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 上野山さんからのリポート
 「記録更新」

  泊 (福井県)
   2018/04/22

 



4月22日はFさんと久しぶりに若狭湾の泊に磯釣りに行きました。
昨年の春は一度も若狭で竿を出さなかったので、泊の大谷渡船には2年ぶりです。

Fさんは、4月20日の金曜日に若狭大島に行き43cmのグレを2匹釣っていますので、日曜日も若狭大島に行こうと思ったということです。
しかし、Fさんの話では金曜日に帰る時に船長と話しましたら、日曜日の予約については、金曜の時点で40人ほどの予約を聞いているので、もうこれ以上は受けられないということです。
今年は魚の釣れだすのが全体に早くて、若狭大島ではグレ、チヌ、真鯛がよく釣れているということですごい人気のようです。
Fさんと同じ磯に乗り合わせた釣り人も40cmのグレを釣っていたということですので、若狭大島では今年はいい型のグレが釣れているようです。 

Fさんと相談した結果、時間の融通のきく、いつもの泊の大谷渡船に行くことにしました。
泊でも40cmのグレは釣れているようです。
前日に電話をしますと、「明日は2番船になら乗れるかもしれない」ということです。
「明日は二人で行きます」といいますと「二人なら10時ごろに出船の3番船でよいか」といいます。
いつもは12時の昼の見回りで出ることが多いので3番船でも私は十分でした。
泊は磯の数が多いので、まあどこか釣り場があるでしょう。
ただ、大グレが出ることで人気磯の「ヒナダン」、「ナガサキ」は3番船では乗ることは無理です。 

Fさんとは8時にサンスイ釣具店で待ち合わせしました。
私は日本海側の釣りということでハリス1.75号を買いました。
Fさんの話では、まだ水温が低いためかグレは40cmでもそう引かないので、ハリスは1.75号で十分ということでした。
オキアミ3枚を二人で分けて私は5倍増グレという集魚剤も買いました。
まだ時間に余裕があるので、少しサンスイ釣具のご主人と雑談をしていましたが、晴天の日曜日ということでゴカイなどを買いに来るお客さんが途切れません。

今日は敦賀の気温は、4月というのに27度になるということですので朝から強い陽射しです。
私は一応カッパを持ちましたが、家にいても暑いのでシャツ1枚で釣りに行くことにしました。
今日の天気予報では熱中症の注意情報が出ています。
2ヶ月前の四国では、カッパの下にダウンのジャケットを着て釣りをしたのが嘘のような気温の変化です。 

途中コンビニによって飲み物を2本と昼食を買って10時には大谷渡船に到着しました。
事務所の前に軽トラックが止めてありましたので、船長に挨拶をして車に荷物を載せます。
「今日はこのところ暑い日が続いたためか、もう赤潮が出ています。ヒナダンのアタリはひどいです」と船長が言います。
これはいきなりのカウンターパンチです。
Fさんと顔を見合わせて、これでは今日は期待できないなという気持ちになりました。 

船長は10時過ぎに我々2人だけ乗せて出港いたしました。
この渡船屋は本当に時間の融通はきいてくれますのでありがたいです。

港を出て「三つ岩」を過ぎますとうすい赤潮の帯があります。
「奥はこんなものではありませんよ」と船長が言います。
「夫婦ガメ」のあたりでは赤潮が広がり、磯全体が赤い海の中にあるような感じです。
この時期にこんな赤潮は見たことがありません。 

「今日はどこに上がりますか」と船長が聞いてきます。
「ヒナダンのあたりの磯は満杯ですか」と聞きますと「千畳」が空いているし「長崎」の奥の「小滝の鼻」も空いているということです。
我々は「ヒナダン」の横の「千畳」に二人で上がることにしました。
ここはそれほど赤潮が流れてきていないようです。

 
千畳の釣り場 沖に赤潮が見える 活かしバッカンを持ってきたので荷物が多い


 
左隣のヒナダン 赤潮がすごい


磯に渡り一段高いところに道具を下して、マキエの用意をしてタモを組み立てます。


今日の仕掛けです。
竿はガマカツのアテンダー1.5号、リールはレマーレ、道糸は2.5号、ハリスは1.75号です。
サルカンを使って道糸とハリス二ヒロ半を結び、サルカンの上にフカセウキゴムを着けます。
3Bのオモリをウキゴムの下に噛みつけます。
ウキは釣研の小ぶりの3Bの円錐ウキです、ハリは半スレのグレバリ6号です。
ウキ下は3ヒロ半でスタートしました。
Fさんの話では、前回の若狭大島では生のオキアミでしか釣れなかったということでしたので、今日はマキエからオキアミを取って刺しエサに使います。 

四国ではハリス4号でやっていましたので、ハリス1.75号ですと妙に細く感じます。
「こんな細いハリスではすぐに切れませんかね」とFさんに話しましたが、私は昔ハリス1.75号で67cmの真鯛を釣ったことを思いだしました。
その時のことは「2005年のぐれねっと釣行記NO108大鯛とのやりとりはスリリング」でレポートしています。
13年前の釣行記での鯛を持った写真を見ますと、私は髪の毛もまだ黒くて若かったなと当時が思いだされます。 

さて、我々の磯ですが磯の20mほど沖に大きなシモリがあるのでそこの周りがポイントのようです。
私は根の左側にマキエを打ち、根のギリギリに仕掛けを投入しました。
釣り始めたのは11時前です。
潮はゆっくりと左に流れています。
偏光グラス越しに海の中を見ますと、マキエにはエサ取りは出てこないようです。
4mほどゆっくりとウキが流れましたので私は仕掛けを上げました。
エサが着いたままですので30cmほどウキ下を深くします。
2投目も5mほど流して仕掛けを上げますとエサの頭がかじられています。
Fさんはウキを沈めて足元を釣っているようです。
「足元から前の根まではかなり深くて7ヒロ以上あるのではないか」といって言っています。

3投目に仕掛けが馴染みウキが1mほど流れたところで、ゆっくりとウキが入ります。
このアタリは何の魚かなと思いながら合わせますと、30cmほどの魚の引きです。
ゆっくりと浮いてきましたのはグレです。
30cmほどに見えましたので抜こうと思いましたら、意外と重いのでFさんの前に魚を持って行ってタモを入れてもらいました。
これは33cmのグレでした。
活かしバッカンを持ってきていましたので、活かしバッカンに魚を放り込みます。

 
11時過ぎに釣れたグレ 33cm


その後26cmほどのグレを追加しましたが連続ではグレは釣れません。

足もとにマキエを入れてもスズメダイが浮いてきませんので、切れ込んだ足元でも釣れそうな感じはします。
私は沖の根の周りと、足元の磯から30cmほどのところを交互に仕掛けを入れました。
沖をウキが流れているときも足元にはマキエを打ちます。
Fさんの話では足元はかなり深いようですが私は3ヒロ半のままで仕掛けを入れました。
沖の根の周りではエサがなくなりますが足元ではエサが残ってきます。
潮の色はグレが釣れた時からだんだん良くなり、潮は澄んできました。
潮は右に行ったり左に行ったりしますが、グレは左に流れたときに釣れました。
12時を過ぎて潮は弱く左に流れだしました。
私は相変わらず沖と足元と交互に仕掛けを入れました。
12時の見回りに来た船長には釣れそうなので最終の6時半までやると言いました。 

足もとから50cmほどのところにウキを落とし、仕掛けが馴染んだ時にスーと気持ちよくウキが入ります。
これはいいアタリと合わせますと竿が引き込まれます。
糸を出すほどの引きではありませんのでアテンダーを曲げてゆっくりとやり取りをします。
魚はヒナダン側に走りますが竿でタメて徐々に浮かしました。
やがて海面に上がって来たのは良型のグレです。
上から見ると大きく見えましたのでタモを持ってきてくれたFさんが「これは44cmほどのグレではないの」といいます。
ここでしくじってはなるものかと、私は慎重にゆっくりと魚をタモに誘導しました。
やはり水温がまだ低いためかグレはそう引きませんでした。
このグレは港で測りましたら40cmジャストでした。
私は日本海側で今まで釣り上げたグレの最大は37cmでしたので、3cm記録更新となりました。
「今日はこれでもういいですわ」と私はFさんに言いましたが時間はまだ1時前です。
もう1匹40cmオーバーを釣るチャンスはあります。

 
日本海側では初めての40cmのグレ。釣れた時間は12時半頃です。

私はおにぎりを食べて休憩をして、活かしバッカンの水を替えました。
気温が27度近いのでバッカンの海水の温度がかなり上がっていました。

1時過ぎにFさんの竿が曲がりました。
ウキを沈めて釣っていたので少し時間がかかりましたが、上がって来たのは35cmほどのチヌです。
「タナいくつで釣れたの」と聞きますと、「ウキを沈めているのでタナはわからんけど6ヒロ以上だと思う」という答えです。
Fさんの釣り方はウキを投げた後は、行って来いという感じの釣り方ですが、道糸をPEの0.8号にして小さなアタリも道糸の動きでとっているということです。 

私は2匹目の大グレが来ないものかと、足元にウキを投入しますがなかなかいいアタリは来ません。
この頃からスズメダイがマキエの周りに群がりだしました。
潮が良くなったこととお昼を過ぎて水温が上がって来ているのかもしれません。
私はスズメダイ用にマキエを打ち、少し離れたところに仕掛けを入れるというやり方でスズメダイをかわしました。
スズメダイの動きがまだ遅いので、この釣り方で着けエサは下まで落ちるようです。 

私はエサが取られない時間が続きましたので少しウキ下を下げてタナを4ヒロとしました。
時刻は3時前になり、久しぶりのアタリで、足元でウキが入っていきます。
前回のグレとは違いウキの入る速度はゆっくりです。
今度はすぐに合わさずに一呼吸おいて合わせます。
合わせますと、今回のほうが竿を引き込まれます。
Fさんが「同じようなグレかな」と声をかけてきます。
私は2匹目の大グレかと慎重に魚を浮かせますが、強い引きで竿をのされそうになりレバーを使ってリールを逆転して少し糸を出しました。
この魚もヒナダン側に走りましたが浮かしてみるとチヌでした。
「これはチヌでした」と私は言って強引に魚をFさんの前まで誘導しました。
このチヌは良く引きましたがサイズは41cmでした。

 
3時前に釣れたチヌ 41cm


同じような大きさの魚が2匹釣れましたが今日はチヌのほうがよく引きました。

この魚も活かしバッカンに放り込みました。
その後はまた潮が赤潮で濁ってきましたので釣れない時間が続きます。 

「釣れますか」と後ろから声を掛けられて私はビックリしました。
声をかけてきたのは右側の「千畳のチョボ」で釣っていた釣り人が歩いてきたようです。
「グレとチヌは釣れましたよ。足元で40cmが出ました」と私は答えました。
釣り人は「向こうはエサ取りがすごくて手に負えません」と言います。
そして私の竿ケースの名前を見て「上野山さんの釣行記は読んでいますよ。いろいろなところに行っていますね」と声をかけていただきました。
「ぐれねっと」をチェックしている釣り人はたくさんいるのですね。
私の釣行記は年に10回ほどですが、みなさん月に何度かは「ぐれねっと」を見に来ているのでしょうね。

期待にお答えするには何度も釣りに行かなくてはいけませんが、60歳を過ぎましたので釣りに行く体力気力が衰えて来ています。
今後大きい魚を釣りたいという欲もなくなっては、もう釣りにいかないかもしれませんね。
何とか残りの釣り人生で50cmオーバーの尾長グレと、若狭湾で40cmオーバーのグレを釣りあげるということを目標に頑張ろうと思っていましたが、今日で目標の一つは達成してしまいました。 

今日は弱い北風が吹いているものの、波ひとつない池のような海です。
こんな静かな海で釣りをするのは久しぶりです。
Fさんと着けエサが残るかとか、釣れたタナの話をしながら釣りますので楽しい1日でありました。 

3時をすぎて、Fさんは「沖の潮はゆっくり右に流れている」と言って30mほど沖にウキを遠投して28cmほどの真鯛を釣りました。
「潮が流れているので、道糸をゆっくり出していって緩んだ道糸が張った時がアタリです」ということです。
Fさんは続けて30cm前後の真鯛を2枚追加しました。
その後潮が緩むとFさんにもアタリが出なくなりました。
潮は右に行ったり左に行ったり、止まったりとはっきり致しません。
私はタナをいろいろ変えましたがアタリは出ません。 

夕方になりますとアタリは無くなりましたが、5時頃にお互いに28cmほどのグレを1匹ずつ追加してその後はエサが取られたり残ったりしながら、たまにガシラが釣れて納竿の時間となりました。
魚の始末がありますので、我々は6時過ぎには竿を片付けました。

最終の船に乗ったのは我々を入れて6人でした。
事務所の前で船長に「40cmのグレを釣ったよ」といいましたら、お客さんが検寸台を出してきました。
「上野山さん39cmでは許しませんよ」と船長が冷やかします。
「シメて氷に浸けていたので1cmほどは縮んだかもしれません」と言いながらおそるおそる台にグレを乗せましたら、ちょうど40cmでした。 

船長に「今日はお客さん何人ですか」と聞きましたら「今日は18人です。でも今日40cmのグレを釣ったのは上野山さん一人だけです。一番あとから来て釣り上げるとは運がよかったですね」と言われます。
今日はマグレでグレが釣れたと思いますが、今シーズン初めて泊に釣りに来て、18分の1の確率で40cmのグレを釣ったということはすごいことですね。
若狭湾で大グレが釣れているうちに、もう1匹40cmオーバーのグレを釣りあげて、記録更新をしようと意気込む私でありました。

 
今日の釣果グレ40cm、チヌ41cm



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