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 上野山さんからのリポート
 「3年ぶりに釣り上げたグレ46cm

  武者泊 (愛媛県)
   2015/01/29

 


武者泊、いろは渡船の2日目です。

この日は高気圧が広がりましたので、そう風もなく穏やかな天気になりました。
ただ、次の低気圧が接近してくるので夜は雨になるようです。
私は仮眠所で寝ていたのですが、4時ごろに目が覚めますと仮眠所には私のほかに一人しかいません。
6時前に起きて、起きてきた60過ぎの釣り人にあいさつをしますと「福井県ナンバーのボルボが止まっていたのに、寝ている人がいつもの人と違うなと思っていました」ということです。
「あの車の持ち主はイビキがうるさいので車で寝ました、私は連れです」と言いますと、「イビキなんかお互い様やと思うけど」といいます。
昨日はクジラでチヌを釣った話や2ヒロ半でエサをとられ続けた話などしますと「今年はカワハギが多くて、私もここに来ると毎回3,4匹はカワハギを釣って帰ります」ということです。 

今日は駐車場には車が10台ほどあります。
M君はすでに支度をして車でタバコを吸っていました。
オキアミはM君が海につけて解凍してくれていました。
「今日は天気がいいので人が多いですね、6時過ぎてから車で来た人もいるので、地元の方も多いようですね。今日は二人で乗りましょう」とM君が言います。

やがて6時40分なり船は釣り人14人ほどを乗せて出港しました。
今日はガマゴウラを通り過ぎて鼻面岬のほうに向かいます。 
船は鼻面岬の当たりでスピードを落とします。
鼻面岬で船を止めますと「Mさんたちどこに乗りたいですか」とまず船長が我々に聞きます。
これは我々が2日目ということもあって、船長が気を使っているのでしょうか。
M君はどこでもいいですと言っていますが、我々は鼻面岬の好ポイントの「ワレ」に乗ることが決まりました。
仮眠所で出会った釣り人は一人で「千畳」に下りるようです。

「引き潮だと千畳はあまり釣れないけど、ここにしますわ」とその人は言っています。
7時前になり船は「千畳」、「ナダレ」、「ワレ」の順番に着けていきます。

鼻面岬 正面がワレで割れたところの右に乗ります


「ワレ」に下りますと棚になったような場所で、足場はよいのですが荷物を置く場所があまりありません。

M君が上に上って自分の竿ケースを上の棚に置いてくれました。
私は右側でやりますというので私は船着きで釣ることになりました。
船着きは足元から切れていて取り込みしやすそうな磯です。
偏光グラス越しにかすかに底が見えますので、そう深い磯ではないようです。 

マキエの用意をして支度をします。
今日も友人のガマの競技1.5号を使います。
今日はシマノの2Bのウキに道糸4号、ハリスも4号とし、ハリスは2ヒロ強とります。
道糸とハリスはサルカンで連結し、2Bのオモリをハリスに打ちます。
ハリはグレバリの8号を結びます。
足元にオキアミを撒きますとゆっくりと左に流れるようです。
ウキ下3ヒロで足元にウキを投入しますと、ウキはゆっくりと左に流れていきます。
ウキは2mほど左に流れたあたりから、シモリ始めますので釣れそうな感じです。
M君の場所はナダレ側からサラシが出てウキが沖に出されるので少しやりにくいようです。
「今日は沖狙いで釣りをします」とM君は言っています。
私はウキがかなり左に流れたので、仕掛けを上げましたが今日はエサがついてあがってきました。
2投目もエサがついてきましたのでエサ取りは出ていないようです。
「沖に流れると付けエサがとられます」とM君が言います。
「足元はエサが残ります」と言いますと「足元に大物がいるのでないですか」とM君が笑って言います。

ワレの右側で竿を出すM君 竿は新調したガマのアテンダー2号 沖にヤッカンが見える


しばらく足元に投入しますがエサがとられないので、私はウキ下を半ヒロ落としました。

沖目にウキを投げますとあっという間に左に流れてしまい隣の「センタン」でやっている釣り人の前までウキが流れてしまいますので、私は今日1日足元を釣ろうと思いました。
足元にウキを落とし仕掛けがなじむまでウキを止めて、ウキの頭にマキエを打ちます。
そこから少し糸を出してウキを流します。
ウキの流し始めは竿先から1mほど糸が出た状態にウキがありますので、アタリがあればいきなり魚と引き合いとなってしまいます。
かなり気を遣う緊張する釣りです。
今日はハリス4号にふさわしい大物が来るかもしれません。 

何度かウキを落としていますと、ウキが足元で30cmほどシモッた時に入りました。
これはアタリと合わせます。
竿が下を向いた状態でウキが竿から2mも離れていませんので、いきなり竿が海に突き刺さります。
魚は右に走りM君の足元を横切りナダレのほうに向かいます。
竿が跳ね返りハリスから切れていました。
M君の足元でハリスがこすれたようです。

「今の見ていましたよ」とM君が言います。
「どうにもならないアタリでした」と私は言いましたが、これは今日の仕掛けで相手にできるサイズの魚ではなかったようです。
ウキが入ってからハリスが切れるまで2秒もありませんでしたが、ウキが入る瞬間が目に焼き付きました。 

私は気を取り直してハリを結びなおしました。
同じように足元にウキを投入しておりますとバラしてからすぐにシモッたウキが入ります。
これは合わせますと竿がたちました。
やり取りすることもなく、すぐにウキが出てきて海面に姿を見せたのはシマダイでした。
これはタモを入れずに抜きあげます。
サイズは25cmほどでしたが、お土産に持って帰って食べることにしました。


シマダイ25cm ワレに乗って初めての魚


その後沖を流していたM君に魚が掛かりました。

これは37cmほどのグレで、青みがかかっていて細長い魚でした。

私はとりあえずお土産を1匹釣りましたので、パンとオレンジジュースを飲んで休憩をしました。
時刻は10時前です。 

釣りを再開してすぐに足元でウキが入ります。
これもそう手ごたえがありません。
あまり走らずにあがってきた魚はキジハタのような感じで30cmほどです。
タモに入った魚を見ましたM君が「これはキジハタではなくてオオモンハタという魚です。
尾ヒレの先が白いのが特徴で、キジハタと同じようにおいしいですよ」と言っています。
私はこれで、手頃なお土産の魚を2匹釣りあげることができましたが本命のグレは釣れません。

オオモンハタ 30cm 


その後潮はあまり左に流れなくなりました。

M君も潮が止まったようだといっています。
足元に落としたウキはゆっくりと反対方向の右側に流れます。

オオモンハタを釣ってから5投ほどしたでしょうか。
足元に落としたウキが馴染むと同時に入ります。
合わせますと今度も竿は立ちました。
強烈に底に向かって引きますが何とか竿でこらえれそうです。
これはもしかして獲れるかと思った時に竿先が跳ね上がりました。
仕掛けを見てみますとハリのチモトから切れていました。

今回は3秒ほど持ちましたし、竿が立っていましたので取れそうなサイズの魚ではなかったかと思います。
「とれそうだったのでもったいなかったです」とM君にいいます。
たとえオオモンハタでもハリを括りなおしたほうがよかったでしょうか。
オオモンハタを釣った時には30cm位の魚でしたのでハリスの点検をしませんでした。
これは、今後注意しなければならないですね。 

これで、今日は4号を2回切られたことになります。
ハリス4号は手で引っ張ってもなかなか切れるものではないですが、四国の磯釣りではいとも簡単に切れますね。

M君はその後30cm弱のイサギを1匹釣りあげました。
隣の「ナダレ」では潮が左に流れていた時にイサギをよく釣っていたということです。

私は気を取り直してハリスを交換してまた足元に仕掛けを落としました。
足元に仕掛けを落としますがエサが残りますのでタナを少し深くして3ヒロ半ほどにしました。
タナを落としてから3投目くらいでしょうか。
ウキがスッと入りました。
「オッキタ!!」と言って合わせましたが、魚が乗ったように思ったとたんに竿が上がります。
「どうしました」とM君が振り向いて言います。
ハリはずれかと思い、仕掛けを上げますとハリの上からハリスがねじ切れています。
「どうも合わした時にはすでに切れていたようです」とM君に言います。
これは何とも強烈な当たりでした。

ウキが入って、竿に引きを感じる前に4号が切れるとは、どのような魚がいるのでしょうか。小さいウキを使っていますので、ウキの抵抗により一瞬で切れるとは思えませんが、どうでしょうか。
これと同じような切れ方は、下山さんと3年前に四国の大津の磯に乗って体験したことがあります。
その時も一瞬で4号が切れて、同じようにハリスの先が「しの字」のような形にねじ切れたようになっていました。
これは5号、6号を結んでもなにも変わらないのではないかと思うような想像を絶するアタリでした。
あとでM君と「若狭湾では一生体験できないようなすごい引きが四国では味わえますね」と話しました。
実際、若狭湾では春の乗っ込みのチヌ釣りではハリス1.5号や1.7号を使いますので、敦賀で釣りをしている人にハリス4号が一瞬で切れる話をしてもなかなか分かってもらえないかもしれません。 

私はオレンジジュースを飲んで少し休憩にしました。
気を落ち着けて、私はハリを括りなおして釣りを再開しました。
しかし、なかなか手頃な40cmほどのグレが釣れないものです。
今日は4号を切ってくるアタリが3回に30cm以下の魚が2匹です。
このままでは、四国に来てグレボーズかもしれないと思ってしまいます。

時刻は12時近くになりました。
迎えは2時ですのであと2時間ほどの釣りです。
足元に落とした仕掛けはタマにエサがとられます。
海を見ていますとマキエにエサ取りらしき茶色の魚が出てきていますので、魚の活性はそう低くはないようです。
足元に落としたウキに誘いを入れて少し戻したあとにウキが入りました。
とっさに合わせますとこれは竿が立ちました。
ゆるめに調整したドラグがジッといって少し逆転しました。
竿が立ちましたのでこれは獲れそうな魚です。
魚が左側に潜りましたので、竿を立てる分だけ糸を出して竿を立ててこらえます。
しばらくして、魚が浮いてきました。
足元に横たわりましたのは久しぶりの40オーバーのグレです。
M君がタモを入れてくれました。
これはM君が釣ったのとは種類が違うような感じの黒い太ったグレでした。
大きさは46cmほどです。
12年の2月にM君と、ここ武者泊のガマゴウラで釣ったのが最後の40cmオーバーですので、実に3年ぶりに40cm越えのグレを釣りました。
友人の使っていた竿で初めて40cmオーバーのグレを釣りましたので、竿も喜んでくれているかもしれません。

3年ぶりに釣り上げたグレ46cm


その後は終了の2時までアタリはありませんでした。
M君も私がグレを釣ってからは沖狙いをやめて足元にウキを落としていますがアタリは無いようでした。
今日は沖よりも足元でアタリが出たということでしょうか。
足元の釣りは、アタリが出たらすぐに魚と引き合いになりますので相当集中した釣りになります。
久しぶりに1日中足元にウキを落とし続けて私は疲れてしまいました。 

やがて2時になり迎えの船がやってきました。
港の帰りますと、ほとんどの方がイサギやグレを持っていますので今日はよく釣れたようです。
中には釣れだした時に迎えの船が来たと言っている方もいましたので、釣れる時合は場所によりけりということだったのでしょうか。
我々の横で釣っていました、一人で千畳に上がった釣り人が49.5cmを頭に10匹ほどグレを釣っていました。
すぐ横で釣れたのになぜに我々の場所では釣れなかったのだろうと不思議に思いました。
千畳は引き潮ではあまり釣れないといっていましたが、途中潮が止まったので釣れたのかもしれないとM君と話しました。
釣りは自然が相手の遊びですので、状況はその日により違いますね。


 
 ナダレの釣り客を回収する「いろは渡船」

我々は仮眠所で料金を払って、出された缶コーヒーを飲みほして、そそくさと武者泊を後にしました。
夕方には雨も降りだし、まるで南からやってくる低気圧に追いかけられるように敦賀に向かいました。

敦賀の我が家には夜の11時前に到着いたしました。
布団に入ってからは4号を切られた悔しい思いと、また行きたいという思いでなかなか寝付けませんでした。 

今回久しぶりに40cmオーバーのグレが釣れて、ようやく3年ぶりに「ぐれねっと」らしいグレが釣れたというレポートが書けました。
次回もグレが釣れたというレポートがかけるとよいのですが。


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