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 上野山さんからのリポート
 「このまま終わってしまった」

  左右 (福井県)
   2021/06/14

 


サンスイ釣り具ご主人M君と年1回行く真鯛の夜釣ですが、前回は波があり左右(そう)の地磯には行けませんでした。
M君が再度挑戦するということですので、私も同行することにいたしました。

6月14日は月曜日ですが、仕事を途中で切り上げて4時にサンスイ釣具店を出発いたしました。
この日は寒気が来ているということで、雷注意報が出ていました。
大雨や雷が鳴っていたら釣りは中止ということですが、幸い昼から天気は晴れてきました。
風は北風ですが波が出そうな風ではありません。
いつものように越前の細い道を走り左右に向かいます。

左右には5時過ぎに着きました。
M君が磯クーラーを背負子で背負ってくれます。
私は二人分の道具を入れた竿袋を持ちました。
暑いのでお互い半袖シャツで歩きます。
観光名所の呼鳥門(こちょうもん)では外国人のカップルが写真を撮っていました。
呼鳥門の岩のアーチの下を歩いて釣場に向かっていくのですが、通行止めの道路にはところどころに頭ほどの石が落ちています。
「こんなのが上から直撃したら死にますね」とM君と話しながら歩きます。

しばらくして道から岩場に下りて横に岩を伝っていくところに行きます。
「石がはずれることもあるので注意してください」とM君に言われましたが、手でさぐっている小さな石がポロっと外れました。
「足を掛けた石が落ちたら海に落ちるしかないのでは」といいますと「そのときはそうですね」とM君が言います。
先に行ったM君に竿袋を取ってもらって、両手で体を支えながら慎重に横に5mほど移動して難所を過ぎました。
ここを過ぎると後はアップダウンをしながら磯の前に行きます。

大汗をかいて磯の先端に着いて「毎回言いますが、これは渡船のほうが楽ですね」といいますと「この時間ですと渡船では釣りを終わらなくてはいけません。夜釣りというとやはり地磯歩きになりますよ」とM君が言います。
「これだけ苦労しても釣れないこともありますね」といいますと「まあ、遊びですから」ということです。

海は凪ですが横から北風が当たってきます。
シャツを着ていないと肌寒く感じます。
この風は夕方には止むようです。

今日の仕掛です。
竿はアテンダーの2号に道糸4号、ハリス3.5号2ヒロです。
ウキはM君手製の2号のものです。
ハリは前回グレが釣れたこともあり、ボイルグレ9号とタイ釣りには小さめにしました。
念のためにグレバリ10号も持ってきました。
マキエはオキアミ1枚で、着けエサはLLの生のオキアミです。

M君が「ここは足もとから8ヒロくらいあります」ということですので、ウキ下は5ヒロから始めます。
M君は休憩して磯の後でタバコを吸っています。
2投目に大きなウキが入りビックリしましたが、合わせますと引きは弱いです。
上がってきたのは10cmほどのフグです。
ハリを外して、仕掛けを入れますと今度はエサがついて上がってきました。

「オッ、エサがついてきたのなら釣りを始めなくては」とM君も竿を出します。
M君が支度して竿を出してからはエサが取られ続けます。
足もとにオキアミを撒きますと、スズメダイのほかにも足の速い魚がエサを食べています。
私はアジがいるのかと思いました。

そのうちにM君が12cmほどのサバを釣りました。
「今年はサバの子が大発生しているということです。沖のタイ釣りの邪魔をするということですが、こんな地磯にも来ましたか」といいます。
エサを取っているのはアジではなくてサバの子でした。

20mほど沖に投げたウキが横になり、おかしいなと思い仕掛けを上げると10cmほどのサバの子がハリを咥えていました。
マキエが効いていないと思われるところに仕掛けを遠投してもサバが釣れます。
「夜になってもサバの子はいますかね」とM君に聞きますと「サバが出たときに夜釣りはしたことがありませんから分かりません」とM君は言います。

やがて太陽が水平線に隠れるゴールデンタイムになりましたが、マキエを撒きますとマキエの回りにはサバが群がる波紋が広がります。
これでは、暗くなるまではどうしようもないと思いました。

釣りを開始して2時間ほどたち、時刻は7時半になりました。
あたりは暗くなってきましたがエサは取られます。
ウキに着けたケミホタルの光がだんだんとよく見えるようになってきました。

8時になり1度エサがついて上がってきたので、次こそはと振り込みますが次回はエサがありません。
海面に光るケミホタルが海中に沈みこむ瞬間を期待して、竿を振りますが魚は掛かりません。「このままでは終われません。もう少しやりませんか」とM君が言いますので、私は「では10時ごろまでやりましょう」といいましたがウキは沈みません。
どうにも気合が入りません。
淡々とエサを付けて仕掛けを振り込みます。

暗くなってからは風もやみ、潮はゆっくりと右に流れるといういいコンディションになりましたが、ケミホタルは青く光ったまま右に流れていきます。
途中二人ともに着けエサがついて上がってきて、これは何か大物が回ったのかと気合を入れて仕掛けを投入しましたが空振りです。
やがて9時を過ぎてM君にサバが掛かり、これで終了しようということになりました。

「このままでは終われません」とM君が言いましたが「このまま終わってしまった」という結果となりました。
5時半ごろから4時間弱やりましたが私はフグと小サバ2匹、M君は小サバ3匹という結果となりました。
今回は久しぶりのボーズとなりました。

道具をしまって、シャツを脱いで半袖になり、ヘッドランプで足元を照らしながら磯を歩きます。
横に磯を伝う難しいところを通って無事にアスファルトの道まで出ましたら、釣れなくても大きなミッションを終えたような気持になりました。

駐車場には10時前に着きM君の運転で敦賀には11時前に到着しました。
沖で小サバが湧いているという情報はありましたが、海の状態は行ってみるまで分かりませんね。

これで、左右の沖磯に渡船で釣りに行くということは難しくなりました。
マキエを打ってグレが小サバをかき分けて上がってくれば、グレが釣れるかもしれませんが、今日のサバを見ているとよほどグレの活性が高くないとサバにエサを取られそうに思います。

次回は泊の大谷渡船に電話をして小サバがいなかったら釣行しようと思います。
小サバがいるようでしたら磯釣りは夏休みに入ります。


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