TOP 釣行記index 次のページを読む

 上野山さんからのリポート
 「40cm前後のイサキを13匹

  神津島 (東京都)
   2018/05/13

 

港に戻り我々は他の釣り人2名と同じ民宿に泊まることになりました。
軽バンと軽トラックに荷物を載せて民宿に向かいます。
サンラインの服を着た大会関係者15名ほどは、まとめて別の宿に行くようです。 

民宿の前で道具を片付けながら、今日の釣果について話しましたら、名古屋から一人で来ている40代くらいの釣り人は祗苗島に上がったけれどもイガミしか釣れなくて場所替えをしたと言うことですので、我々と状況は似ていたのでしょう。

三重県から来ているという、常連の70歳くらいの釣り人は「岡の昨根」に上がって30cm前後のグレを10枚ほど釣ったようです。
「あの場所にあがっても、このサイズしか釣れんということは大きなグレはおらんようになったかもしれん。上潮は暖かいけど、底潮は冷たいということなのでグレは釣れんのかもしれんな」と言います。
この方は今日が二日目で、明日も釣るということです。
神津島に来ると毎回3日間釣るということですので、この70歳の釣り人のエネルギーは見習わなくてはなりません。 

我々は部屋に荷物を下して、車で10分ほどの島の温泉に行きました。
この温泉はお湯の色が薄茶色で、疲れをいやしてくれるような気がいたします。
今日は風が強かったので、いつもよりも疲れている気がいたします。
ぬるいお湯の湯船がありますので、その浴槽に浸かりながら普段とはまったく別の世界に来たのだなと感慨にふけりました。
風呂に浸かって、ハリスにオモリを打つなど、今日はもう少しやりようがなかったかなど反省いたしました。

しかしハリス5号を掛けていても、切られるということはイズスミの歯はよほどきついのですね。
目を閉じますと、イズスミがアタッタ時、ウキが沈んで行ったあとですごい勢いで道糸が走るシーンがよみがえります。
やはり、1年ぶりの神津島では若狭では普段味わえないような強烈な魚の引きが待っていました。
神津島では何が来るかわかりませんので、明日も道糸、ハリス5号通しで臨もうと思いました。 

宿に帰りますと夕食の支度が出来ていました。
我々は4人で食事をしました。
アルコールは持込みしてよいので、各自飲み物を店で買ってきて用意しました。

名古屋の釣り人は年に10回ほど神津島に来ているそうですが、なかなか50cmの尾長グレは釣れないということです。
三重県の釣り人はもう40年ほど通っているということですので、過去には60cmオーバーの尾長グレも釣っているそうです。
最近は大きな尾長グレは釣れないと言っています。

私が70歳の釣り人にハリスの太さを聞きましたら、浅い磯では5号、足元から深い磯では3号だということです。
尾長グレを釣るには、浅い磯では強引に勝負をしないと、すぐに根擦で切れてしまうということです。
やはり、ハリス5号は必要だったかと改めて思いました。 

Fさんが30年ほど前に神津島に釣りに来た時には、渡船は10軒ほどあったと言いますが、今は4軒だそうです。
三重県の釣り人は、今日のように4船で磯渡しをするのは珍しいと言っています。
たいがいは我々の乗っている賀寿丸と海央丸の2船だそうです。
お客さんが少ないときなど、海央丸のお客さんが下田から賀寿丸に乗ってくることもあると言っています。
30年ほど前から見ると、やはり磯釣り人口は5分の1くらいになっているかもしれませんね。 

やがて7時の天気予報になりました。
天気予報では明日は南の風で午後から雨のようです。
雨雲は夕方に下田に掛かるようですので、釣りをしている間は降らないかもしれません。
宿の人が片づけに来ましたので、我々は部屋に戻りましたが私はそのまま朝まで寝てしまいました。 

朝5時に朝食ですので、我々は4時半ごろに起きて着替えをしました。
朝食を済ませて、外に干しておいたレインウエアを着て出発です。
今日は25度ほどになるということですので、朝も寒くはありません。
ここの宿泊代金は1泊2食付で7500円でした。 

港につきますとすでに賀寿丸は到着していました。
我々4人の荷物を積みますが、またもや船の前はたくさんの荷物で大混乱です。
前日のように、サンラインの服を着た幹事の方が指示をしていますが、大会関係者の荷物と一般の釣り人の荷物がごっちゃになってしまい収拾がつかないような状態です。
こんなことでは最初に名前を言われても荷物を捜せないのではないかとFさんと話します。 

やがて6時になり船は港を出ました。
今日も昨日と同じく南の風ですので多港湾から南の磯に釣り客を下します。
麦わら帽子をかぶった石鯛狙いのお客さんなど2組ほど釣り客を下したと思いましたら、船はスピードを上げて沖に向かいます。
どうやら恩馳に向かっているようです。
恩馳の「長ン根」に5名を下し、「大根」にサンラインの服を着た釣り人を7名下します。
これで、サンラインの服を着た釣り人はほとんど下りてしまいました。

船は本島のほうに戻ります。
次に3名を下して船の中はもう5,6名しか残っていません。
ようやく、我々の名前が呼ばれて港の近くの磯に向かいます。
磯に着けるときに磯の名前を聞きましたら「白根」ということです。
湾を挟んで対岸に昨日入った温泉施設が見えます。
船長は左側の高いところからタナを深くして釣るようにアドバイスをくれました。

 
白根の右側で竿を出すFさん


私とFさんは並んで釣ることにしましたが、私の場所は高くて5mのタモが届きそうにありません。

Fさんが6mのタモを出してきて私に使うように言ってくれました。
このタモなら届きそうですが、魚を掬って持ちあげるのは大変そうです。 

今日の仕掛けは昨日と同じですが、船長がタナを深く取ってと言っていましたので、ウキは小粒の5Bのウキにしました。
道糸、ハリスは5号で、ハリはボイルグレの8号です。
足もとにマキエを打ってウキ下3ヒロ半からスタートします。
着けエサはボイルを使います。

3回ほどマキエを打ちましたら、水面下に30cmほどの黒い魚が走るのが見えます。
着けエサがとられませんので、ウキ下を50cmほど深く致します。
潮はユックリと左に流れているようです。
釣り場の足元は切れていて根が出ていませんので、魚が掛かったら楽に取り込みできそうです。

 
私の釣り場 バッカンの右側に座るスペースもあります


Fさんは何か魚が掛かったけれどもバラシタと言っています。

私も5投目くらいに前あたりのあとにウキが入ります。
合わせますとあまり引きません。
すんなり上がって来ましたのは40cmほどのイサギです。

 
1匹目に釣れたイサギ 40cm


Fさんにもアタリがあり30cmほどのクチブトグレが釣れました。

Fさんは「初日だったら放流するけど」と言って、1匹目のグレはキープいたしました。

私にもアタリがありますが上がって来ましたのは30cmほどのイズスミです。

その後はエサがとられますのでタナを50cmほど浅く致しました。

私は少し沖を釣ってみようと思い、20mほど沖にウキを投げて追い風に乗せてマキエもウキの近くに投入いたしました。
その釣り方を何度かしましたらウキが入り40cmほどのイサキが釣れてきました。

9時半ごろになりFさんの竿が曲がります。
掛かった魚を掬いに行きますと、磯際を右左に走りながら寄ってきましたのは大きなイズスミでした。
この魚は私がタモを入れて持ち上げましたがなかなかの重量です。
見たところサイズは55cmほどです。
「これが尾長グレやったらな」とFさんはボヤキますが、記念撮影には嬉しそうな顔をして応じていました。
久しぶりによく引く大きな魚を取り込んだので、まんざらでもないようでした。

 
55cmのイズスミを釣り上げたFさん 写真では尾長グレに見えないこともないが・・ 


その後潮が右に早く流れだしますと私にもFさんにもアタリが出だします。

20mほど沖にウキを投入して、マキエを打ち仕掛けが馴染むと同時にウキが入ります。
釣れてくるのは40cm前後のイサキです。
無理に抜いて、ハリが外れてバラスともったいないので、毎回6mのタモで掬って取り込みますので作業をしているような釣りです。
ウキを20mほど投げる、マキエを打つ、仕掛けが馴染むとウキが入る、魚を6mのタモで掬う、魚を締めて磯クーラーに放り込む、ウキを投げるというパターンで続けて魚が釣れます。これではなんだか漁をしているような気持ちになります。
もう60歳を過ぎましたので、釣は適度に間をおいて釣れる方がのんびりしていてよいですね。 

イサキは10回ほど連続で食ってきました。
10回も6mのタモを入れましたので、私はへとへとになりました。
なかにはリールを巻いている途中で外れるのも3匹ほどいました。
右隣のFさんはイサキ以外に、クチブトグレの42cmや尾長グレの33cmが釣れてきています。
なぜか、私の場所ではイサキしか釣れません。 

お昼を過ぎて潮の流れが緩みましたらあれほど連続でイサキが釣れていたのにアタリは遠のきました。
魚の活性が高かったのは1時間ほどだったかもしれえません。
魚は釣れているときに、できるだけ釣れということですね。

私は休憩をしてパンを食べました。
オレンジジュースに甘いパンを食べましたので、疲れが癒されます。
15分ほどして釣を再開しますと着けエサが残りますので、タナを深くして4ヒロほどにしました。 

3回ほど流しましたらウキが入ります。
一呼吸おいて合わせますとイサキの引きではありません。
この魚は足元まではスムーズに寄ってきましたが、姿が見えてから暴れまわります。
磯際を走り回るのを竿でこらえますが、竿が折れるのではないかと思うほど下にも引っ張り込みます。
5分ほどやり取りをして、引きが弱まりましたのでFさんの差し出したタモに魚を入れましたが、これは1年ぶりの60cmのノトイズスミでした。

 
ノトイズスミ60cm


Fさんが目方を測ってみようと言いますので、測りましたら3.1kgでした。

釣針は口の横に掛かっていました。
掛かりどころが良かったので、バラさずに取り込めたのだと思います。

尾長グレはなかなか釣れませんが、大型イズスミは釣れますね。
イズスミは皆さん放流するので、どんどん大きくなるのかもしれません。
この魚もよく引きますが、釣り人にはあまり歓迎されませんね。
引きだけで言いますと尾長グレと同じくらい引くと私は思います。
この魚は根に向かって突進しないので、大きくても釣り上げることができるのかもしれません。
私はFさんに写真を撮ってもらって魚を放流いたしました。

 
ノトイズスミ60cm この写真ではイズスミとすぐにわかります


その後は天気が悪くなってきて1時前には雨が落ちてきました。

今日は迎えが2時ということでしたので、1時すぎには道具を片付け始めました。

結局、今日私は40cm前後のイサキを13匹釣りましたがグレはボーズでした。
Fさんは40cmのイサキ3匹に、42cmのクチブト、33cmほどの尾長グレを3枚釣り上げました、ほかにも30cmのフエダイを2枚釣りあげています。
私の磯クーラーは氷とイサキ13匹でものすごい重さになりました。
私にはグレは釣れませんでしたが、大きなイズスミも取り込めましたし、ウキが何度も入りましたので楽しい1日でありました。

 
釣の最後は雨になりました 白い建物が温泉です


雨に打たれながら磯で待っていましたら、迎えの船は2時10分ごろに来ました。

これで、オジサンのささやかな一泊二日の冒険は終了となりました。

下田の港には5時前に到着いたしました。
雨の中、皆さんで手分けして船から荷物を下しました。
船長に二日分の料金2万9千円を払って下田を5時半ごろに出て、敦賀には11時半に到着いたしました。 

今回の釣行ではグレは釣れませんでしたが、大物の引きも味わえましたのでやはり神津島は違うなと思いました。
次回の神津島釣行は6月でしょうか。
私にとってノトイズスミが尾長グレに変わる時は、いつの日か来るのでありましょうか。

 
2日目の釣果 イサキ40cm前後 13匹

 


TOP 釣行記index 次のページを読む