TOP 釣行記index 次のページを読む

 上野山さんからのリポート
 「いつもの地磯で開幕戦」

  糠の地磯 (福井県)
   2009/10/12

 


いよいよ秋の磯釣りシーズンがやってきましたが、地方の景気は下降の一途をたどっているようです。
これではなかなか渡船で釣りに行く余裕は中年オヤジにはアリマセン。
この厳しい時期が過ぎればやがていいときが来るのでしょうか。
我々の世代は住宅ローンと子供の学費との2大出費があり、みなさんほんまにしんどいようです。
子供3人大学を出したという友人の話では二人同時に大学生のころの2年間は小遣い5000円ほどでやりくりしたので飲みに行くこともなかったといっていました。
なんでも子供3人大学を出すのに、4000万ほどかかったということですので当地では立派な住宅がたつほどの出費です。
住宅ローンを抱えている家では家をもう1軒分建てるのと同じくらいの出費をしなくてはならないということです。
これでは、オヤジの小遣いなどというものは果てしなく無いに等しくなるのではないでしょうか。

うちも娘が大学生なのでかなり切り詰めた生活をしておりますが、一人なので竿は買えなくとも釣には行けます。
娘が4年生の秋に最後の学費を払い終わったあかつきには、釣道具を新調したいというのが今の私の「ささやかな願望」であります。

10月の3連休の最終日の12日に7月の二木島以来、久し振りの磯釣りに出かけました。
今月は親戚の新築祝いや結婚祝いなどの祝儀の出費もあり、小遣いも少ないのでいつもの越前の地磯です。
今回もいつものように体が楽な午後の釣りとしました。
12時前にサンスイ釣具店にオキアミを予約し、エビの水槽に入れておいてもらいます。
エサを頼んだ後に3ヶ月ぶりに道具を確認します。
竿を取り出そうと思いましたら、竿袋のチャックがうごかないのでお湯をかけてチャックを少しずつ動かします。
なんとかチャックは動きました。
リールの糸は春に使ったままですが10mほど切って使うことにします。
ウキやら小物を確認して20年以上前に買ったシマノの0号の磯竿と1.5号のレイダムを竿袋に入れます。

マア、コッパグレ相手ですので0号の竿でも充分かと思いました。
足場の悪いところしか空いていないのでしたら1.5号の竿を使うつもりでした。
1時ごろにサンスイ釣具店に着きますと、晴れた3連休ということでひっきりなしにお客さんが来ます。
私は、撒き餌のオキアミ1枚に、5倍増グレ、ボイルのレンガの付け餌を買いましたので料金は1800円ほどです。
地磯ですとエサ代だけですみますので安い遊びです。
若旦那にどこに行くのかといわれましたので「いつもの糠の地磯に行くわ。グレの情報はある」とききますと「定置網には30cmほどのグレがよくはいるみたいや。それが磯にまで入っているかな。磯ではアジがどうかな。最近はアオリイカの情報しかきかんな」ということです。
どうやら、あまり磯釣に行く釣り人はいないようです。
サンスイ釣具のお客さんを見ていてもアジのサビキやら、アオリイカのエギを買っていく人が多いようです。

私は撒き餌を混ぜると越前に向かいました。
天気は晴れで北の微風です。
天気がよすぎてこれはだめだろうと思いますが、ウキを見るだけでもストレスも解消されるのではないかと思っての釣行です。
途中の海岸で海を見ますと、なんと少しウネリがあり、波が砂浜のテトラを越えています。
これは釣れるかもしれないとやる気が起こります。
無料になった河野海岸有料道路に入りますと、沖磯に釣り人が何名か見えますので杉津の渡船屋が渡しているのでしょう。
この時期、沖磯に乗って磯の周り全面をスズメダイとアジに囲まれるとなんともなりませんが、浅い地磯ではアジとグレがほぼ同じタナにいるということになり、うまくいけばアジ5匹にグレ1匹くらいの割合で釣れることもあります。

さて、有料道路を越えて越前の河野に来ますと堤防には鈴なりに釣り人がいます。
磯にもゴムボートで渡っている釣り人が見えます。
最近はアオリイカブームということで、エギを付けたリール竿を持った若い人たちが磯の周辺や道路を歩いています。

いつもの糠の地磯に来ますと、どこもポイントは空いています。
堤防は大賑わいですが、磯での釣り人は少ないようです。
道路から海を見ますと1mほどのウネリが来て少しサラシが出ています。
潮はかなり引いていて、いつも波を見て急いでわたる場所が今日は海から出ていますので楽に磯に行けそうです。
用意を済ませて磯に着くと時刻は2時過ぎです。
日が落ちるのは5時すぎですので3時間ほどの釣りですがこれくらいのほうが疲れなくてすみますし、時間が短い分釣りに集中できるように思います。

早速撒き餌に海水を加えてかき混ぜます。
撒き餌を打ちながら仕掛けを作ります。
竿はシマノの0号に道糸は2.5号です。
ハリスは1.7号を1.5ヒロほど取り、サルカンで道糸とつなぎます。
ウキは釣研の円錐ウキBで50cmほど遊動にし、サルカンとの間にJクッションをはさみました。
ハリはオーナーの剣華グレ7号が使わずにありましたのでこれを使います。

付け餌のボイルを付けて第1投です。
北風が吹きますので道糸を海面に落とします。
20mほど投げたウキがなじんで少し流れたと思いましたらスッと入ります。
合わせますと20cmを切るようなグレが釣れてきます。
これは放流します。
2投目も20cmほどのグレがつれます。
このサイズでは0号の竿でも何とか抜けます。
まだ3時前ですがグレが釣れるので、これは夕方には大きいいのが来るかもしれないとほくそ笑みます。

オーナーの剣華グレですが、ハリ先が少し内向きになっているためか、飲まれてもすべって出てきて口元に掛かることが多いように思えました。
コッパグレが多いときには便利なハリだと思いました。
ただ、服や手袋に刺さると返しがあってとりにくいので、ボイルグレのようなスレバリも使い勝手はよいように思いました。

4時を過ぎてコッパグレを20匹も釣ったでしょうか、少しいい引きで24cmほどのグレが釣れました。
一瞬もって帰ろうかと思いましたが、夕方にはもっと大きいのが釣れるだろうと思い放流します。
そのうちウキが入るのに空振りします。
沖目でウキが入ったので合わせますとグレとは違う弱い引きでアジがついてきました。
アジが回りだしたのか、釣れてくるのはアジ3匹に対してコッパグレ1匹ほどです。
また、空振りやウキがなじむ前にスーと入ってしまうアタリもありますので、実際にはアタリの回数はアジ6匹にグレ1匹くらいの割合となってしまいました。

撒き餌をうちますと、撒き餌に小魚がジャンプしてバチバチャと音を立てて群がります。
私は撒き餌を足元に打ちつけ餌を沖に投入する方法に変えましたが、沖ではアジに混じってフグも釣れてきます。
足元に打った撒き餌を見ていますと何十匹というアジが群がっています。
それでも根気よく沖にウキを投入しますと前方30mほど沖にウキが入ったときだけコッパグレが釣れます。
そこを重点的に狙おうと思い、足元に撒き餌を4杯ほどうち、そっと沖にウキを投げるとすぐにウキが入り24cmほどのグレが釣れてきます。
貴重な1匹ですがこれも放流します。
こんな小さいグレが1匹だけでは刺身にもならないし、オカズにするにも手間ばかり掛かると思いました。

次も同じように足元に撒き餌をうち沖にウキを投入しますとまたウキがすっと入ります。
今度はすぐに竿が立ちましたので小さいと思いリールをまいてきますと、魚が足元で急に突っ込み竿が伸されます。
ハリスがキーンと泣きますのであわててリールから糸を出し、これは大変とタモを出します。
0号の竿を何とか起こして掬ったのは28.5cmのグレでした。
これは、磯クールに水を入れて生かしておきました。
秋の魚ですので小さくてもよく引きますね、0号の竿ではスリル満点です。

時刻は5時過ぎです。
太陽は水平線に落ちかかっています。
いまが時合と打ち返しますがその後は沖でも連続でアジが釣れ続けました。
たまに足元にウキを落としても仕掛けがなじむ前から、アジにウキが斜めに引っ張られてしまいます。
相変わらず打った撒き餌には小魚がバシャバシャという音をたてて群がります。
5時20分ごろになり私は竿をたたみました。

グレが釣れたのは日が落ちかける時合のほんのワンチャンスだったようでした。
開幕戦では、なんとかアジの襲来を交わしてグレの顔を見ることが出来てよかったです。
鬼嫁からは家を出るときに「今日は刺身食べられるんか」と聞かれましたので、「今日は晴天なので釣れんと思うから、オカズは別に用意しておいて」といって出たのですが、何とかオカズを釣ることができました。
やはり秋の越前は地磯でも充分グレは釣れますね。
家に帰って久し振りに刺身にしたグレを食べましたら、モチモチとした食感でとてもおいしかったです。


TOP 釣行記index 次のページを読む