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 上野山さんからのリポート 番外編
 「5年ぶりに大鮎を釣り上げた

 
   2020/08/22 〜  2020/09/06

 

九頭竜川の鮎釣りは、5年前に行って15匹ほど釣り上げた後は、学生の交換留学の役を引き受けてしまってからは、夏に用事が多くなりなかなか鮎釣りに行けませんでした。
昨年、4年ぶりに午前中だけの釣りでしたが勝山に行き、結果はアタリもないボーズということで少し鮎釣りの意欲がなくなっていました。
今年は夏にいそがしいという役も終わり時間ができましたが、梅雨がなかなか明けずにいて鮎釣りには行けませんでした。

お盆の休みも過ぎてから、「この暑い中に鮎釣りに行こうかどうか、行ってもボーズかもしれないな、道具を出すのも面倒くさいな」などと鬼嫁に言いますと、「あんた、釣れるかどうかは行ってみないことにはわからんよ。1匹でも釣れたら実家のお父さんにあげてね」と鬼嫁から鮎釣りを後押しするような言葉が出ました。

今回もボーズがあるかもと思い、仕掛けを一から作るのは面倒なので、昨年の仕掛けを使います。
掛け針は5年前に作った3本イカリと4本イカリを持って行くことにしました。
結局、8月22日は勝山の九頭竜川に行き20cm以上の鮎を11匹釣りました。
なんと、そのうちの1匹は26センチの大物でした。 

昨年作った仕掛け糸は持ちましたが、5年前に作った掛け針は3本イカリのハリが抜けたり、イカリが掛かったひょうしにつぶれたりと散々でした。
掛かってからのハリはずれも多発しました。
持ち帰ったのは11匹でしたが、掛かったのは20匹以上でした。
何度も鮎が追いましたので、何とも楽しい釣りでした。 

帰りにオトリ屋で常連さんと鮎がバレる話をしましたら、「あんた久しぶりやな、このところ鮎の皮が硬くなってきているので、ササリの良い針を使えわないと掛かった瞬間にケラれて、ウロコだけついてくるよ」ということです。
私は5年ぶりに鮎を釣って、鮎釣りの楽しさを思い出しました。
また、あのゴゴンというアタリのあったときの、ドキッとするような感覚を思い出しました。

私は翌週の829日にも勝山の保田に行きました。
今度は事前に3本イカリを丁寧に作りました。
ハリは小針ですが頑丈そうながまかつのキツネ7号としました。
このハリは6年ほど前にサンスイ釣具店で、ご主人が2階から探し出してきたものを購入したハリです。
ハリは紙の袋に入っていて検品者のハンコが押してあるパッケージの商品で、なにやら由緒ありげなものです。
私はこのハリが以前から気に入っていました。
この小針は秋に掛かってくる大アユにも対応できるような気がしました。
今回は、水中糸をメタルの0.3号、鼻環回りの仕掛け糸、ハリスとも2号として自動ハリス止を使わないという大物仕掛で臨みました。
29日は1日釣りをして今回も鮎を16匹釣りましたが、大鮎はかからずに24cmどまりでした。 

そして次の週末は台風がやって来ましたが、台風は九州方面を通過するということで勝山では鮎釣りができそうです。
私は朝4時半に目覚ましをかけて、明日こそは尺鮎を釣るぞと意気込みました。

9月5日の土曜日は晴れて気温は36度ほどになる予想です。
私は7時にオトリ屋に到着しました。

先に支度をしている方に聞きますと、このところ減水で鮎があまり掛からないので釣り人は少ないということです。
私は養殖のオトリ鮎を3匹購入して、オトリ屋の上にある早瀬に向かいました。
前回釣った場所は誰も釣りをしていません。
上のほうに釣り人が一人いるだけです。

私は養殖オトリに鼻環を通してソッと送り出しました。
いつも最初の1匹を取るまでは集中します。 

オトリがうっすらと見える大石のそばを通り過ぎたときにゴゴンというアタリが来ました。
私はバラさないように、ゆっくりと掛かりアユを寄せてタモですくいました。
この鮎はオトリとして手ごろな20cmほどの鮎でした。

オトリを変えて3匹ほど追加したところで、コンという軽いアタリで掛かった鮎が中々上がってきません。
これは大物に違いないと竿を緩い流れの方向に倒して、魚を緩い流れの中に入れます。
竿も満月に曲がり、糸も針もかなりの負荷がかかっていると思いますが、何とか魚の引きに持ちこたえています。
ちなみに、私の竿は9年目に購入したダイワのアバンサー急瀬抜という、ダイワでは安い竿で、8.5m−9mのズーム仕様の5万円ほどのものです。

魚は徐々に寄ってきましたので、私は2号の仕掛け糸を持って掛かりアユをタモで掬いました。
この鮎は28cmほどでした。

さすがに大きくてオトリには使えないので、次は養殖のオトリ鮎を使います。
今日は流心ではかからずに対岸のヘチの浅いところを泳がせると鮎が掛かってきます。

28cmを釣り上げてから4匹ほど釣ったところで、ヘチの30cmほどの浅いところにオトリ鮎が行った瞬間に立てている竿にガタガタとくるようなアタリが来ました。

この魚は最初走らずに根がかりのように止まっています。
一呼吸おいて鮎は動き出しましたがヘチから早い流れに入ってゆっくりと下がります。
これは流れに乗って行っては駄目だと思い、竿を横に引いて右側の緩い流れのほうに鮎を誘導します。
また、9mの鮎竿が満月になりますが、ここまで竿が曲がると竿としても嬉しいことでしょう。
とても抜ける鮎ではないのでゆっりと寄せます。
このやり取りの間は、早く鮎を見たいという気持ちで力を入れすぎると、身が切れてのバラしや糸が切れてのバラしになります。
息をのむような気持で相手の引きを感じながら、ゆっくりと寄せてくると、4mほど先でまずオトリ鮎が浮き上がります。
その下に掛かりアユがいるはずですがまだ見えません。
こんなにドキドキすることは、60歳を超えるとそうないことです。
早く鮎を見たいという気持ちを抑えてゆっくりと慎重に鮎を寄せます。
掛かり鮎はオトリを引っ張りまわしながら右に左に走りますが、私との距離は徐々に短くなってきました。
引きからしてこれはかなりの大物です。

やがて掛かり鮎が1メートルほどの近くまで来ましたので、竿を立てて水中糸が近くに来るのを待ちます。
水中糸に続いて仕掛け糸が出ましたので、私はサッと仕掛け糸をつかんでタモで掛かり鮎を水中で掬いました。
この鮎は29センチでした。

その後は大きい鮎はかからずに、今回は29,28cmのほかに20cm前後の鮎を午前中で13匹釣りました。
午後からは大鮎を釣り上げて気が抜けたためか、鮎は1匹しか釣れませんでした。

週間天気予報を見ましたら、来週は週末が雨の予報ですので、私は明日の土曜日も勝山に鮎釣りに来ようと思いました。
オトリ屋で鮎を計って、「明日も元気があれば来ますよ」といって私はいったん帰りました。

翌日の6日の日曜日も勝山に鮎釣りに行きました。
オトリ屋の主人が「昨日は大きい鮎を釣ったそうだね。よくそんな大きな鮎を取り込めたね」といいますので「大物に備えて仕掛け糸から下は2号を使いました」と答えました。
その場にいた常連さんからは「まあ、大物を取ろうと思えば2号かもしれんな」という声も聞こえましたが、「そんな太い仕掛けを使っているのか」という顔をしている人もいました。

2日目はスタートしてから1時間ほど掛かりませんでした。

ようやく1匹掛かった22cmほどの鮎をオトリにしましたら、次にかかった鮎が大きくて水中糸と鼻環仕掛け糸のつなぎ目から切れてしまいました。
やはり1日使った仕掛けは点検して使わないとダメですね。

メタルの仕掛けがもうありませんので、0.6号のフロロの水中糸の仕掛にしましたが養殖オトリは沈みません。
小さいオモリを打って早い瀬の中に入れますと、ようやく鮎が掛かりましたが18cmほどで目の横にかかっていますので、交通事故のような掛かり方です。

オトリが替わりましたが、眼の横に掛かったオトリ鮎は泳ぎが悪いのか掛かりません。
20分ほどやってみてまた養殖オトリに戻して、2号のオモリを付けて深い瀬に入れてみました。

瀬の底のほうを探っていますとアタリです。
掛かった魚は根がかりのように動きません。
やがて水面に浮いてきましたが、ものすごい力で対岸に向かって引きます。
またもや鮎竿は満月に曲がります。

0.6号の道糸もよく切れないものです。

私は、この魚は35センチほどある鮎かもしれないと思いました。
しかし引き方が妙にユックリです。
鮎のように下流に走りません。
魚を寄せてきますと、3mほどは寄りますがまたすぐにすごい力で対岸に走ります。

まあ、下流に走らないのでゆっくりやれば寄せきれそうに思えましたが、どうもこれは鮎ではないかもしれないとも思いました。
釣りをしていて、時折大きなコイが泳いでいるのを見ますので、私はこの魚はコイかもしれないと思いました。
何度も寄せては引いてを繰り返した後に魚が1mほどの距離に来ました。
水の中を見ますとオトリ鮎の下に黒い魚がいます。
ああ、これはコイだったかと思いましたら、魚はコイではなく60cmほどのナマズでした。口の周りの長いひげも見えました。
ナマズを寄せてきて、仕掛け糸に手をかけたとたんに、0.6号の水中糸と仕掛け糸の結び目から切れてしまい、ナマズはオトリ鮎とともに水中に消えていきました。

これで今日は仕掛けを2セット切ってしまいました。
昨日2匹も大鮎を釣ったので、私は九頭竜川から「また今度仕掛けを作っておいで」とメッセージを受けたような気がいたしました。
仕掛をきちんと作らないとなかなか大鮎は釣りあげられませんね。

今日は2日目ということで、少し疲れも残っていて大鮎を釣るという気力もあまりありませんでした

大アユ釣りには気力と経験と、入念な仕掛の準備がないといけませんね。

昼前にオトリ屋に戻って、ご主人に「今日は、昨日以上の大物が掛かりました。掛かった時は35cmの鮎かと思いました」といいますとご主人はびっくりした顔をしています。

「ですがサイズは、はるかに大きくて60cmはありました」といいますと「なんだコイかな」といいますので「ナマズです」と答えますとそばにいた常連さんも大爆笑です。
「ナマズとは大物釣りのあんたらしいわ。持ってきたらだれか食べたと思うよ」と常連さんから言われました。

大雨が降って鮎が下がらなければまだまだ勝山の大鮎釣りはできそうです。
私は九頭竜川で5年ぶりに大鮎を釣り上げて、鮎釣りの面白さを思い出しました。

これからも健康に留意して、夏は毎年鮎釣りに行こうと思いました。

 
九頭竜川 勝山の大アユ29,28cm



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