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 上野山さんからのリポート
 「すぐ隣で釣って明暗を分ける

  武者泊 (愛媛県)
   2018/01/15

 


1月15,16日は1年ぶりに三水釣具店のご主人(以下M君)と愛媛県の武者泊に釣行いたしました。
天気予報は、14日に張り出した高気圧がゆっくりと抜けて次の低気圧が16日の午後から接近するということですので、何とか2日間は釣ができるのではないかということです。

出発は14日の日曜日の3時頃といたしました。
前日、北陸地方は大雪となり福井では積雪70cm、敦賀も30cmほどの積雪となりました。
釣具店も暇だろうということで日曜日ですが午後3時の出発といたしました。 

3時になりM君が家まで迎えに来てくれました。
今回は2人ですが1泊2日となりますと氷やエサなど荷物はかなり多いです。
二人でボイルのオキアミ8枚に2日分の磯クーラーの氷を用意いたします。
M君のボルボのワゴンの上にジェットパックを着けて、その中に竿袋やらライフジャケットを詰め込みます。

車は快調に161号線を走り、まず淡路島に向かいます。
淡路島には7時頃に到着してサービスエリアの食堂で食事を済ませます。
そのあと、私は車の中で寝ていたのですが、目が覚めるともういつものコンビニの近くでした。
コンビニでは翌日の朝食と昼ご飯を買います。 

いろは渡船の仮眠所には11時ごろ到着いたしましたが、奥で1人が寝ているだけでした。
我々は少しお酒を飲んで、すぐにまた眠りにつきました。
朝は出船が6時40分ということですので目覚ましは5時40分にかけました。 

朝起きて着替えを済ませて港に行きますと、今日のお客さんは我々を含めて7名ということです。
1週間前のいろは渡船の釣果報告では、大会でグレが68枚釣れたということですので、我々はこの分ではグレは持ち帰れなくて放流するほど釣れると思っていました。
M君とは港で「明日も釣るので、今日釣ったグレは全部放流したほうがいいのではないでしょうか。どうせ持って帰るなら新鮮な方がいいですよ。まあ5匹も持って帰れば充分でしょう」などと言って、グレはもう釣れるものだと我々は確信しておりました。 

天気はほぼ無風で、空は晴れて星空が広がっています。
放射冷却で空気が冷えて、手が冷たくなってきました。
6時半になり船長が船のエンジンをかけて各自船に乗り込みます。
やがて船はスローで港を出ますが方向が奥ではなくて、手前の野地島方面のようです。

私はここで嫌な感じがいたしました。
というのも、私は今まで3回野地島に上がって30cmほどのグレを1匹釣っただけ、2回はボーズという不吉な磯なのです。
でも、1週間前にグレの大釣があったということですので、今日は何とかなるかもしれないと思いました。
この時は「先週は良く釣れましたがね」という、渡船屋の常套句のようなものがあったことなど頭の片隅にもありませんでした。 

10分ほど走って、船は野地島の船着きに着けます。
Mさんたちここは別の2人が下りるし、フタゴも常連さんが下りるので、あんたたちはこの奥の磯の『シモリの岡』ではどうかね。あそこも釣れるよ」と聞いてきます。
私は「シモリの岡」なんて聞いたことが無い磯ですし、野地島に3回乗りましたがそんな奥の磯に釣り人が乗っているのを見たこともありません。
これはかなりなB級磯かもしれないと思いましたが、相棒のM君は磯選びに関しては与えられた運命を受け入れるだけという、悟ったような人ですので我々は船長の勧めるどう見てもB級磯の「シモリの岡」に上がりました。
 

野地島「シモリの岡」 船着きは向かって左側 我々は磯の右側で竿を出しました


「シモリの岡」は低い磯で、横に長い磯です。
船から磯に降りるとフタゴに上がる常連さんから、「左側がいいですよ」と声を掛けられて、我々は荷物を30mほど運びました。
朝からの重労働で息が上がります。
まだ海の中がよく見えませんが、あまり足元に根が出ていないところに釣り場を定めました。
初めての場所では、やってみるまでは分かりませんね。

「シモリの岡」 朝日の中で竿を出すM君。


今日の仕掛けです
竿はがまかつアテンダーUの2号、リールはシマノのレマーレ、道糸4号、ハリス4号をサルカンでつなぎます。
ウキは釣研の3Bの中通しウキでハリはザロックの7号です。
ハリスを2ヒロ取りまずはウキ下2ヒロ半でスタートです。
この日は朝7時が満潮ですので、今日は引き潮を釣ることになります。

開始したのは7時過ぎですので、予想通り潮止まりのようでウキは動きません。
しばらくして仕掛けを上げますとエサが着いています。
私は50cmほどタナを深くしてまた足元にウキを投入いたしました。
ウキはサラシに押されて少し左前に行くようですが潮は流れているように思えません。

2投目もエサが着いてきます。
私はだんだんタナを深くして4ヒロにしましたがエサはとられません。
M君に聞きますと5ヒロまで落として足元でエサがかじられたということです。
エサが取られないということは水温が低くてエサトリの活性が低いのかもしれません。
今日は苦戦しそうな感じです。
私は潮が動き始めればグレが食うだろうとまだ気楽に構えておりました。
私も4ヒロ半まで仕掛けを深くしてようやくエサがかじられました。

やがて時刻は8時を回りました。
「オッきたよ」という声で横を見ますとM君の竿が曲がっています。
殆ど糸を出さずに取り込んだのは50cmほどのグレです。
私は、今日何匹グレが釣れるのだと思いました。

足もとの根の際に投入した私のウキも入ったような気がしましたので合わせますと何か魚が掛かったようです。
最初は根掛かりのような感じですが、引っ張りましたらドヨーンと上がって来ます。
「アアーこれはあの魚かもしれない」と思いましたら、やはり予想通りウツボがくねくねとハリスに絡まりながら浮いてきました。

「俺はヘビやった」とM君に声を掛けます。
1匹目に釣れた魚がM君は50cmのグレで私はウツボとはあまりにも差がありすぎです。
やはり野地島は私にとっては方角が悪いようです。
ウツボを釣って暗雲が垂れ込めました。


 

8時過ぎに50cmのグレを釣ったM



その後はM君も私もアタリがありません。
潮は左に行きだしましたがはっきりと流れているようには思えません。
ウツボを釣った後はエサが取られなくなりました。
9時ごろには1匹釣り上げて余裕のM君は私の後ろに来ておにぎりを食べています。
「初めての磯ですがやはり磯際狙いで来ましたよ。潮が流れませんが何度かサソイを掛けたらウキが少し入りました。半信半疑で合わせましたらグレでした」と解説までしてくれます。
私はエサも取られなくなり仕掛けを深くして竿2本までウキ下を下げましたがエサはとられません。
どうも上がってくるオキアミが冷たいように感じます。
「これだけ深くしてもエサが取られないともうお手上げですね」とM君に言いました。
いったい1週間前のグレの大釣はなんだったのでしょうか。
船に乗る前に「今日釣れたグレは全部放流だ」などと思いあがったことを言ったのがこの不幸に結びついているのでしょうか。
この時ようやく「先週は釣れたけどね」という船頭の常套句が思い出されました。 

やがて何も起こらずに11時ごろになり、深いタナで釣っていたために道糸にヨリが出てきてしまい結び目ができてしまいました。
私は竿を磯において道糸を20mほど切りました。
磯に座って仕掛けを直しながら、ふとウツボを釣ったのでパーフェクトボーズは逃れられたのかと思いましたが、こんなことを思うこと自体もう釣れる気がしないということです。

今日は晴れて風がないので日差しがあると暑いくらいです。
私はカッパとダウンジャケットを脱ぎました。
M君もカッパの上は脱いでいます。
大雪の中を出てきましたので春のような天気で釣りができるのは幸せなことです。 

最初は大物が掛かった時に備えて立って釣りをしていましたが、エサも取られないという状況ですので私は磯に座って釣りをしました。
12時を過ぎて潮が右に流れだしました。
今度は満潮に向かっているようです。
これは釣れるかもしれないと気合を入れ直して釣りを始めます。
右隣の船着きの磯でもタモを入れていますので魚の活性が上がったのかもしれません。
竿2本のタナで流していたウキが流れに押されて沈んでいき見えなくなります。
こんな時は魚が食う時です。

ウキが見えなくなってしばらくして合わせを入れますと何か魚が掛かっています。
ですが、手ごたえは小さい魚のようです。
竿を上げて手元に飛んできたのは10cmほどのガシラです。
今日はアカン日のようです。


久しぶりに釣れたガシラ



M君には2匹目が釣れたよと自慢しましたがむなしい限りです。
潮の流れが良くなったためかエサも取られるようになりました。
私はウキ下を50cmほど上げました。
足もとに投入したウキが前に出て行き沈み始めました。
50cmほどシモッタところで沈む速度が速くなりましたので合わせますと魚が掛かりましたが、これもグレの引きではないようです。
あまり引かずに上がって来たのは30cmほどのイガミでした。

 

1時ごろ釣れたイガミ


釣れたイガミは放流いたしました。
私がイガミを外してしばらくしましたらM君の竿が曲がります。
「タモを入れようか」と声を掛けましたら自分で掬うということです。
M君が取り込んだのは、またまた50cmほどのグレです。
「今日はこれで満足です。朝と同じ足元で釣りました。朝釣ってから6時間たったのでもう1匹くらい来るかなと思いましたよ」と余裕の発言です。


 

2匹目のグレを取り込むM君 今日は50cm2匹だ

私は1時半まで立ったまま熱心に釣りをしましたがその後はウキが沈むことはなく、1日目の釣りが終わってしまいました。
野地島の神様は「初釣りですので30cmのグレでよいので釣らせてください」いう遠方からの釣り人のお願いは聞いてくれませんでした。

本日の釣果はM君が50cmのグレ2匹、私はウツボ、ガシラ、イガミを釣りましたが初釣りがグレボーズという不吉な出だしとなってしまいました。
M君の釣果を見ると完封負けは逃れましたが50対1のスコアで4回コールドゲーム負けしたような試合結果でした。
M君の釣り上げたグレは港で測りましたら2枚とも49.5cmでしたが、釣り上げてからシメて氷で冷やしていましたので釣り上げたときは50cmあったでしょう。

こうして武者泊の初日の釣りは終了いたしました。
M君と私はすぐ隣で釣っていましたが明暗を分ける結果となってしまいました。
港に帰った後は一本松温泉で疲れをいやして、いやボーズをいやしました。
帰りに松岡漁具に寄って明日もタナが深いと思い釣研の5Bのウキを2個買いました。
仮眠所ではM君と酒を飲んで話をしましたが疲れていたので7時過ぎには寝てしまいました。
まあ、明日に期待ということです。

久しぶりのボーズ釣行記となりました。


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