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 上野山さんからのリポート
 「グレ釣りの引き出しが増えた

  越前海岸の小樟の地磯 (福井県)
   2021/12/07

 


11月28日はFさんと再び敦賀半島の地磯に釣りに行きました。
グレ釣りに行くのは秋になって5回目です。

前回はこの場所で30cmオーバーのグレを2枚釣って、今回意気込んでさらに暗いうちから竿を出しましたが気合が入りすぎたのか、夜明け前のゴールデンタイムはウキが沈むことはありませんでした。
Fさんもケミホタルをウキに着けて竿を出しましたが不発でした。

夜が明けてからしばらくたって、ようやく釣れた1匹目のグレは15cmほどでしたので、不吉な予感がいたしました。
大荒れの後でしたので、海の状態は変わっていたのかもしれません。

不吉な予感が当たり、私にボツボツと釣れてくるグレは25cm止まりでした。
Fさんは30m以上も遠投して30cm弱のグレを2,3枚釣っていますし33cmほどのチヌまで釣りました。
私はたくさんグレを釣りましたが、お昼前まで釣りをして持って帰るサイズのグレはなくボーズという結果となりました。

翌日サンスイ釣具店で聞きましたら、我々の釣り場に後から来た釣り人が28cmから30cmほどのグレを10匹ほど持っていたし、チヌも釣っていたということです。
「上野山さんは、このところグレ釣り好調で、店に来てもはしゃぎ過ぎているので、これはそろそろボーズかと思いましたよ。油断大敵です」とサンスイのご主人(以下M君)に言われました。

その後、店に遊びに行きますとご主人が7日の火曜日に店を休んで釣りに行くといいます。
「雨の予報ですが一緒に行きますか。朝用事があるので出発は10時半ごろになります」とご主人が言いますので、私はすぐに一緒に釣りに行くことにしました。
「場所はどこにしますか」と聞きますと「まあ、当日の風向き次第です。前日に決めますわ」ということです。

釣行前日の6日になりますと、7日の雨の予報は変わらないものの、午前中北東の風2,3mの予報から、北の風7,8mと変わってきました。
これは、釣る場所が限られてくるなと私は思いました。

7日の朝、少し仕事をして10時過ぎにサンスイ釣具店に到着しますと、店は閉まっていて誰もいません。
車の中でおにぎりを食べ終わりますと、しばらくしてご主人が帰ってきます。
「今日は、以前一緒に釣りをしたことがあるH君も一緒に行きますので3人です」といいます。

私は車から道具を下ろしました。
マキエと着けエサはご主人が3人分に分けて用意してありました。
着けエサは生オキアミと、ボイルが用意してありました。

しばらくしてH君も到着してご主人のボルボに荷物を積み込みます。
車の屋根にジェットパックも積んでありますので、ジェットパックに竿や長靴を入れます。
荷物を積み終えますと10時半になり、我々は小雨のなかM君の運転で越前方面に車を走らせました。

「今はまだ風が吹いていませんが、途中から北風が強くなるかもしれません。雨が降っている間は、そう風が吹かないかもしれませんが」とM君が言います。
M君は今日の天気の状況を考えて、3人で竿を出せる場所と言うことで越前海岸の小樟(おこのぎ)の地磯に釣り場を決めました。

この地磯で釣りをするのは何十年ぶりです。
M君は今年の春にここで釣りをして何か大物に切られたということです。

越前海岸の細い道に入りますと、カニ料理の旅館の前に観光バスが止まったりしていて少しずつ日常が戻っているのだなと感じます。

1時間ほど走って釣り場に到着いたします。
我々は雨の降る中カッパを着て用意をします。
雨の釣りですと少し憂鬱ですが、3人いますのでなんだか楽しい気分になります。

バッカンとライフジャケットを背負子にくくりつけると支度が終わり磯に向かって出発です。10分ほど歩くと磯に到着いたします。この場所は敦賀半島の地磯のように崖を上り下りしなくてよいぶん楽です。

磯に到着して海を見ますと海面にスズメダイが群れています。
「早くエサをちょうだいと言っていますよ」と冗談で言いましたが、海面にスズメダイが浮いているということは、エサ取りの活性が高いのではないでしょうか。

釣り場は他に誰もいませんので3人で貸し切りです。
磯の中央に私が入り左側にM君、右側にH君が釣り場を決めました。

 

私の左側のM君 座って釣っている



 
 私の釣り場 デコボコで足場が悪い


 

右側のH君 少し高くなっている


この釣り場は、いかにも溶岩が流れたような岩でできていて足もとがデコボコで足場が悪いです。
マキエのバッカンもなかなか水平な置き場がありません。
M君は棚になったところに腰掛けて釣りをしています。

今日の仕掛です
竿はアテンダー1.5号、道糸2.5号にハリス1.75号を1.5ヒロ取りウキ止めストッパーをつけて直結します。
雨で道糸が竿にくっつくと思い、ウキは釣研の重めのBのウキを遊動としました。
直結の上にBのオモリを噛みつけます。
ウキ下は2ヒロ半とします。

ハリですが、前回堤防で釣りをしたときに着けエサがグレの中を落ちていくのにグレが反応しなかったということで、サンスイ釣り具にあったオーナーばりの「身軽グレ6号」としました。軽いハリならばグレのアタリも多いだろうという読みです。
このほかにも今日はガマカツのフカセグレ6号やいつものザロック6号も持ってきています。

まず身軽グレ6号で様子見です。
M君が用意してくれたマキエを撒きますと、スズメダイに混じって細い小さな魚がたくさん走ります。

よく見ますとこの魚は小アジです。
この時期にまだ小アジがいるとは驚きです。
水を汲んだ時に温かく感じましたので、水温は高いのでしょう。

M君も「オッ、アジがいるな」とこれはかなわないという声で言います。
私はこのエサ取りのアジを見て「今日は終わった」と思いました。
少し沖にマキエを撒きますと、スズメダイとアジが「待っていました」と言わんばかりに群がります。
私はエサ取りの活性が高いので着けエサはボイルのオキアミにしました。

仕掛を入れますと1投目からエサが取られます。
足もとにマキエを打ってスズメダイとアジを寄せてから少し沖に仕掛けを入れます。

仕掛がなじんだころに、ウキに向かって少しマキエを投入します
隣のH君が15cmほどのグレを釣り上げます。
ウキが入って私にも15cmほどのグレが掛かってきます。

 アジが釣れずにグレが釣れましたし、潮はゆっくりと右に流れていますので何か釣れそうな感じはします。
ウキの頭にマキエを打ちますとスズメダイが沖に出てしまいますので、マキエの加減が必要です。
M君は足もとにだけマキエを打ち少し沖に仕掛けを投入しています。
「少し沖に仕掛けを投入すると仕掛けが足もとに寄ってくるので、マキエは足元だけです」ということです。

30分ほどしてM君の竿が曲がります。
M君がタモで掬ったのは30cmほどのグレです。
「タナはどれくらいですか」と聞きますと「4ヒロ半です。沖に仕掛けを入れると着けエサは残ってきます」ということです。
私はウキ下を2ヒロにして沖を釣っていましたが、M君の話を聞いてウキ下を3ヒロ半に落としました。

この頃からフグが出始めました。
ウキが沈んで合わせてもハリがなかったり、仕掛けがなじむ前にフグがウキを引っ張ったりして、ハリがどんどん無くなります。
フグばかり釣れてコッパグレも釣れません
この状況のなか、一人でやっていたら、雨の日なので釣りをやめて帰っているかもしれません。ついに身軽グレ6号を使い切り、ハリはフカセグレ6号を使います。

フグにハリを取られ続けますので、私はお茶を飲んで仕掛けを作り変えました。
ハリを何回も結びなおしてハリスが短くなりましたのでハリスを張り替えます。
ウキも早く沈むように3Bにしました。
タナを深くとりますので、サルカンで道糸とハリスを結びました。

釣りを再開します。
時刻は2時半を過ぎています。
M君は良型のグレを1匹釣った後はコッパばかりのようです。
H君も25cmまでしか釣れないといっています。
二人ともフグにハリを取られているようです。

この時期のコッパグレの活性が高い時のグレ釣りは、たくさんのコッパグレやエサ取りを釣って、そのうちに良型グレが混じるという釣りをしますので本当に大変です。

再開してしばらくしてフグと違うウキの沈み方をして合わせますと、私にようやく28cmのグレが釣れました。
これで、今日はボーズから逃れられました。
このグレは締めて氷を入れた磯クーラーに入れます。

2時半ごろに釣れたグレ28cm


連続でグレが釣れるかと思いましたが、なかなか後が続きません。
私は沖を釣るのをやめて、M君と同じように足もとにマキエを打ちウキを少し沖に投げてウキにはマキエをしないようにしました。
タナは3ヒロ半のままです。

この釣り方では、足もとのマキエの匂いに誘われて沖から寄ってきた魚しか釣れないように思います。
しかしM君はこの釣り方で30cm近いオナガグレも釣りました。
足もとのエサ取りの下に良型の魚がいるということでしょうか。

そのうち、私にもグレが釣れてきますが25,6cmです。
このサイズのグレはハリを飲んだもの以外は放流します。

なかなか30cmのグレが釣れないまま時間がたち4時すぎになりました。
あたりが薄暗くなってきましたので、私は偏光グラスを外しました。
エサが取られますのでウキ下を少し上げて3ヒロと少しに調整いたしました。

ウキ下を少し調整しましたらアタリが出ます。
27,8cmほどのグレを3枚釣りあげたので持ち帰ることにしました。

夕方になり少しグレの型が良くなってきました。
ウキが入って釣れてくるグレの口にハリが掛かっていますので、タナが合っているのでしょう。面白いようにウキが入ります。
ですが釣れてくるグレは27cmまでです。

グレが釣れ出しますと全くフグは釣れなくなります。
グレの活性が高くなりますとフグが遠慮するのでしょうか。

M君が「スズメダイが見えなくなったし、少し沖にマキエを投入してもエサ取りが出ない」といいます。
M君も28cmほどのグレは釣れていたようです。
私も少し沖にマキエを投入しますがスズメダイは出て来ません。

今度はウキに直接マキエをかぶせますとウキがなじんですぐに入ります。
掛かった魚は強い引きです。
足もとでハリスがこすれないように磯を下りてやり取りをします。

タモで掬いましたのは30cmほどの太ったグレです。

 

4時20分ごろに釣れたグレ30cm


写真を撮って魚を磯クーラーに入れて、餌を付けて仕掛けを入れますと今度は竿を引き込むアタリです。
強い引きで竿を伸されましたのでリールのブレーキを緩めて糸を出します。
見ていたM君が竿の曲がりを見て「オオッー」と声をあげます。
今度はさらに大きいグレかと思い、磯を下りて慎重にタモを入れますとサイズは30cmほどです。
アレ、さっきと変わらないなと思いながらハリを外そうとしますと、ハリは目の下にかかっています。
このグレはスレで掛かったのでよく引いたのです。
グレがスレでかかってくるということは、海の中ではこのサイズのグレが乱舞しているのではないでしょうか。

続いてウキが入り29cmほどのグレが釣れますが、もう30cmのグレ以外は放流と思い、この魚は逃がします。
その後は27,8cmほどのグレは釣れるものの30cmを超えるグレは釣れません。
やがて5時前になり暗くなってきましたので釣りを終了としました。

M君は「ウキが見えなくなるまでやれば、もう1回くらい良型グレが釣れたかもしれないけど今がやめ時ですね」と言って竿を片付けました。

今日は雨にあたりましたが、風に吹かれなかったので何とかグレ釣りを楽しむことができた1日でした。
12時から釣りを始めて、4時ごろまではコッパグレやフグで、4時からが時合のような感じでした。
私は久しぶりにグレの入れ食いを楽しみました。
グレのハリを外すので指先も痛くなりました。

今日は1日、釣研の大きめの重いウキを使いましたが、グレの活性が高くなってきますとウキの大小は関係ないですね。
気持ちよくウキが入ります。
また、ハリも入れ食いの時はフカセグレやザロックを使いましたが、まったく関係なく釣れてきます。

あまりに簡単にグレが釣れてきますと、これもあまり面白くないですね。
これは贅沢な話ですが。

6時すぎにサンスイ釣具店に帰って、魚の写真を撮りました。
M君は30と29cmのオナガグレを含めて28cm以上のグレを5匹持って帰りました。
H君ですが、良型は釣れずに26cmまでを20匹以上釣ったということですが、大半は放流したということです。
私は30cm2匹を含めて28cm以上のグレを6匹持って帰りましたが、2匹をH君にもらってもらいました。
H君は家族が多いということでグレをたくさんもらってもらいました。

今日は私とM君ともに28cm以上のグレを10匹以上は釣っていると思います。
「久しぶりにちぎっては投げというグレ釣りをしました」とM君が言います。
「今日の釣果は90点くらいですか」と聞きますと「釣果のことより、3人でグレを釣る場所を考えるのが大変やった。そう風にも当たらなかったし半日グレ釣りができてよかった」といいます。

天気を考えて、M君なりに釣り場の選定に悩んでいたのでしょう。
こちらはM君に連れて行ってもらっての釣りでしたのでお気楽なものでした。

今回もM君のガイドのおかげでグレを釣ることができました。
私はM君と釣行しますと、あまりボーズはありません。
M君の場所の選定が良いのでしょうか。

今の時期のグレ釣りは、良型グレの釣れる時合まで根気よくコッパグレを釣り続けることが大切ですね。
今回はM君の「足もとにマキエ、少し沖の深いタナを釣る」という釣法をまねて釣果を得ました。
今まで仕掛けを遠投して沖のグレを釣っていたので、こんな釣り方があったのだと勉強になりました。

また一つ、グレ釣りの引き出しが増えました。
次回も30cmのグレが釣れるとよいのですが。

 

私とM君が釣ったグレ 28cm以上11匹 後半はたくさん放流しました


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