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 上野山さんからのリポート
 「200回目の釣行記

  音海 (福井県)
   2015/12/20

 



「ぐれねっと」の投稿釣行記は今回で200本目となります。

下山さんが「ぐれねっと」を始めた16年ほど前は、個人でホームページを持っても更新するネタが無いということで、なかなか一般の皆さんがホームページを立ち上げても続かなかったと思います。
「ぐれねっと」も最初の頃は下山さんの「ほんまDESSEY」という釣りに対する雑感のような記事と、下山さんとグレネット読者が釣行記を投稿することによって更新されていましたが、ブログが一般的になるようになってからは、投稿していた皆さんも各人が釣行記をアップするようになり、今では「ぐれねっと」の更新は私が釣行記を書くだけということになってしまいました。
そんな釣行記も今回が200回目ということになります。
釣行記の最初はいろいろな方が投稿されていましたので、私の分だけですと150回ほどになるのではないでしょうか。 

さて、このところ敦賀市内の波止場に通っていますので、200回目の釣行記も庶民の波止場釣りになると思いましたが、エルニーニョ現象の影響が「ぐれねっと」にも影響しておりました。
前回の釣行記にもありますように、今月は12月にしては奇跡のような3日間連続の小春日和の天気があり、思わず仕事を休んで釣りに行きました。
このように冬に暖かい日が続くというのは、どうもエルニーニョ現象のためらしいです。

12月20日も高気圧が日本を覆い、当地の予報も一日晴れです。
波の高さも1mのち50cmという絶好の釣り日和が、またもややってきました。 

20日は日曜日ですので、これは渡船で釣りに行こうと思いました。
波止場にこのところよく一緒に釣りに行くU君から2,3日前に電話があり、また釣りに行きましょうということでしたので「今度は音海に行って渡船の釣りをしませんか」と言いましたら乗り気のようです。
20日の日曜日はT君も都合がつくということで、金曜日の夕方にはU君とT君と3人で打ち合わせまでしてしまいました。
この盛り上がりは、いつものように行くまでが楽しいということでしょうか。 

「音海は最近45cm前後のグレは揚がっていますが、我々が渡船で行っても釣れるとは限りませんよ。帰りはいつもの波止場のほうが釣れたということになるかもしれませんよ」とクギを刺しましたが45cmのグレが釣れているということで皆さんの期待は膨らむようです。
U君は事前に「ぐれねっと」での私の釣行記を読んで、音海の予習をしておくという熱の入れようです。
打ち合わせから帰る途中U君から電話が入り、U君の友人のF君も誘ったのでF君のランドクルーザーに乗って4人で音海に行くことになりました。 

さて、私が前日の土曜日に7時の天気予報を見てから音海のウミックさんに電話をしますと、なんとすでに予約が30人ほど入っていて、一番船はいっぱいなので2番船なら乗れるということです。
「まだ磯はありますかね、4人ですが」と言いますと「海峡」が空いているということです。「海峡」は一級磯ですので2番船に4人で乗ることを予約しました。
電話に出られた方から、「1番船が6時45分に出るので、7時頃に来てもらって事務所で名前を書いて支度をして待っていてほしい」と言われました。 

U君に2番船になったことを連絡しますと、そんなに人が多いのかとびっくりしていました。サンスイ釣具店での待ち合わせを朝の4時から5時に変更してエサは各自で頼むことにしました。

私は土曜日の夕方にサンスイ釣具店に行きエサを購入しました。
エサは生のオキアミ2枚にボイルのオキアミ1枚にしました。
今回集魚剤は使いません。
ついでにハリの消耗が激しいので、グレメジナ7号を買おうと思いましたら、店にハリの在庫がありません。
「7号のハリがないけど」とご主人に言いましたら「このところ上野山さんたちがフグにハリを取られるということで、よく買ってもらって在庫が無くなりました。がまかつに頼む荷物がないのでハリだけ送ってもらうわけにはいかないので他のメーカーのもので間に合わせてください」ということです。 

店からU君に明日の集合時間の確認とエサの注文をしたかどうか電話を入れましたら、今どこにいるというのでサンスイ釣具にいると言いましたら、今から行くということで、U君とは再度打ち合わせをして深いタナの釣り方などの話をしました。
U君は0.8号のオモリや5Bのガンダマを購入していました。
このU君の熱意が40オーバーのグレによって報われるとよいのですが・・・ 

20日の朝4時に目覚ましをかけて寝ましたが、人と待ち合わせると、どうしても気になるようで2時には目が覚めてしまいました。
朝4時に起きて、パンとコーヒーで朝食を済ませて5時10分前にサンスイ釣具店に行きました。
F君は少し遅れて到着して、5時過ぎに4人分の荷物を満載したランドクルーザーは音海に向かって出発しました。 

外は晴れて放射冷却のため2度しかありません。
音海にはちょうど1番船に釣り人が乗りこむときに到着しました。
桟橋には40名ほどの釣り人がいるようですが、磯以外にイカダ釣りの人もいるようです。
我々が駐車場に車を止めていると1番船が出て行きました。
やがて7時になりましたので、事務所に行き各自名前と連絡先を用紙に書きます。 

着替えを済ませて桟橋で待っていますが40分ほどたっても船が戻ってきません。
これは、意外と波があって磯渡しに手間取っているのではないかと思いました。
やがて8時前になり船が戻ってきました。

2番船に乗ったのは8人でした。
船長に「海峡に4人で予約を入れている上野山です」と言いましたら「海峡はウネリで今日は上がれませんね。別のところに上がってもらいます」と言われてしまいました。
天気予報の波の高さ1mのち50cmは当たらなかったのでしょう。
U君に「海峡はウネリで上がれないので2人ずつに分かれるかもしれない」と言いました。
1級磯に上がれると思っていましたので、我々は少し暗い雰囲気になりました。
音海の防波堤を超えるとウネリは1.5mほどもあるようです。
船は灯台を回りまして栃が島に向かいます。 

「上野山さんたち4人で栃が島に上がってください」と船長に言われ我々は4人で上がれるということで急いで舳先に向かいました。
栃が島は大きな島です。
ここは4人で釣りをするには充分な広さです。
私は過去にもここで釣りをしたことがあります。 

「ぐれねっと」の2004年12月に栃が島で釣りをした釣行記があります。
タイトルは「日本海の代表的エサトリ勢揃い」ですので、その時はコッパグレやらフグにエサを取られて苦戦したようでした。


 

栃が島の全景


渡船は島の右端につけました。
ウネリが高い中なんとか4人分の荷物を上げて支度を始めましたが、釣り場の正面はウネリが来てサラシで真っ白になります。
「波に注意して釣りをしてくださいよ」と言って私も支度をしました。
私は磯の右側がやりやすそうでしたのでそこから竿を出すことにしました。 

竿を出している途中に「オー」という声で顔を上げますと、磯に上がってきた波でバッカンがひっくり返って、竿袋まで流されそうになっています。
竿袋と磯クーラーは流されずに済みましたが、F君のバッカンがひっくり返って、1回目のマキエが全部流れました。
磯に上がって20分ほどしてからの突然の大波でしたのでこれにはびっくりしました。
やはり冬の日本海は注意しないといけませんね。


磯で支度する3人 この後大波が来て白いバッカンがひっくり返りました


8時40分ごろになりマキエの用意を済ませて釣りを始めます。

今日はアテンダーU1.5号に道糸は3号、ハリス2.5号2ヒロ、グレバリ7号、釣研の3Bのウキに2Bのオモリをサルカンの上に打って、ウキ下3ヒロ半でスタートしました。
足元にマキエを打ちますとスズメダイが出てきます。
足元にマキエを打ってから、竿1本ほどのところにウキを投入しますがエサはとられます。 

今度は足元にマキエを打ち、スズメダイを寄せてから竿2本ほど先にウキを投入しますが、ウキにはスズメダイが近寄らないのでサシエは通りそうです。
仕掛けが立った頃にウキに向かってオキアミを少し撒きます。
その釣り方をしていましたらウキが入り、25cmほどのグレが釣れましたがこれは放流します。

その後はエサが取られます。
サラシによってウキが正面の沖に流れたり右に流れたりします。
30分ほどしてウキが右に流れたときにスッと入り見えなくなります。
これはグレの当たりと思い合わせますといい手ごたえです。
これは33cmのグレで、やりとりを見ていたF君にタモを入れてもらいました。


日本海で久しぶりに釣った良型のグレ33cm


磯の中央で釣っていたU君とF君は朝にマキエを流してコッパグレが寄ってしまったのか、コッパグレばかりが釣れてきます。
左端でやっていたT君に様子を聞きましたら、ハリス3号でやっているが根の際でウキが入り手ごたえはあったもののハリスから切れたということです。
それ以外はコッパグレしか釣れないということです。
私はタナを竿2本まで下げて沖を釣ったり足元を釣ったりしましたが、釣れるグレは25cm止まりです。 

お昼前に私が飲み物を飲んで休憩しておりましたら、私の場所に入りましたF君の竿が曲がっています。
タモを持って行って掬ったのはこれも良型のグレで35cmありました。 

私は釣り場をF君と交代して磯の中央から竿を出しましたが、0.5mという予報の波はぜんぜん落ちません。
大サラシで中央は釣りにくいので、1時過ぎになり私は船付で釣りをしていたT君の隣に入れてもらいました。
この時漸く日が当たってきて暖かくなりましたが、30分ほどでまた日差しは無くなりました。 

T君に様子を聞きますと、コッパグレや真鯛の子しか釣れないということです。
T君は右側から出るサラシの際にウキを沈めて釣っているようです。

私は少し仕掛けを変えました。
ウキは3Bのままですが、ハリスを2ヒロ半と長くしてウキの遊動を半ヒロにしてウキ下を3ヒロにしました。
ハリスにはオモリを打ちません。
このほうがハリスの長い分エサが自然に流れるのではないかと思いました。
仕掛けを作り終えましたら時刻は2時すぎになっていました。 

T君の横から左側に向かって竿3本ほどのところにウキを投入します。
ウキが入りますとコッパグレや真鯛の子しか釣れませんでしたが、3時半ごろになり31cmのグレが釣れました。
その後私に同サイズが3枚掛かりましたがT君は真鯛の子しかかかりません。
グレをタモに入れて岩をよじ登って活かしバッカンのところまで往復しますのでこれはかなりしんどい作業です。

4時前になり竿3本ほど沖でウキが入りますがこれはグレと引きが違います。
一瞬銀色の魚体が見えましたのでチヌかもしれないと思いましたが、足元まで魚を寄せますとそこから意外に潜ります。
リールのブレーキを使って少しやり取りをして浮かせましたら、これはスズキでした。
後で釣ったスズキをメジャーで測りましたらこれは60cmでした。
以前Y君と二木島に釣行してタモにスズキが入らずにバラしたことがありましたが、あのスズキはこれに比べるとかなり大きかったのではないかと思いました。


4時前に釣れたスズキ


私は釣れたスズキをタモに入れてふうふう言いながら磯を歩いて活かしバッカンのところに行き、U君からナイフを借りてスズキを締めました。
「何回も魚を持って運ぶのがしんどいですわ」とU君に言いましたら、U君は「アンタ、釣ってばかりで気が付いていないかもしれんけど、Tさんは後から横に来たアンタばかり釣れて、自分は釣れないし、最後はスズキまで横で釣られてもう目がペケになってほとんど死んでいるで、アンタもうこの辺で竿を置きなさい」といわれました。
これには大笑いしましたが、並んで釣っていて片方だけ釣れるということはよくあることですね。 

T君と私とはウキが数メートルしか離れていないにもかかわらず、私ばかりグレが釣れるということになってしまいました。
やはり何かが違うと、ほんのチョットしたことで並んで釣っていても魚が釣れる、釣れないという差が出てしまうのでしょうね。
その何かは何回も磯に通って自分で考えるしかないですね。 

私がスズキを釣り上げて締めましたら、もう4時になっていました。
迎えの船は4時半ですので、私は道具を片付けました。
F君の35cmのグレ以外はT君もU君もコッパグレしか釣れませんでした。
今日はF君グレ35cm1匹、私がグレ28cm1匹、3133cm4匹、スズキ60cm1匹という結果となりました。 

私以外の3人は音海が初めてでしたが、口々に日本海側でこんなに多くの釣り人が集まるところは見たことが無いと言っていました。
T君は12月に日本海で渡船に乗るのは初めてと言っていました。 

帰りに私が代表して料金を払いに行きましたが、3人とも1日釣って4千円とは安いですねと言っていました。
今回残念ながらボーズだったU君とT君は、いつものように行くまでが楽しいということだったかもしれません。
彼らはまた音海にリベンジする時もあるかも知れませんね。
みなさん、今回の経験を糧にしてまた磯釣りに励んでほしいものです。 

ちなみに過去の「ぐれねっと」の釣行記を見ましたら100回目も音海で、しかもグレを釣っていました。
今年の春もSさんと音海に昼から来て二人とも良型のチヌを釣っています。
私にとって音海は相性がいい釣り場なのかもしれません。

 
 今回の釣果 上のグレがF君の釣った35cmです 他は私が釣った魚です



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