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 上野山さんからのリポート
 「若狭でもシーズン初日に切られる

  音海 (福井県)
   2015/04/12

 


4月12日の日曜日は、Sさんと若狭の音海に釣行いたしました。

さんから「なるべく釣れるところ」という、釣り師が普段から思っていてもなかなか叶わない難しいリクエストがあり、このところ釣果情報が出ていて、かつ過去に成功体験の多い音海のウミックさんを利用することといたしました。

成功体験と言えば、小浜の泊の蘇洞門(そとも)ビーチ渡船もありますが、ここは渡船開始が4月の18日ということです。
先週小浜に仕事で行ったついでに泊まで行き(敦賀への帰り道です)、店の前にいた蘇洞門ビーチ渡船のご主人と立ち話をしたのですが、問い合わせの電話は多いのですが、定置網の仕事が忙しいのでどうしても渡船再開は4月18日しかアカンということです。
こういう事情もあり、2年ぶりに音海への釣行となりました。 

Sさんとは、体が楽なようにいつも午後からの釣りですので、あまり磯の数が少ない釣り場ですと、午後からでは乗る磯が無くなってしまいますが、音海は渡船屋が1件の割に磯の数はかなり多いので、午後からでもどこかの磯にのれるという算段もあります。
前日の夕方にウミックさんに午後から二人で渡せるかと電話をしますと、「12時前に弁当を配る船が出るのでそれに乗りますか、それでしたら11時半に来てくれればいいです」ということで、12日は11半出船ということになりました。
天候は11日の土曜日は曇り時々雨ですが、12日は高気圧が広がって曇り時々晴れ、北東の微風、波は1mということで絶好の釣り日和です。 

12日はサンスイ釣具店に9時に行きオキアミ3枚に、チヌパワー日本海を混ぜてマキエを作ります。
9時過ぎに敦賀を出ましたところ、さんが昨年敦賀から小浜まで開通した高速を走ってみたいということを言い出して、美浜から小浜西まで高速に乗ったこともありウミックには10時半ごろ到着してしまいました。
事務所によって早く着きすぎたけれども弁当船まで待っていると言いましたら、一応道具を桟橋まで出しておいて、釣りの支度をしてくれということです。
支度を済ませて、事務所で名簿に帰りの時間などを記入しましたら、弁当船まで時間があるのでもう出発してくださいと言われます。
時刻は11時前ですが、ウミックさんのご厚意により、我々は2名だけで釣り場に向かいました。 

私とSさんは1時間も待たなくてよいと喜びました。
ところが船は大きな防波堤を超えてからなんだか右寄りに進路を取ります。
このままでは、表の磯ではなく湾内の磯になりそうです。
しばらく進んでイカダの設置した場所のすぐ陸寄りの地磯のような場所に着けます。
ここは後で確認しましたら「小竹」という磯名が磯図に乗っていましたので、それなりに釣れる磯だったのでしょう。
船を磯に近づけましたので、海の底をみますとうっすらと底が見えます。
私は、ここではチヌも釣れないのではないかと思ってしまいました。

実はこのところポツポツではありますが、音海では40cm前後のグレが釣れています。
中には日本海側では珍しい50cmの大型も釣れているようです。
グレの釣果はほとんど表の磯です。
音海で竿を出す限りは大グレが釣れるかもしれませんので、チヌ釣りもしながら大グレもかからないかな、などという不届きな心持でいたのですが、この海底が見えるような磯では大グレの夢は打ち砕かれてしまいました。
「今日は北東の風が強くなる予報ですので、表から右側の磯では向かい風でやりにくいと思います、このあたりですと風も当たりませんよ」という船頭さんです。
私はここよりも、300mほど堤防寄りの小岩のほうがまだ釣れそうだと思い、「では戻って小岩に着けてください」と、船頭に頼みました。
そういうわけでわれわれは、ウミックから船に乗って3分ほどのところにあります、小岩で竿を出すことにしました。
Sさんとは思いがけず近くの磯に乗せられましたので「遠くの磯まで送って行って、もう一度弁当の配達で戻るのは面倒と思って、港の近くの磯に乗せたのではないですかね」と言いましたが、磯に上がりましたら山を越えてきた北風があたります。
この風では表側ではけっこう風に吹かれているかもしれません。
隣の大岩では釣り人が一人竿を出しています。 

道具を出してタナを測りますと小岩の右側は足元から切れていて、6ヒロ以上あるようです。
小岩の正面は棚が出ていますがその左側、大岩に向かっては3ヒロ半ほどです。
Sさんが沖に向かって右側で竿を出し、私は大岩に向かって左向きに竿を出すことにしました。 

今日の仕掛けです。
竿は久しぶりに自分の竿を出しました。
竿はガマのレイダム1.5号、リールはシマノのレマーレ5000
道糸3号にハリスはシーガーエース2号を2ヒロ、ハリはグレバリ7号、釣研の3Bの円錐ウキを遊動にして、サルカンの下のハリスに3Bのオモリを噛みつけます。
ウキ下は3ヒロ半で始めます。 

釣りを始めて20分ほどしてから、左に流れたウキがゆっくり入って、ウキが止まったままという感じのアタリで、私にはベラが5匹ほど釣れてきますが、Sさんはウキが入るけれども魚が掛からないと言います。
左側では3ヒロ半でも足元では海藻に根掛かりしてしまいます。
Sさんは、潮は右に流れると言いますが、隣の私は逆に左に流れます。
これは、正面からあたってきた潮が小岩に当たって左右に分かれて流れているのでしょうか。
なんとも不思議な現象です。

私はたまにエサが残りますが、アタリはベラのアタリしか出ません。
足元にマキエを撒いてもスズメダイやフグのエサ取りは見えません。
まだ水温が低いので、エサ取りの活性も低いのでしょうか。 

やがてベラ以外なにも釣れないまま、2時ごろになりました。
開始してから2時間半ほどなにも釣れなかったSさんが「オッ、なんか釣れた」と言って魚を抜きあげましたが、これは20cmほどのカンダイの子供でした。
カンダイを放流したSさんは、「これでボーズなしや」と笑って言っていますが、私はこんな状況では夕方にチヌの1枚でも釣れれば御の字ではないかと思ってしまいました。
どうにもこの場所では釣れそうな雰囲気がしません。

2時になり見回りの船が来ました。
渡船が隣の大岩の釣り客にマイクで磯変わりするかと言っています。
大岩の釣り人は磯を変わるようです。
これは、ありがたいことです。
磯変わりをすれば気分も変わるかもしれません。
我々も磯変わりしましょうと言って渡船に合図をします。
湾内の他のお客さんや灯台下の人たちにも磯を変わるか声をかけますが、我々3人の他には押し回しの鼻付近で釣りをしていた若い釣り人1名が変わるだけでした。

船は少し進んで「タタミ」という磯に着けます。
「小岩の人たちここでやってみて」と言われて我々二人は磯に上がりました。

 
 磯変わりでタタミに着けてくれたウミックの渡船

「タタミ」は4人ほどでも竿を出せるような平べったい大きな磯です。
確かこの磯はかなり深いように思いました。
正面を見ますと足元から切れていて深そうで、いかにも大グレが釣れそうです。
私は大グレに備えてハリスを2.5号に張り替えて、気分も新たに釣りを再開しました。
先ほどの小岩と比べると磯の雰囲気が釣れそうな感じです。
しかし現実はうまくいきません。
ウキ下を5ヒロ半ほどまで下げての1投目はウキが少し入って合わせましたらフグが釣れました。
しかし、2回目の仕掛けを入れようと足元にマキエを打ちましたら、小岩にはいなかったスズメダイがマキエに群がっています。
例年、この時期のスズメダイはそう元気がなく、刺しエサは通ることが多いのですが、足元に投入した刺しエサをスズメダイが追いかけています。
しばらくして、足元に入れた仕掛けを上げますとエサがありません。
このドン深の磯ではどうも足元がポイントのような気がします。
しかし足元は活性の高いスズメダイが渦巻いています。
この状況で足元に刺しエサを入れるのはかなり根気が入りそうです。
私は磯の右側にタイミングをずらしてマキエを2杯うち、スズメダイの群れがほとんど右側によったのを確認してから、そっと仕掛けを左側に落としますが、そんな作戦は百も承知とばかりに、なぜか右側に行かなかったスズメダイがそっと投入した刺しエサを見つけて群がります。
これでは、このやり方で何度かに1回くらいうまくいったとしても、夕方までマキエが持たないと思いました。
浅いタナでグレが釣れる時期でしたら、このやり方でもグレが食いあがってくれば釣れるでしょうが、今は水温が13度前後ですので浅いタナでは釣れそうな気がしません。
沖に遠投しますとエサは残りますが、どうも沖ではマキエも効かないので釣れないような感じがします。
沖に投げたウキにマキエをかぶせますと、スズメダイの集団が沖に出てスズメダイが一面に散らばってしまい、収拾がつかなくなってしまいます。
これは、思いのほか困った状況になりました。
思った以上にスズメダイの活性が高いようです。 

Sさんは磯の右側でハエ根が出ているアタリで釣っていますが、ふとこちらの水面を見て「そっちはやけにスズメダイが多いな、いっそ船着きよりも陸寄りを狙ったらどうや」と言っています。
私もこのスズメダイでは釣りにならないので、もう少し浅そうな陸地寄りに仕掛けを投入しようと思いました。 

私は磯を左に移動して、ウキ下を4ヒロほどに浅くして仕掛けを陸寄りに投入しました。
こちら側は、まだスズメダイが少ないように思いました。
磯の正面との間に少しサラシが出ていますので、正面に待機しているスズメダイに気がつかれないかなと思いながら、そっとマキエと仕掛けをサラシの左側に投入します。
場所を変えて3投目に竿2本ほど先に投げたウキが入りました。
合わせましたら魚が掛かりました。
これはフグではありません。
ゴンゴンと頭をふりながらゆっりと上がって来ましたのはチヌの47cmでした。
これはSさんにタモで掬ってもらいました。 

若狭でチヌを釣るのは約1年ぶりです。
磯の正面側を見切って陸寄りに釣り場を変えたのがよかったようです。
時刻は3時を過ぎたころです。
この時期は朝夕のゴールデンタイムに関係なくチヌが釣れますね。


タタミで釣れたチヌ47cm


タモを入れてくれたSさんは「やっぱりサラシの左側で釣れたやろ。あそこが釣れそうだと思ったわい」と言います。
「チヌはいますよ。釣ってくださいよ」と私はSさんに声をかけました。
その後はスズメダイが寄ってしまい、なかなか刺しエサが残りません。
私は手前やら沖やらいろいろ場所を変えてウキを投入しますが、30mほど投げないとエサは残りません。
しかしそんなところまで投げて、マキエが効いているのかどうかわかりません。
「オッかかった」という声で振り向きますとSさんの竿が曲がっています。
タモを持って掬いに行きますとすんなりと上がって来ましたのは35cmほどのチヌです。
「わしにも釣れたぞ。よし、もう1匹や」と急にSさんは元気になります。
タナを聞きましたら4ヒロほどということです。 

私は元の場所に戻って、足元にマキエを2杯打って、スズメダイを寄せてから20mほど先にウキを投入しました。
仕掛けが馴染んだころに軽く竿を上げて誘いをかけました。
竿を下しましたら、竿がそのまま引き込まれます。
「エ、アタリか」とびっくりしながら竿を立てましたら、一瞬魚の引きが竿に感じられましたが次の瞬間、竿が跳ね上がります。
仕掛けを上げてみましたらハリの上あたりで2.5号のハリスが切れていました。切れたあたりはザラザラになっていますので、魚が走って根に擦れたのでしょう。
低水温の日本海でこんなすごいアタリがあるとは思ってもみなかったのでビックリしました。
掛かった魚はチヌではないと思います。
ウミックさんの前日の釣果情報で45cmほどのカンダイの釣果が出ていましたので、掛かったのはカンダイではないかと推測されます。 

「ぐれねっと」の釣行記にあるのですが、私は2004年の2月に「タタミ」の200mほど左側の「酢壺」という磯で55cmのカンダイを釣り上げています。(釣行記のタイトルは「カンダイのひとのし」です)
今回は2.5号を一気に切っていきましたので、多分カンダイとすれば5,60cmの大きさではないでしょうか。
しかし、四国の磯釣りで切られるのは日常ですが、若狭でもシーズン初日に切られるとは、私は大物が掛かって切られる運を持っているのでしょうか。 

ところで、ここ音海の表側の磯は断崖の下で釣りますのでなかなかのロケーションです。
ここで釣りをしていますと道路も人家も見えないので、いかにも日常生活から離れたところにいるという感じになります。
遠くに見えます毛島などもいい風景です。
音海が人気のある釣り場だということは、グレが釣れる以外にこの風景にあるのかもしれません。


タタミから見た毛島

4時過ぎになり、Sさんは自分でタモ入れをして45cmのチヌを釣り上げました。
Sさんは5分もしないうちにまたチヌをかけました。
チヌが入れ食いになっているようです。
今度は私がタモを入れましたが、今度は34cmほどです。
「チヌは根の際で食ってくる。マキエは足元に打ってスズメダイを寄せてから根の向こう側にウキを入れてウキが戻ってくるときに入る」という釣り方だそうです。
私が船着きに戻ってすぐに「また釣れたぞ」とSさんが言います。
今度も35cmほどのチヌです。
「どれ、1回仕掛けを入れさせてください」と私はSさんのポイントに仕掛けを投入しました。
仕掛けが馴染むとウキはゆっくり根に沿って手前に戻ってきます。
「ホンマにこんなウキが戻ってくるような流れで掛かるんですか」と言いますと「釣れるものはしょうがない」とSさんが言います。
私のウキは磯から出ている根のところぎりぎりを流れますので、ほとんど根ガカリしそうです。
ウキが20cmほどシモリましたので根ガカリかもしれないと思いました。
しばらくしてもウキが動きませんので仕掛けを上げようとしましたら、魚が掛かっていました。
「オッ、根ガカリかと思いましたら釣れましたよ」と呑気な事を言って釣りあげましたのは同サイズの35cmほどのチヌです。
次はSさんのウキが入りましたが、今度は高切れをしてしまいました。
これを最後にアタリが遠のきました。

時合は4時ごろからだったようです。
5時を過ぎますと、もうアタリは無くなってしまいました。
結局、私がチヌ2枚、Sさんがチヌ4枚という釣果でした。
我々は最終の6時の便で帰りましたが、最終で帰るのは我々を含めて3組でした。
その前の5時便には20名ほどがのっていたのではないかと思いました。
やはりここは釣り人が多いですね。 

帰りに「エイの鼻」で釣っていた釣り人に釣果を聞きましたら30cmほどのグレが釣れたということでした。
港についたあと活かしバッカンの魚を締めて、ウミックさんの計量台に魚を並べてから写真を撮りました。
「チヌ4枚も釣って冥土の土産になりましたね」とSさんを冷やかしましたら「わしはまだ死なんわ」と笑っていました。
Sさんは夏には秋田に帰るということですので、今シーズンが若狭での最後のチヌ釣りとなりそうです。
「これで思い残すことはないでしょう」と言いましたら、「もう少し大きいチヌを釣ってみたい。できれば50cmオーバーを」ということで、釣り師の煩悩は尽きることが無いようです。
さて、今回は久しぶりの若狭のチヌ釣りの報告でした。
次回も釣れたよというレポートが書ければよいのですが。


二人の釣果 チヌ47 45 32から38cm4枚



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