TOP 釣行記index 次のページを読む
上野山さんからのリポート
「4年連続若狭湾で40pオーバー」
泊 (福井県)
2025/04/22
|
 |
4月18日に泊に釣りに行き、グレボーズの後で日曜日にサンスイ釣り具店にエサ代金を支払いに行きますと「今度の火曜日は店を休んで釣りに行くかもしれない」とご主人が言います。
ご主人は昨年ひざの手術をしたので、平らな足場の良い磯しか釣れないということです。
しかも座って釣ることができる磯を希望ということです。
これは普段世話になっているサンスイ釣り具の御主人のためと思い、私は早速泊の大谷渡船に電話をしました。
これで金曜日に仕事を休んだのに続き、火曜日も仕事を休むことになりました。
これは、釣りに行きたいからではなく、世話になっているサンスイのご主人に付き合うためであります。
釣りに行くとなると、ご主人の友人のMさんも行くということです。
この方も70代半ばで足場の良い磯が希望です。
大谷渡船に「サンスイ釣り具の御主人が手術後初めての磯釣りなので、二人足場の良い磯に下ろしてくれないか」といいますと「それなら千畳に二人で下りたらいいわ」といいます。
私は「それなら私は、千畳のハナに下ろしてほしい」といいました。
「それでええよ」と船長が言います。
これで船長の計らいで3人ともに泊では大グレの出る磯で釣ることができます。
以前も書きましたが、サンスイ釣り具店のご主人は高校生の頃に46cmのグレを釣って以降は日本海では40cmオーバーのグレは釣っていません。
推測ですが日本海での大グレ狙いでは、彼は210連敗以上しているのではないでしょうか。
数年前には、泊の長崎でサンスイご主人の隣の釣り人が40cmオーバーのグレを釣り、自分は釣れなかったこともありました。
私と二人で長崎に下りたときは、ご主人はハリス切れのバラシ、私は40cmオーバーのグレを釣ってご主人に記念写真を撮ってもらうという、彼にとっては悔しい思いを何度もしています。
捲土重来を期して、今度こそサンスイご主人には大グレを釣り上げて、積年の思いをかなえてほしいものであります。
前日に道糸のヨリを直そうと思いヨリを取っていますと、端から30mほどのところに前回大物が掛かって糸を出した時の擦れた傷がありました。
せっかく30mもヨリを取ったのにと思いながら擦れた場所から下は道糸を切ります。
今度大物が掛かってまた60mほど走られたら道糸がなくなりそうです。
釣の前日に道糸を点検したことは吉と出るでしょうか。
4月22日は3人で1台の車に乗り泊に向かいました。
今回は運転しなくてよいので楽です。
サンスイご主人は「今日は30cmのグレが1匹釣れればよいです」と殊勝なことを言っていますが本心はどうでしょうか。
使うハリスは2.5号ということですので30cmのグレには太いと思いますが・・・
5時ごろに泊につきますと、前回話をした磯研のYさんが待っていました。
「今日はどこで釣るのですか」とYさんに聞きますと「船長が下ろしてくれるところ」といいますが、事前に船長に聞いた話ではどうも「ヒナダン」で釣りをするようです。
この磯も大グレの出るA級磯です。
6時出船と言っていましたが人数がそろって、5時40分ごろに港を出ます。
「カメの裏」に一人を下ろして「ヒナダン」にYさんを下ろします。
次は私の番です。
無事に「千畳のハナ」に下りますと、磯の裏側に行ってサンスイご主人とMさんの渡礁を見守ります。
二人が無事に磯に下りたのを見て手を振って合図します。
今日は曇りのち晴れで南東の風です。
風はお昼ごろから強くなる予報です。
海は昨日のウネリが少し残っていてサラシが出ます。
青い海の色を見ても釣れそうな感じがいたします。
私が下りた「千畳のハナ」では5年前にも、私は42.5cmのグレを釣り上げています。
ぐれねっと釣行記No248「電光石火の判断で若狭へ グレ42.5cm」のレポートがあります。
読み返してみますと、このころ泊の渡船は朝8時ごろの出船でしたので、今よりも釣る時間は短かったのですね。
その日は昼過ぎで撤収予定でしたので、4時間ほどの釣で大グレを釣ったのですね。
初めて泊で40cmのグレを釣ったのもこの磯です。
この磯は私にとって相性の良い磯です。
今日の仕掛けは前回と同じです。
ウキはピースマスターの3B、サルカンを挟んでハリスに2Bのオモリを打ち、ハリスの中ほどにジンタン5号を打ちます。
ハリスは2.5号でハリは7号です。
着けエサはボイルのオキアミです。
マキエを打ちながら仕掛けを作っていますと、マキエはゆっくりと右に流れています。
潮が流れるということは魚の活性もあると思います。
タナを竿1本半として、ウキを足元に落とします。
3mほど仕掛けを流してから上げますとエサがついています。
エサがついてきたので40cmほどウキ下を下げます。
2投目もエサがついて上がってきます。
Yさんの話では「タナは3ヒロから4ヒロで30cmほどのグレは釣れるよ」ということでしたので、エサがとられないということが解せません。
水温が急に下がったのでしょうか。
竿2本近くまでウキ下を下げて、ようやくゆっくりとウキが入ります。
合わせると何か小さな魚が掛かりました。
上がってきたのは8cmほどのスズメダイです。
小さな口に7号のハリを咥えています。
まあ、スズメダイがいることはわかりました。
その後はゆっくりとウキが入っても空振りします。
これは、スズメダイがエサを咥えて引っ張っているものと思います。
アタリがないとオキアミの頭がとられています。
切り口がスパっと切れていないのでスズメダイが齧っているようです。
私は足もと狙いをやめて少し左沖にもウキを投入しました。
この磯の右前には大きな根がありますので、根の左側を釣ることになります。
マキエを投入すると足元ではスズメダイが浮いてきますが、左沖ではスズメダイは出てきません。
時刻は8時ごろになりました。
今日は3時までの釣ですので時間はあります。
左側を向いて、竿3本ほど沖にウキを投入します。
仕掛けがなじみますとユックリとウキが入っていきます。
これはスズメダイのアタリと同じです。
合わせますと魚が掛かりましたがそう大きくはありません。
釣れたのは久しぶりのグレですがサイズは28cmです。
これしか釣れないかもしれないと思い、私は活かしバッカンに魚を入れました。
 |
8時過ぎに釣れたグレ 28cm
|
グレが続くかと思いきや、またエサがとられない状態が続きます。
私は左沖と足元と両方マキエを打ち、交互にウキを投入しますがアタリは出ません。
あまりに釣れないので休憩をしておにぎりを食べます。
釣れない時間が続いて時刻は10時半ごろになりました。
何も釣れないので、気分転換にハリスを細くしてみようと思いました。
ハリスを2.5号から1.75号に細くして、ジンタンをハリスの真ん中に打たずに、サルカンの下に着けた2Bのオモリの上に打ちました。
そしてハリスを2ヒロ半ほどと長く取りました。
ハリは軽めの7号です。
この仕掛けですと、より自然にエサが落ちていくと思ったからです。
これで釣れなければ仕方がありません。
ハリス1.75号を使うのは久しぶりです。
このハリスは2年ほど前から使っているので強度は大丈夫かなと思ってしまいます。
この仕掛けに変えてもアタリは出ません。
左沖と足元に交互にウキを投入します。
タナは竿2本ほどです。
1時間ほどして左沖でゆっくりとウキが入ります。
またスズメダイのようなアタリです。
合わせますと今度は少し大きな魚です。
やり取りの途中で頭を振りますのでチヌのようです。
ハリス1.75号ですので無理をせずに寄せてきました。
タモに入ったのは42cmのチヌでした。
このチヌは銀色をしたきれいなチヌでした。
 |
チヌ 42cm
|
チヌも活かしバッカンに入れます。
グレを釣ってから3時間たって、ようやくチヌが釣れました。
この間、私の近くには魚がいなかったということでしょうか。
なかなか魚が釣れないので、マキエを打ってエサを落とすという動作の繰り返しで、今日はまるで修行のような釣りです。
チヌを釣った後もエサが残ってきますので、私はお菓子を食べたりして休憩しながら釣りを続けていました。
時刻は12時になりました。
このころから風が強くなってきました。
水温が上がったのでしょうか、スズメダイが海面近くまで浮いてきました。
左沖にウキを入れますと、またゆっくりとウキが入ります
合わせますと掛ったのは小さな魚です。
上がってきましたのは15cmほどのガシラです。
ガシラは放流しましたが、ガシラが釣れるということは終了かもしれません。
昼頃から潮はゆっくりと隣のヒナダン方面に流れだしたようです。
20分ほどしてまた左沖でゆっくりとウキが入ります。
またガシラかと思い合わせますと今度は10cmほどのベラです。
ヒナダンで休憩していたYさんが「どうや釣れるか」と聞いてきましたので「チヌを釣りましたが、エサが残ります。タナは竿1本半以上です」と大声で答えます。
データ重視のYさんは、今日ヒナダンで釣れたのでしょうか。
1時前になり風がますます強くなってきました。
マキエのバッカンが飛んでいかないように磯クーラーと紐で結びました。
あとは風にあおられて磯から落ちないように注意しなくてはなりません。
1時を過ぎますと、沖向きにウキを投入しても風で道糸があおられてウキが素直に流れなくなりました。
仕方がないので左沖よりももう少し陸寄りのワンドの中を釣ることにしました。
ワンドの中はシモリも見えませんので、魚がいるように思えなかったのですが、仕掛けが入る場所はここしかないと思いました。
この時もウキ下は竿2本です。
少し浅くしたほうがよいかなと思いましたが、もう面倒くさいのでタナは竿2本のまま陸寄りにウキを投入しました。
ウキを入れた後は道糸が風にあおられないように竿の穂先を海に沈めます。
仕掛けがなじみ少しウキが流れますとウキがユックリと入ります。
合わせますと小さな魚の引きです。
今度も10cmほどのベラが釣れてきました。
時刻は1時20分ごろになりました。
エサを着けなおして同じところにウキを投入します。
また、ウキがユックリと入ります。
ひと呼吸おいて入ったウキが小さく見えるまで待ってから合わせます。
合わせたとたんに竿が大きく曲がります。
これは大型のチヌかと思いました。
重い魚の引きを竿でためてゆっくりと寄せてきます。
チヌにしては頭を振りません。
もしかすると大グレかもしれないと思いました。
これは、決して急いで寄せてはいけません。
ユックリと足元まで寄せてきますと魚は足元の根に突っ込みます。
竿を引き込まれますので、竿を立てる分だけブレーキを緩めて糸を出します。
魚の引きに対して竿を反対側の沖に突き出すようにして耐えます。
一瞬ハリス1.75号で持つかなと思いましたが、糸を出して切れるよりは耐えて切れたほうが良いと思いました。
私は磯際にしゃがんで竿を右沖方向に倒して引きに耐えました。
この突っ込みをこらえましたら、リールを3回程巻けました。
これで魚はだいぶん上がってきました。
しかし手ごたえからすると魚はかなり大きそうなので油断は禁物です。
竿でゆっくりと何度か起こして、魚はもう海面まで来たかなと思いましたら、今度は浅い根の上を横に走ります。
これはハリスが根にこすれたら一巻の終わりです。
ブレーキを緩めて糸を出したながら、竿は上に上げて糸がなるべく根にこすれないようにします。
チヌと違って、なかなか一筋縄ではいかないですね。
竿を立て気味にして魚をいなします。
上から海をのぞきますと15mほど離れた浅い根の上に大きなグレが見えます。
大グレと見て分かりますと少し緊張しますね。
ここからユックリと魚を寄せてきます。
こんな時は決して急いではいけません。
なるべく糸に負担がかからないように気を付けます。
大グレが見えているので早くタモに入れたいという自分に対して、「取り込みは落ち着いて、魚がタモに入ってからヤッターというもの」と諫める自分がありました。
年を取ったので、場数を踏んで釣りに余裕ができてきたのでしょうか。
根の上の魚を寄せてきますと、かなりの重さを竿に感じます。
これは久々の大グレです。
余裕を出してユックリと落としたタモに魚を誘導したにもかかわらず、グレはタモの横を通り過ぎてしまいました。
ナンデヤー!!
えてして再度のタモ入れの時にハリスの限界が来てハリス切れでバラスものです。
タモの柄を縮めて再度タモを魚のそばに落とします。
一度は魚がタモから出そうになりましたが糸を引っ張ってタモに入れます。
タモに入ったグレをヨッコラショという感じで持ち上げて、磯の上にタモを置きます。
ようやく大グレを取り込めました。
このグレはハリを飲んでいました。
1.75号のハリスはハリから上60cmほどがザラザラになっていました。
この状態で良く釣り上げることができたと思います。
無理に魚を引っ張らなかったのが良かったのでしょうか。
ツキもあったかなと思いました。
魚を取り込みましたがあまりヤッターという気持ちにはならなかったです。
なんだか、少し虚脱したような気持ちになりました。
このグレは45cmありました。
産卵で磯に寄ってきているのか、ボテッとした個体でした。
 |
1時20分ごろ釣れたグレ45cm
|
この魚を釣った後も釣りをしましたが、ベラが1匹釣れたきりでした。
3時に迎えということでしたが、2時には風が強く吹き付けてきて2時を少し回ったところで竿を置きました。
片づけをしていますと、千畳のチョボの釣り人が道具を飛ばされそうですと言ってこちら側に避難してきました。
千畳の二人組も岩のくぼみで風をよけているようです。
3時の迎えの船では5人が帰りました。
サンスイの御主人はグレ32cmまでを4匹、Mさんは42〜47cmのチヌを3匹ということでした。
ヒナダンに下りたYさんは32cmほどのグレを5枚ほど釣っておられました。
私が竿2本のタナでグレを釣った話をしますと「本当は浅いタナでグレの数釣をするよりも深いタナで釣るほうが好きなんです」ということです。
今日は、私がグレの最長寸を釣ったようです。
あとは、長崎で釣られた磯研の方がグレの40cmを釣っていました。
今日は風の強い中10人いて大グレは2枚出ました。
大グレを釣るのは宝くじに当たるようなものですが、掛かった時に取り込むには運もあるかなと思いました。
今回はついていましたが、大グレのアタリがあったのは釣りを始めてから7時間ほどしてからです。
集中力が切れそうな中、アタリを見逃さなかったのは過去にこの場所で釣った実績があったからかもしれませんね。
私は今年も40cmのグレを釣りましたのでもう満足です。
これで、4年連続若狭湾で40cmオーバーのグレを釣っています。
今回もサンスイ釣り具の御主人と一緒に釣りに行って、隣で私が大グレを釣るという結果となりました。
サンスイの御主人にはまたチャレンジしてほしいと思います。
こうなりますと、釣れるまで行くしかないですね。
次回泊に釣りに行くことがありましたら、だれも竿を出さないようなB級磯で釣りをしようと思いました。
今回は「ぐれねっと」らしい釣行記となりました。
また、次回に期待して。
 |
今回は大谷渡船の船長に撮ってもらいました
|
TOP 釣行記index 次のページを読む
|