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 上野山さんからのリポート
 「ありがたい天の声

  泊 (福井県)
   2022/01/23

 


1月23日の日曜日は久しぶりに海が凪ぎそうですので、泊の大谷渡船に電話をかけてみました。
電話に出た船長は「だいぶんウネリは収まってきたけれども、沖まで行ってみてダメなようなら湾内磯でのチヌ釣りになるかもしれないで」との返事です。
Fさんに連絡を入れますと「チヌ釣りになるかもしれないのなら、わしは越前にグレ釣りに行くわ」ということです。
今回は私一人で泊に釣りに行くことになりました。
前日大谷渡船に連絡を入れますと「明日のお客は全部で6人や。まあウネリは落ちていると思うけど。朝7時半出船なので7時には来てください」ということです。 

23日は朝の5時半にサンスイ釣具店にエサを取りに行きました。
先にFさんが来ていて挨拶をしますと、もうマキエは作ったということです。
私がオキアミを出していますとFさんは一人で越前に向かって出発しました。

今日はオキアミ2枚に、グレパワーを混ぜたマキエとしました。
着けエサ用にボイルのレンガも持って行きます。
マキエを混ぜてご主人と少し話をして、6時前に私はサンスイ釣具店から泊に向けて出発しました。 

気温が0度ですので道路の凍結に注意して、ゆっくりと運転をして1時間ほどで大谷渡船に到着しました。
駐車場には先に2台の車が止まっていました。
事務所で船長に挨拶をします。

私は秋から一度も渡船での釣りをしていないので、渡船での釣りは半年ぶりです。
今日は久しぶりに氷を入れた大型の磯クーラーを持ってきました。
私が着替えをしていますと6人がそろいました。
荷物を軽トラックに積んで歩いて港に向かいます。 

船は7時20分ごろに港を出ました。
港を出ますとやはり少しウネリは残っているようです。
湾内磯の三つ岩でもウネリでサラシが出ています。
「これはあんまりウネリが落ちていないな。沖磯に乗れるかな」と船長が言います。 

長崎のあたりまで来ますと、かなりのウネリです。
私はこれでは今日は湾内磯でのチヌ釣りかなと思いました。
船長が「今日はヒナダンと千畳の離れの2か所は釣りができそうです、各磯2名ずつで4名はここで釣りをしてください。まず磯研の2人はヒナダンで、上野山さんとNさんは千畳の離れでいいですか、残った2人は戻ったところの磯になります」といいます。

なんというありがたい天の声でしょう。
一応、準常連のような私ですが船長の計らいで沖磯に下りることができました。
今日初めて会うNさんと二人で釣ることになりました。 

無事に磯に下りてNさんと挨拶をします。
Nさんは50歳くらいの京都の方です。

磯は右からのサラシが横から入ってきますので釣りをできるのは船付きしかありません。
我々は二人並んで釣りことにしました。
どちら側でもいいですよとNさんが言いますので、私は海に向かって左側で竿を出すことにしました。
Nさんとは2mほどしか離れていませんので、今日はかなり窮屈な釣りになります。

タモを組み立ててマキエを混ぜますと時刻は8時前になりました。

今日の仕掛です。
竿はいつものアテンダー1.5号、道糸2.5号にハリスは2号2ヒロ、ハリはフカセグレ7号としました。
ウキは釣研の中型の3B を使いサルカンで道糸とハリスを結びます。
タナは4ヒロで始めました。
Nさんが沖のほうを釣ってくれたので、私は足もとからNさんの前あたりを釣ることができました。

マキエを足もとに落としてウキを足もとに落とします。
ウキはサラシにもまれますがゆっくりと出ていきます。

私は仕掛けが落ちるまでは、ウキを足もとにひきつけました。
道糸を緩めますと、ウキはNさんの足もとから左前に出ます。
15mほどウキを流して仕掛けをあげます。

1投目はエサがついてきます。
2投目は20mほど流して仕掛けをあげます。
今度はオキアミがかじられています。
Nさんは右前からウキを流していますが、エサは取られないといっています。
3投目にウキが沈み合わせますとフグが釣れました。
水温が下がってもフグは元気ですね。

 

今日初めて一緒に釣るNさん 狭いところに並んで釣りをした


私は手袋のマグネットのハリ入れにハリを3本補充しました。
その後はエサが取られるかフグが釣れるかです。
私はグレかチヌがエサを取るまでは、フグと付き合うしかないと思いました。

8時50分ごろになりました。
足もとに落としたウキがNさんの足もとに流れて入ります。
ユックリとウキが入るので私はまたフグだろうと思いました。

ウキが見えなくなって合わせますと魚が掛かりました。
掛かった魚はフグではありません。
手ごたえからこれはチヌだろうと私は思いました。

思いのほか魚の引きが強くなかなか浮いてきません。
竿の弾力を活かして、ゆっくりと魚を寄せます。
しばらくして白っぽい魚体が見えましたので、私はチヌだろうと思いました。

「アッ、真鯛ですね。タモを入れますわ」とNさんが言ってタモを入れてくれました。
タモに入ったのはピンクの真鯛でした。
泊ではたまにマダイを釣っていますが、この真鯛は泊では今までで一番大きなサイズです。

 

朝釣りあげたマダイ 52cm


このマダイは測りましたら52cmでした。
水温が低いためかサイズの割に引きは強くなかったです。
マダイは締めて氷を入れた磯クーラーに入れました。

ポットに入れた温かい紅茶を飲んで、ハリスを点検してハリを結びなおして釣りを再開します。

マダイの後はまたフグが釣れてきます。
Nさんとは釣りをしながら世間話をしました。
Nさんはこれまで毛島や音海の磯で釣りをされていたそうですが、両方とも磯渡しをやめてしまったので昨年から泊に来だしたということです。
毛島や音海ではよく40cmオーバーのグレを釣っていて、音海では1日に3枚も40cmオーバーのグレを釣ったこともあるということです。 

話のはじめに私が「日本海ではなかなか40cmのグレは釣れませんね」といいましたらNさんがけげんな顔をしたわけがわかりました。
Nさんはよく釣ったシーズンでは毎週のように日本海で40cmオーバーのグレを釣っていて、1シーズンに40cmオーバーのグレを10枚くらい釣ったこともあるそうです。
これはすごい釣り人とのり合わせたものです。

私はNさんの釣り方などをよく見て今後の参考にしようと思いました。
Nさんに道糸とハリスの号数を聞きましたら、道糸ハリスともに2号ということです。
40cm以上のグレを狙って釣るのなら、ハリス2号は必要と思うということでした。 

Nさんはかなりウキを浮かして釣っています。
私のウキはカツカツの浮力のところにサルカンを付けていますので、少しの潮のヨレでも沈んでいきます。
同じようなところにウキが流れていきますと、Nさんのウキは浮いていますが私のウキはサラシに押されて潜っていきます。
これはどちらの釣り方がいいのかは魚が釣れないとわかりませんね。 

しばらくは二人ともフグにハリを取られていましたが、次にアタリが来たのも私でした。
11時半ごろになり10mほど流れたウキがサラシに押されて潜っていきました。
ウキが見えなくなりましたので、リールのベールをオープンにして糸を張っていますと、ススッと道糸が出ます。
これはアタリと合わせますと魚が掛かりました。

魚は頭を振りますのでチヌのようです。
ユックリと寄せてきたのは40cmほどのチヌです。
私は自分でチヌをタモに入れました。
今日の状況ではあまり魚は釣れないと思い、このチヌも締めて磯クーラーに入れました。

 

今日の2匹目はチヌでした


その後はまたフグにエサを取られます。
私はパンを食べたり紅茶を飲んだりして、座って休憩をしながら釣りをしましたがNさんは全く休憩をせずに釣りを続けています。
本人曰く「いつ海の状況が変わってグレが食いだすかわからないのでずっと釣りをしてしまいます」ということです。
この方は本当に釣りが好きな方だなと思いました。

1時ごろになりようやくNさんの竿が曲がり、チヌが釣れました。
このチヌは47cmほどありました。
この大きなチヌを持って帰るのですかと聞きましたら、「次に40cmまでの小さなチヌが釣れたら入れ替えます。食べるのでしたら40cmまでですね」と言って魚を活かしバッカンに入れています。

その後はNさんにもう一度アタリがありましたがハリス切れでバラしました。
「頭を振るのでチヌだったと思う」ということです。
この後はお互いにアタリもなくエサを取られ続けて終了の4時となりました。 

港に帰りますと我々の隣のヒナダンと二ツ岩はボーズ、残り一人の釣り人がチヌを2枚釣ったということです。
今日はウネリがあったためか全体に低調な釣果でした。
どの磯もグレは釣れませんでした。 

港に帰ってサンスイ釣り具のご主人に「グレは釣れなかったがチヌとマダイを釣ったよ」と電話しましたら「グレ釣りに行ったのでしたらマダイは外道ですね」と言われてしまいました。

越前に行ったFさんは29cmまでのグレを8枚持って帰ったということで、越前ではグレはまだ釣れているようです。 

今年初めて渡船で釣りに行ってマダイを釣り上げたということは、なかなか幸先の良いスタートです。
また、渡船が出られる日があれば泊に行こうと思いました。
次回は40cmのマダイかグレが釣れればよいのですが。


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