは、我々が梶賀に一生通っても釣りあげることが出来ないような魚です。
また、たとえ掛かっても取り込むのが大変な魚です。
これを取材に来た日に釣り上げるとは「もっている」女性なのですね。

待合室では、我々以外に2名の方が午後出発でおられました。
この方たちとは、最近の磯の状況について話しました。
一人の方は敦賀の白木に釣りに来たことがあるということで話が弾みました。

やがて12時15分前になり道具を持って船に乗ります。
遠くに見える榎本渡船も5、6人しかいないようです。
台風のウネリと南風が強いということで、どの渡船屋も人が少ないようです。
定刻の12時になり釣り客5人で出船になりました。

「今日は沖には出られません、朝は見張り下までです」と船長が言います。
船は港を出ますと右側に走り最初に我々3人が降りるようです。
「なるべく、波をかぶらなくて安全な磯をお願いします」とY君がリクエストしたので我々は「中熊」という磯に下りることになりました。
ここでは午前の部の方が2名竿を出されていました。
我々が道具を下ろして一段落したところで左側の釣り人に良型の魚が掛かりましたが、これは35cmほどのサンノジでした。
12時40分頃になり午前の部の方が片付けだしましたので我々も用意を始めます。
        「見張り下」の手前にある磯「中熊」 写真中央の斜めになった大きな岩が船着き

午前の方に「交代でやらせていただきます。朝からどうでしたか」と聞きますと「サバゴは100匹ほど釣りました。グレは25cmまでくらいが何匹か出ています」ということです。
小さいですがグレも釣れているということですのでまったく釣りにならないわけではなさそうです。

3人でじゃんけんをして、私が正面、下山さんはその左、Y君は右側となりましたがY君は船着きが良いようです。
中熊は見たところ、全体に浅そうな磯です。
足元は左側に根が張り出していて、右前にも大きな岩が顔を出しています。
正面向きは右前の大きな岩から左を流さなくてはなりません。
その左手がだらだらと磯が下がる船着きです。
船着きは足元から深そうですのでウキが足元に入れば釣りやすそうです。
ですが、右からの南風が強いので道糸が取られそうです。
磯の右側は4mほど横に磯が突き出していますのでそこから釣ることになります。

今日の仕掛けです。
大物に備えて竿はグレスペシャル2号、道糸、ハリスともに4号。
5Bの円錐ウキを1ヒロほど遊動にして、ハリスに3Bのオモリを打ちます。
ハリはボイルグレ9号で、タナは3ヒロ弱です。
磯が浅いので強引にやり取りできるような道具立てにしました。

マキエを足元に打って仕掛けを右前に出ている根の際に投入します。
仕掛けがなじみますとウキはゆっくり左に流れます。
下山さんは磯の右側で釣りを始めました。
2投目にウキがゆっくり入り合わせますが手ごたえが良くありません。
これは20cmほどのベラでした。
サバが釣れずにベラが釣れたということで、なにか期待が持てる気もします。
マキエが多すぎるとサバが寄るかもしれないと思い、マキエはカップ半分ほどをチョロチョロと足元に打ちます。
正面に流れたウキは左に流れますが、正面から3mほど左に流れますと、左前から出るサラシで押されてもぐりこみます。
左前には根が見えておりますので、もし左で掛かるとそのままの立ち位置では道糸が根に擦れてしまいます。
もし左前で掛かったら、磯の右下まで走って竿を沖に突き出して魚を根から引き剥がすようなイメージで取り込まないと取れないと思いました。

釣りを始めて1時間ほどして下山さんが飲み物を取りにY君のところに行きました。
沖に投入したウキは左の根の前まで流れてサラシに押されて沈んでいきます。
完全にウキが見えなくなったので、道糸を張り気味にして道糸を見ているとススッと糸が走りました。
これはアタリと合わせますとグンという魚の手ごたえです。
合わせて竿を立てた瞬間に根にこすれるような手ごたえがありましたので、私は左手1本で竿を持って道糸を幾分か緩める感じにして、急いで磯の右下に走りました。
竿を立ててハリス4号に物を言わせて強引にやり取りをしますと、簡単に魚は浮いてきました。
これは良型のグレでした。
下山さんが駆けつけてくれてタモを入れてくれました。
ぐれねっとの掲示板で、私がサンスイ釣具の若旦那の79cmのマダイを掬ったことを書きましたら、下山さんが次回は私が上野山さんの魚を掬いますと書かれましたがそのとおりとなってしまいました。
           2時ごろに釣れたグレ42cm 奥の船着きでY君が竿を出している

釣り上げたグレは港に上がって、勝三屋で計りましたら42cmでした。
私は初めて自分の活かしバッカンで40オーバーのグレを活かすことになりました。
その後同じように流しますがサバゴが釣れはじめます。
仕掛けがなじむ前にウキが走ったりしてサバゴが釣れてきます。
Y君は仕掛けを投入する時に「トリャー、サバ来るな」とか叫んで沖に遠投していますが、叫びもむなしく仕掛けがなじむ前にサバゴが釣れるようです。
どうも沖のほうがサバゴは多いように思えました。

私は40オーバーのグレを1匹釣りましたので余裕で飲み物飲んだり、クリ−ムパンを食べたりしながらゆっくり釣りをしました。
下山さんは「いとう流です」といって2号のオモリをハリスに付けてズボ釣りのような釣りをします。
これにアタリがありましたが上がってきたのは25cmほどのアイゴでした。

だんだんに南風が強くなってきて、道糸が取られて釣りにならなくなったので、私は1号のウキに換えて、丸玉オモリ1号にハリスにジンタンを2個打った仕掛けとしました。
これでもかなり左に流されますが風が一瞬収まった時にウキが入り、25cmほどのオナガが釣れました。
これは放流しました。

その後下山さんにアタリがあり、私と同じように磯の右側に走っていってやり取りをしますが上がってきたのは26cmほどのグレでした。
「走っていったので大物かと思いましたよ」と冷やかしますと、下山さんは「すみません大きいと思ってしまいました」とか言って恥ずかしそうにグレを放流していました。
Y君も正面に引っ越してきて28cmほどのグレを釣りましたが、「これは放流します」といってぐれねっとの大御所らしく釣ったグレを放流していました。

4時ごろからは磯が影になり風もありましたので大分過ごしやすくなりました。
風はますます強くなり、5時ごろには竿を持っていてよろけそうになりました。
サバゴは沖では相変わらず釣れます。
足元にエサを落としてもすぐに左に流れてしまうか、左からのサラシでウキが沈んでエサが取られるかです。
これでは夕方のゴールデンタイム望み薄です。

やがて5時50分頃になり沖で待機していた渡船が撤収を始めます。
風が強いので早めの撤収となったようです。
われわれも急いで道具をしまいました。

港に戻りますと、我々よりも港よりの磯に乗って、通しで釣っていた二人組みが30cmから48cmほどのグレを8枚ほど釣っていました。
やはり今日は風の当たらないところで釣れますね。

帰りには我々は久し振りに尾鷲の五月湯で汗を流しました。
五月湯は一見したところ、普通の家のような佇まいですので注意していないと通り過ぎてしまいそうです。
料金は相変わらず安くて300円でした。
その後は高速のパーキングでカレーウドンを食べて帰りましたが、亀山でのいつもの渋滞はなく大津には11時前に到着いたしました。

さて、Y君に続いて私も梶賀で40cmオーバーのグレを釣りましたので次は下山さんの番ですね。
今回で3人の成功体験の数値も変わりましたので、次回はまた場所の選択に迷いそうです。
今シーズンの前半終了までにあと1回は3人で竿を出したいものです。


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