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 上野山さんからのリポート
 「ウキが入ったのはツバメウオの1回

  武者泊 (愛媛県)
   2015/02/18、19

 


2月18、19日と四国、武者泊にサンスイ釣具店ご主人、M君と今シーズン2回目の釣行をして来ました。
気になります天候ですが、前日の19日に太平洋側を低気圧が通り抜け、18日は北西の風という予報で、だんだんと冬型がゆるむなかの釣行予定でした。
ところが、低気圧の通過が予報よりも遅くなり18日は北西ではなく西の風となってしまいました。 

18日のいろは渡船の釣客は、高知の方2名と、昔サンスイ釣具店のお客さんで、今は金沢にお住まいというTさん、それに我々2名でした。
Tさんはもう70過ぎの方ですが、一人で金沢から四国に釣りに来るという釣りキチです。

当日は高知の方二人がガマゴウラに下り、M君は一人でガマゴウラとは湾を挟んで反対側の磯に下り、私はガマの1番、Tさんはすぐ隣のガマの2番に下りました。 

7時に磯に上がってさっそく釣りの支度をはじめます。
強い西風が吹いていますので、今日は釣りにならないかもしれないと思います。
2番では風が右から吹き抜けます。 

今日の仕掛けです。
竿は久しぶりにグレスペシャル2号を使いました。
道糸4号、ハリス4号を2ヒロ取りサルカンで結びます。
針はグレ針の8号、ウキは円錐ウキの5Bを使い、サルカンの下に4Bのオモリを打ちました。
船が出る前に、水温が15度ちょっとまで落ちてタナが深いということを船長と話しましたので、タナは4ヒロから始めました。 

ガマの1番は足元がV字になって切れていますが、右側にも2番側向きの左側にも根が張り出しています。
ウキを投入しますとウキは右に流れます。
満潮が7時半頃ですので、この時間は潮がこんでくる時間帯です。
あまりウキを流しても根の前では取り込めないので10mほど流して仕掛けを上げますがエサは付いて上がってきます。
数投しますがエサは付いてきます。
そのうちに西風が猛烈に強くなってきました。
タナを50cmほど落としますがエサは付いたままです。
そのまま少しずつタナを落としましたが、竿2本まで深くとってもエサは残ります。

8時をすぎてから、今度は、左に向かって潮が流れだしました。
左に流れますと10メートルも流すと2番から出ている根の前にウキが流れてしまいます。
根の前でウキが入っても、とても取り込むことはできないような感じです。
足元から根までの間10メートルほどを流しますがエサがとられません。
タナを竿2本半まで深くしましたが、相変わらずエサは残ったままです。
風は時折猛烈に横から吹き、ウキがなかなかつかめない状態になります。
流したウキも風に押されますので、オモリをハリスに打ちウキを沈め気味にしますが、アタリは出ません。

10時頃に竿を置いて、磯の上に上って2番のTさんにどうですかと聞きましたら、2番ではアタリがあるということで、左の根の際で3回ほど切られて、サンノジも釣れたということです。
タナは4ヒロ半ということでした。
私はタナを少し上げてみましたが、相変わらずエサは残ります。
横からの強い西風で竿を持っている手がだるくなりそうです。

2番の釣り場 釣り人ならこの風波を見るとゲンナリします。


12時前になり潮が止まったようになりました。
その時竿2本でエサがとられました。
今思えば、この時がチャンスだったかもしれません。
しかし、釣りを始めて5時間ほど1回もエサがとられない上に、横風が強くて仕掛けのタナを上げるというような元気は私にはありませんでした。
3、4回エサがとられた後は、またエサがとられなくなり、終了間際は竿2本半までタナを落としましたがエサがとられないまま、1時半となりました。
今日は1回もウキが入らずに終了となりました。
1日中風の強いなか竿を出しましたので、1時半になり道具をしまい始めましたら、なんだかほっとしました。 

港に帰りましたら、高知の2人組は正面から西風が当たったということで、釣りにならないような状態ということでした。
ですが、グレと真鯛の姿を見てからバラしたと言っていましたので、風が弱まった時に魚は掛けたようです。
M君は12時前までアタリが無かったが、12時過ぎに7ヒロからウキを沈めていてアタリがあり、サルカンまで見えたが、ハリのチモトで切れたと言って悔しがっています。
「コロダイみたいに爆発的な引きではなかったですが、底に底にと持っていく引きでした」と言っていました。
結局、誰もグレは釣れませんでしたが、皆さん1,2回アタリがあったのに、私は一度もウキが沈みませんでした。
まあ、自然が相手の遊びですのでこんなこともありますね。 

港で道具を片付けて我々はTさんと3人で1本松温泉に行き、帰りにスーパーで食料を買って仮眠所に戻りました。

6時ごろから仮眠所で食事を始めました。
3人とも強風の中の釣りでしたので、アルコールを飲んでも話は弾まずに、「フー」、「ハア」というため息のようなものしか出ませんでした。
私は7時過ぎに眠くなって布団に横になりました。

9時頃でしょうか、話声で目が覚めました。
テーブルでは、広島から来た釣り人2名が加わって話に花が咲いております。
私も起きてトイレに行った帰りに話に加わりました。
広島から来ていた釣り人のうち一人は、私が前回の釣行でチヌを釣り上げたクジラの前に、ワンドの中の磯に上がった方でしたので顔を覚えていました。
しばらく話をしていましたがM君は眠くなったということで、車のなかで寝るというので車に戻りました。
私はM君のウイスキーをもらって飲みながらしばらく話をしていましたが、11時ごろになり明日も早いということで各自布団に入りました。 

朝5時過ぎに前が覚めましたが、広島から来ていた二人組は急いで服を着替えています。
なんでも、急に仕事で帰らなくてはいけなくなったということです。

二人組が部屋を出て行ったあとで港に行きますと、ちょうど二人組が車を出すところでした。
「オキアミを使ってくださいと言って、ボイルを4枚もらいましたよ」とM君が言います。
今日はTさんと3人かと思いましたが、もう1台車が止まっていますので釣り人は4名のようです。 

明け方に雨が降りましたが、今日は風があまり当たらないようです。
今日、我々はガマゴウラに下りることになりました。
Tさんはムロバエに下りました。
もう一人の若い釣り人はガマの2番に下りました。

ガマゴウラに下りますと風が当たりません。
「昨日に比べると天国のような状態ですね」とM君と話します。


朝のガマゴウラの釣り場


今日は昨日の仕掛けと同じですが、竿は競技グレ1.5号を使いました。
先に竿を出していたM君が2回ほど流した後、潮が当たってやりにくいので奥に移動すると言って奥の釣り場に移動しました。

ウキ下4ヒロで足元に仕掛けを入れますと左に流れます。
1回目はエサが付いてきます。
向こうで釣っているM君もエサが残っているようです。
タナを30cmほど下げて再度流しますが、またもやエサが付いてきます。
昨日ここで、グレや真鯛をバラしたと高知の釣り人が言っていましたので、魚はきっといると信じて釣るほかはありません。
私は1投ごとにタナを下げて、またもや昨日に続いて竿2本まで下げましたがエサがとられません。
潮が当てて来ていますので、ウキが磯から4mほど沖にあっても、たまにハリスが足元で根ガカリするという最悪の状態が続きます。
ウキは潮に押されてドンドン潜って行きますので、かなり深いところまでエサは入っているように思います。 

10時ごろになりM君がおにぎりを食べにやってきました。
この頃からたまにエサがかじられるようになりました。
「今日もなかなかアタリが出ませんね、四国でこんなに深いタナでやるのは初めてです」とM君に言います。
そのとき道糸が走りました。
昨日から初めてのアタリです。
魚は掛かりましたが、あまり引きません。
難なく上がったのは28cmほどのイサギでした。
これはシメて持って帰ることにしました。
竿2本のタナで、ウキがかなり沈んで見えなくなって、道糸が走ってかかったのでタナは相当に深いようです。


2日目にして初めてのアタリで釣れたイサギ


その後も同じようにウキが潜るのに任せて糸を出しますがアタリはありません。
イサギは1匹しかいなかったのでしょうか。
その後もエサはたまにとられますが、ウキが入るようなアタリは出ません。

時刻は12時になりました。
イサギが1匹釣れたものの、昨日からウキは一度も入りません。
潮が当ててくるので足元で根掛かりをしてハリスも3回切ってしまいました。
集中力が切れそうですので、私は菓子パンなどを食べて休憩をしながら釣りを続けました。 

切れたハリスを張りなおしている時にM君が「潮が変わったよ」と言います。
時刻はもう1時前です。
もう30分ほどで片づけなくてはなりません。

ウキを足元に投入しますと、今まで左横に流れていたウキが左沖に流れます。
これは釣れそうな流れです。
竿2本で流しましたらエサがとられました。
エサを付け直し再度足元にウキを投入します。
左の沖に流れた赤い円錐ウキがシュンと入ります。
昨日から釣りをして2日目で初めてウキが入りました。
合わせますと強烈な引きですが、沖に向かって走るような引きではありません。
魚は底に向かって引きます。
暴力的な引きではないので、すぐにリールのハンドルを何回か巻けましたが、足元に寄って来てまた底に突っ込みますので、竿を立てる分だけレバーを緩めて糸を出します。
そのうちウキが見えてきましたが魚は強い引きで底に潜ります。
これは、再度糸を出します。
そのうち、さすがに向こうも疲れたのかウキが見えて来ました。
私は、これはグレの引きではないなと思っていました。
やがて海面に横たわったのは、縞のある魚で、初めて釣り上げるツバメウオでした。
こいつはそう大きくないのに、よく引く魚でした。
M君がタモを出してくれました。

 
 終了間際に釣れたツバメウオ 40cm


「横で見ていましたら、昨日私がバラしたのと同じ引きでしたよ。口はざらざらしていますね。私は昨日、多分飲まれて切られたと思います」とM君がツバメウオの口元を触って言います。

私は2日間で初めてのアタリを見逃さなかったことと、40cmとはいえ引きの強い魚を釣り上げましたので、少し満足いたしました。 
この魚はハリを外して放流いたしました。

その後はいい感じで潮が流れますがエサが取られるばかりで、やがて終了の1時半となりました。
M君は、今日結局1度もアタリが無いということでした。
私は結局2日間釣って、ウキが入ったのはツバメウオの1回だけでした。 

港に帰りましたら、Tさんはサンノジ2匹だけということでしたが、私たちの横のガマ2番に乗っていた釣り人が46cm前後のグレを3枚持っていました。
我々の釣り場は1時まであて潮で釣りにくかったですが、2番はそうでもなかったようです。
昨日も2番ではアタリがよく出たようでしたので、1日中引き潮の時は2番がいいのかもしれません。 

Tさんはもう1日釣るということで、このまま武者泊に残るということになり、私とM君は船長に挨拶をして、今回もそそくさと港を後にいたしました。
「ここに来てから、こんなに釣れなかったことは初めてです。
武者泊で、氷を捨てて空のクーラーで帰ったことは今までなかったと思います。
昨日バラシタやつは、もしかすると大型オナガグレかもしれないと思いましたが、どうやら私のも同じ引きでしたのでツバメウオのようです。
上野山さんが釣り上げてしまって夢を砕かれてしまいました」とM君もボヤいています。
そして、「ウーン今が最悪とすれば来週は良くなるかもしれません。よし、来週も行こう」とあくまでも前向きなM君です。 

私は3月初めには、いろいろ用事があり、この後はしばらく釣りに行けません。
今回で今シーズンの寒の時期の釣りは最後ですが、最後はいつものようにグレボーズとなってしまいました。
次は4月の若狭のチヌ・グレからスタートです。

今回も、いつものように「次回こそグレを釣ったというリポートが書けるとよいのですが」という、おなじみの締めくくりの言葉となってしまいました。


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