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 上野山さんからのリポート
 「チヌの原価は3万円以上に」

  泊 (福井県)
   2024/03/31

 


5年前の話ですが、2019年のぐれねっと釣行記No2383日間ともハリス5号です」では尾長グレ狙いで神津島に釣りに行き、同行のFさんとクチブトグレを多く釣ったほうが夕食をおごるというカケを致しました。
その時私はハリス5号でクチブトグレ45,40cmの2枚を釣ってしまい、Fさんに高速のサービスエリヤでラーメンをおごりました。
釣り上げたクチブトグレは放流しました。
やはり尾長グレのスピードあふれるヒキを味わいますと、クチブトグレのヒキはもたもたしていて面白みに欠けるなと思いました。
黒潮の蛇行のためか神津島では水温が上がり尾長グレが釣れないために、最近は足が遠のいています。

尾長グレ狙いの釣り師には外道扱いされているクチブトグレですが、若狭では40cmのクチブトグレを釣る熱い釣りがスタートしました。
春の若狭の磯釣りでは40cmのクチブトグレを釣るのに、地元の釣り人に加えて京阪神の釣り人が血道をあげています。

前回の24日釣では、釣り人が14人いて、誰も30cmのグレを釣ることはできませんでした。
今年は水温の上昇が遅くてなかなかグレが釣れないようです。

私はこの2年連続、泊で40cmオーバーのグレを釣っていますが、港に戻った15人ほどの釣り人のなかで、40cmオーバーのグレを釣る方はいつも1,2人です。
この“釣れないグレ”釣るということにかけて、磯研の皆様をはじめ泊に通う磯釣り師たちは情熱をたぎらせているのでしょう。

まあ、私もその一人ですが、前回のように皆さんがボーズですと「今日はアカン日やったな」と納得致しますが、誰かが40cmオーバーのグレを釣っていますと「なんかグレを釣る方法がなかったんかな」と考えたりします。
この“釣れないグレ”は、神津島のウキ下2ヒロ、5号のハリスで釣れるような純情なグレとは違い、手を替え品を替えしないとなかなか釣れません。

昨年、私はウキ下竿2本というタナをとって、流れが変わった瞬間にウキが入り41.5cmのグレを釣っています。
その時のリポートは釣行記No300「ワンチャンスをものにした」にあります。
釣った時間はお昼過ぎでしたので、その日の午前中の流れではグレは食ってこなかったのだと思いました。
ほかの釣り人の話を聞いていても、「何も釣れないので油断していたら急に竿を引っ張られて切られたとか、掛かって根に回られて切られた」という話はよく聞きます。
私も以前は泊ではチヌ釣りをしていて掛った魚の引きが強くて、ブレーキを解除して糸を出したらそのまま根にこすれて切られたことがあります。
これも多分掛ったのは40cmオーバーのグレだったのではないでしょうか
たとえ40cmのグレでもチヌと同じやり取りでは切られてしまいます。
春の低水温の時期ですので皆さん底すれすれの深いタナで釣りをしていて、根でこすれて切られるバラシも多いのでしょう。

前回の釣行では、エサがとられない状態が続いて、今後の人生を考えたりしましたが、残り少ない人生の限られた時間の中で、元気なうちは釣りに行こうと思い2週連続の釣となりました。

3月31日の日曜日は前日の予報は曇りで、波の高さは1mのち0.5mでした。
これならば船は出ると思い、前日の土曜に大谷渡船に電話しますと「今日は波があって三つ岩までしか出られんかった。この波はすぐには落ちんかもしれんで。もっと天気のいいときに来てはどうか」と言われました。
しかし、天気予報ではそう波は出ないとの予報です。
私はとにかく釣りたい一心でしたので船長の言葉を聞かずに予約を入れました。

これが、今回も苦労する釣りのもととなりました。
素直に忠告を聞けないのが、釣りたい釣り師のあさましいところです。
「前回はダメでも桜が咲き始めたので少しは水温が上がって魚は釣れるのではないか、北風が吹いても天気予報は50cmの波なので大丈夫だろう」というような根拠のないような予感で突き進んでしまいました。
年を取ったのならもう少し慎重にならなくては。

今回は何とか1番船に乗れることになりました。
サンスイ釣り具に餌を予約しますと「明日も行くんか。北風が吹くみたいなので波は大丈夫か」といいますが私は天気予報の波は1mのち50cmを信じ込んでいました。
サンスイ釣り具に4時に餌をとりに行くと電話しましたので、目覚ましは3時にかけました。

朝4時にサンスイ釣り具店に餌をとりに行きますと無風状態です。
「この分なら波も出ないのでは」といいますと「この後風が吹くかもしれんで」と言われます。

私はボイルの付けエサとオキアミ2枚に集魚剤を購入しました。
集魚剤を全部オキアミと混ぜますと重くなりますので1/3ほどは袋に入れて持っていきます。
泊に向かって暗い田舎道を走りますので、動物が飛び出してこないかと注意深く運転します。

5時過ぎに駐車場に到着いたしますと6台ほど車が止まっています。
船長が事務所の前に出てきているので名簿に名前を書いて挨拶します。
「今日は出てみんと奥まで行けるかどうか分からんで」と船長がいいます。
「波は1mのち50cmの予報では」と聞きますと「あんたそれは昨日の予報やろ、今日の予報では1.5mになっとるで」といいます。

これはたいへんです。
波高1.5mではとても奥まではいけません。
「みんな今日は見合わせたらどうやと言うても来るんや」と船長が言います。
「みんな釣りに来ないと船長が干上がるとアカンと思っているのではないですか」と私が言いましたら船長は笑っていました。

6時前に人数がそろいましたので全員歩いて港に向かいます。
船が泊の港を出ますとけっこう北風が吹いています。
「三つ岩のチョボ」に波が上がっています。
船の中は、これでは沖はアカンなという雰囲気になってきました。

「今日は奥の磯には行けないので手前で別れてチヌ釣りをしてください」と船長が言います。
いつもグレ釣りをする磯の手前のほうにある「シシ岩」周辺の波の当たらないところに4人の釣り人を下し、船は港にもどりました。

残りの全員で「三つ岩」に下りるかと船長がいいますので、私は「小山の裏の船着き場のアタリに下ろしてほしい」と船長に頼みました。
「あそこならエエけど、京都の釣り人と二人で下りてくれるか」と言われて私は京都の釣り人と二人で釣ることになりました。

小山の裏の磯の横には、昔タングステン鉱の採掘がおこなわれていた坑道の入り口があります。
鉱石を運び出すのに使用した桟橋も一部が残っています。

 

小山の裏の坑道の入り口(左上)と桟橋の跡

昔の人は、よくこの場所にそういった鉱石があると分かったものです。
このあたりの断崖はブラタモリに出てくる場所のような地層なのでしょう。
この断崖の前を渡船で通り過ぎるときは、いつもこの風景は何とも言えないすごい景色だと思っていました。
ここはまさに非日常の風景です。
遊覧船がお金を取れるような景色なのです

我々はその坑道の入り口のすぐ横の岩場で釣りをすることになりました。
この景色の中で釣りをすることになるとは、これも今日波が高かったためですね。
まさに、偶然の積み重なりが人生ですね。

磯の船着きに京都の釣り人が入り、私はその横の沖向きで竿を出すことになりました。
この磯は小山の陰になり北風がそう当たりません。
足場はそうよくありませんが、釣りやすい感じの場所です。

 

私の釣場 右沖に大きなシモリが見えている


マキエの支度をして釣りを始めたのは7時ごろです。
釣りの前にタナを測りますと、手前では4ヒロ程度です。
沖はもう少し深いようです。

足もとにウネリが来るとサラシが左側の京都の釣り人の前まで出ます。
「ウキが左に流れたときは勘弁してください」と左の釣り人に声をかけて釣りを開始いたします。

仕掛けは前回と同じです。
ウキ下は4ヒロ程度ですので、ウキは3Bにして2ヒロ遊動、ハリス2号を2ヒロ取りました。
グレバリは7号です。

潮の流れはないような感じです。
ウキはサラシに押されて左に流れますがゆっくりと手前に寄ってきます。

京都の釣り人は4ヒロ程度のところでも、ウキを沈めて釣るといっておられます。
糸を出して行って穂先の動きでアタリをとるということです。

最初の30分ほどはボイルの付けエサは取られませんでした。
そのまま海から上がってきます。
京都の釣り人もエサは取られないといっています。

8時ごろになりウキが左ではなく前に流れるようになりました。
着けエサも時折オキアミの頭がとられます。
ようやく魚が出てきたと思いました。

エサがとられないので5ヒロにしたウキが正面に出て行って沈み始めます。
これは久しぶりのアタリです。

ウキが見えなくなって合わせますと魚が掛かりました。
手ごたえはそう強くありません。
竿を立てますと頭を振るゴンゴンとした引きが伝わってきます。
この引きはチヌです。

水面に浮いたのは40cmほどのチヌです。
ようやく魚が釣れてほっとしましたが、タモに入ったチヌは腸が腹からはみ出しています。
腹を見ますとなんだか裂けたようにも見えます。
気持ち悪いのでこの魚は放流しました。

10分ほどして、先ほどよりも少し足もと寄りでウキが入り今度は3cmのチヌが釣れました。
ようやく持って帰ることができる魚が釣れました。

 
8時過ぎに釣れたチヌ34cm

このチヌはハリをはずして活かしバッカンに入れました。
久しぶりにブクブクのスイッチを入れます。

チヌが釣れたあとはまたエサが残ります。
京都の釣り人に聞きますと今日はエサがとられないということです。
何度か根掛もされているようです。

聞きますと、いつもウキを沈めて釣っているということです。
三重県の方座浦にもよく行っておられて、グレは52cmを釣っているということです。
泊では38cmほどのグレしか釣っていないということですが、何回か糸を切られているということです。
私はよくよそ見をしますので、ウキを沈めて穂先でアタリをとるような集中力がいるような釣りはできないなと思いました。

京都の方の釣り方を見ていますと、道糸が風で押されないようになるべく竿を下げて糸がまっすぐに海に入るようにコントロールされているようです。
2週間ほど前には泊で誰もほとんどグレが釣れない中、この方は30cm前後のグレを20枚近く釣ったということですので、この釣り方で良く釣れるのでしょう。
いろんなやり方があるものだと勉強になりました。

昼頃に船が見回りに来て2時で帰ってもいいよといいましたが、われわれは最終の4時まで釣りました。

午後からは潮が沖に出だしましたが、エサがとられなくなりました。
スズメダイも見えませんしフグも釣れません。
桜は咲き始めましたが、まだまだ水温は低いのですね。

ウキはいい感じで沖のシモリに向かって流れますがアタリはありません。
ウキ下を深くすると海藻に引っかかってしまいます。
今日は朝が時合だったのでしょう。
私は3時半には道具を片づけ始めました。

港に帰りますと「三つ岩」に下りた方たちは、アテ潮で釣りにならんと言って10時に帰ったそうです。
シシ岩周辺に下りた方はチヌを釣っていました。
以前一緒に乗ったことがある釣り人は50cm近いチヌを釣っていました。

私はウキが入って魚が2匹釣れたのでまあ良かったです。
ですが、昨年に続いてマスターモデルの穂先を折ってしまいました。
サンスイ釣り具に持っていきましたら、昨年保証書を使ってしまいましたので、穂先交換で2万円ほどかかるとのことです。
チヌは釣りましたが、この先の釣運には暗雲が立ち込めています。

持って帰って食べた34cmのチヌの原価は穂先を入れて3万円以上となってしまいました。翌日3万円のチヌはムニエルとカルパッチョでおいしくいただきました。

またしても次回に期待となりました。
竿の修理できれば、また週末釣りに行こうと思いました。


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